寒くなってきますと、さつまいものほくほくのぬくもりが恋しくなります。
拙者には、さつまいもに忘れ得ない思い出がございます。
駆け出しコックさん時代。
お店で提供する手作りのさつまいもスイートポテト。
これを召し上がった初老の紳士が食卓で泣き出した場面に出くわしました。
「今日は事務の女の子に勧められて仕方なくさつまいもを食べたけど、さつまいもっておいしいねぇ」
「戦争のころに、カボチャとさつまいもは二度と食べないと決めていたんだ」
当時、60歳近い方。テナント管理会社の社長さんでした。
終戦前後の食糧難を体験された方でした。
何かを食べて泣いた。
目の前で拝見いたしましたのは空前絶後のことでした。
秋のスイートポテトをみると。
思い出します。