深江章喜・トークイベント2 | 黒いダイスが俺を呼ぶ

黒いダイスが俺を呼ぶ

さすらいのSUZUKI SC100乗り。主にスズキフロンテリヤエンジン系を乗り継ぐ。
日活アクション映画、昭和の特撮番組が好物でロケ地巡り。
大日本帝国陸海軍戦闘車両模型も好き。

赤木圭一郎さんについて語る
 
彼は(短い間に)裕ちゃんや小林旭さんについで第3の男として売れてきてね。
共演作は多いからね。
 
1959年 『街が眠る時』 『ゆがんだ月』 
    『清水の暴れん坊』 『大学の暴れん坊』
1960年 『鉄火場の風』 『打倒・ノックダウン』 
    『霧笛が俺を呼んでいる』『拳銃無頼帖 不敵に笑う男』
    『海の情事に賭けろ』
1961年 『紅の拳銃』 『激流に生きる男』
 
トニーの第一印象は?
日活の食堂で、(数人で)お茶を飲んでいると、彼が歩いてきてね。
輝いた目をしている、がっちリした体格の男で・・・(足は長くは無かったけど。)
おい、あれは誰だい?って、話題になったよ。
 
トニーとの共演作での思い出は
彼との共演では横浜でロケが多くてね。
(調布の)日活撮影所からロケバスで多摩川沿いを下るのだけど早朝ロケだから朝早くてね。
それで現場に着くと黒塗りのトヨペット・クラウンなんかが数台停まっている訳。
土地の顔役でね、ロケの人避けとかを仕切るんだよ。
だけど、早朝だからそれほど人なんか居ないんだけどね。
気のきいた製作部?の担当だと、ご苦労様ですって、いくらか渡すんだよ。
すると帰って行くんだよ。
ところが堅い担当だと、渡さない事があるから、いつまでも付いてくるんだよ。
特に『不敵に笑う男』では、ずっと祭りのシーンだから、
それに合わせていつまでも付いてくるんだよ。
今だったら相撲界が騒いでいるように、大変だろうけどね。
 
『拳銃無頼帖 不敵に笑う男』の時の
出演者の記念写真を深江さんが持ってきてくれました。
 
『打倒 ノック・ダウン』はボクシング映画でね。あれが一番大変だった。
何せ裸で撮影する訳だから、ごまかしが効かない。
ボクシングシーンでは相手はプロのボクサーだから、
こっちからは本気で殴ってもいいって平気だから。
でも間違って相手のパンチくらったら本当にノック・ダウンしてしまう。
赤木君は生真面目っていうか。倒れるシーンでテストの時からズデンって、
本気で倒れるんだよ。
テストなんだから、軽く倒れるまねをするだけでいいんだよっていっても、
何度も本気で倒れてね。
 
ゴーカート事故のこと
あの頃ゴーカートなんて初めて見るものだったし、
アクセルとブレーキが逆に付いていたんだってね。
ジェット機用のヘルメットを被っていたし、
スピードだってたいして出ていないのに、当たり所が悪かったんだね。
病室で無意識なんだろうけど(酸素マスクとか払うように)手足を暴れてね。
錠さんと郷くんと俺でね、暴れないように押さえつけたりしたんだよ。
 
もし赤木くんが生きていたら、芸能界も変わっていたかもね。
本当にいい奴だったし。輝いた目をしている、がっちリした体格の男で、
足は長くは無かったけど。歌は・・・歌は下手だったけどね。
もし生きていたなら、僕も(今でも)もっと忙しかしくしていたかもね。