平川和宏著『自由に、からだ、自由に、こえ』(幻冬舎MC刊)読了。ネタバレ多少。

 私の読書生活としては珍しく文庫本でなければ小説でもありません。所謂ハウツー本と言ってもいいのかもしれませんがそういうものでもありません。帯にはプロの俳優が教える!全身を使った自己表現。とあります。ですから演劇の入門書と言えるのかもしれません。まあ、確かにそういう面もあります。しかし肝となるのはタイトルにもあるような、演劇のワークショップを通しての、挨拶など日常生活に於ける発声、身体や表情の動かし方のバリエーションを学ぶことによるコミニュケーション力を育むということにあるようです。演出家や脚本家ではなく俳優が著していてこそですね。

 様々なエチュードの方法、ワークショッププログラムが載っています。それらはもちろん演劇という括りで考えたら初心者向けと言えるかもしれません。しかし、前述した意味で言えば、平易な言葉でありながら、生活やコミュニケーションに大切なものとは何かということがしっかりと記された著作であると言えるでしょう。ということで考えれば演劇の指導者はもちろん教育現場に携わる全ての方に読んで欲しい一冊です。

 

 何か大事なことを教えてくれる一冊となることでしょう。