つらつらと書いてまいります。

逃げ上手の若君


週刊少年ジャンプ連載中

鎌倉時代末期から室町時代初期を舞台として北条時行を主人公とした作品です。

一族を滅ぼされ、生き延びて。

この作品がなければ歴史のページに記載されただけの人物であったことでしょう。

彼に着目し史実と突き合わせて物語を構成する作家さんのご尽力。

見事です。

史実通りならば北条時行は、歴史の主人公ではありません。

この時代の主人公は、足利尊氏なのですから悲劇的な結末が待っているのみです。

中先代の乱

が北条時行の絶頂点でしょうか。

そこに輝く一瞬の主人公に当てられるスポットライト。

楠木正成

新田義貞

このお二人を主人公にした物語も目にしますが歴史の勝者になりきれません。

シェイクスピアが好みそうな題材です。

歴史上の実在の人物を描いた。

そのような物語では


手塚治虫さんの火の鳥

特に乱世編が深く印象に残ります。

人間くさい 平清盛

暴虐無人 源義経

人間不審 源頼朝

勝ち馬に乗りたい公家衆

数十巻という連載ではなくコンパクトに完成された群像劇です。

結局誰が勝者なのか。

それすらも諸行無常なのか。

人間ドラマとして

火の鳥 鳳凰編

こちらも大変に読み応えがあります。

善悪すらあざなえる縄のごとしであるのか。

そのような逆転劇。

運命なのでしょうか。

輪廻なのでしょうか。

喜劇と悲劇の間にこそシェイクスピアの作劇の真髄があるならば、

偉大なる作家に秋の夜長にオススメしたいものです。