これから将来は、明るいのか、暗いのか、と問うと。
多くの若者は悲観的な反応を示す。
日本財団が18歳の若者に行った調査では、今後の日本の将来は良い方向に行く、と回答したのは全体のわずか9.6%なんだそうな。
なんと嘆かわしい。
昨晩、珍しく2人の息子と長話をしました。
進路を悩む劣等生次男君は、日々気持ちが浮き沈みする、思春期真っ只中で。
昨晩は定期考査中だったこともあり、将来の不安を色々と話してくれました。
まあ、年齢相応というか。
ワシに言わせれば、自由な選択肢のある将来を前提にしている時点で幸せ者やないかい、とも思うのだが。
次男君に対する長男君の回答がなかなか、悲劇的だった笑
長男君は公立高から塾も行かずに地元随一の国立大学に進学し、地元の優良企業に勤務するという、親としては金のかからない、すこぶる孝行息子なんだが。
彼は社会をかなり斜めに見ていて。
今の日本の社会構造では、一部の資本家による資産独占が固定化し、自分たちのような「凡人」はインフレに踊らされる程度の低賃金で老人になるまで働かされるのだ、と。
労働者の日常は「クソ」のようであると知りつつも、人生におけるチャレンジはハイリスクを意味するので、勇気のない自分は「凡人」を甘んじ、小金を溜め込みながら日々暮らすのだ、と宣った。
次男君は長男君の悲観的思考が嫌いらしく、学歴の面でも社会的ポジションにしても分かりやすく勝ち組の兄ちゃんが、安もんのコンサルのような、ステレオタイプの人生観を信じ込んで嘆いているのは見ていて不快だ、と返す。
一方で学力の面では全くダメダメな自分は、そんなニヒリズムをぶっこく余裕さえ無く、自分はこのままだと、ブルーカラーの最底辺で一生ビンボー暮らしだ、とくる。
いやあ、君らホンマに若者か?
という嘆きとともに、君らはいつからそんな「分かったような」口を聞くようになったのだ、と驚く。
子どもの口から「資本家」だの「コンサル」だの「ニヒリズム」だの笑
もう、引くわ。
ワシは。
彼らの会話を、悲観的でありつつ自己の万能感を否定しきれない若者の勢いと冷笑しつつ。
彼らの様子を見て、結局社会は同じことを繰り返すのだな、と、思わざるを得なかった。
今の時代は、そんなに悲劇の時代なんでしょうかね?
うちの子に限らず現代っ子たちは、夥しい量の情報とテクノロジーに支えられ、早いうちから欲求の充足を繰り返すことで、渇望という、人生でとても大事な推進力を持たない。
就職して得ることのできる対価も、投資リスクも、恋愛の帰結も、結婚制度の限界も、子育てに伴う社会的平衡の困難さも、全て、知識として「答え」を持ち合わせている。
グローバル化が久しい昨今、ワシが若い頃には考えられなかった、他国との賃金格差や経済力の比較まで、手元のスマホから答えを導き出せる。
そう、少し昔に多くの人が夢見た、ハイテク社会だ。
日本における社会的モラルは、数十年を経て大きく向上した。
昭和の習慣を現代っ子に見せて騒ぐ類のバラエティで消費されつつあるが、社会資本の整備や治安維持の面でも、社会は一昔前に「理想」と掲げた状態に、今、ある。
下水道の圧倒的普及や医療インフラの整備により、感染症の多くは駆逐され、平均寿命は大きく伸びた。
デフレだ、賃金が30年上っていない、国際的競争力が弱くなっている、と耳にタコができるほど聞かされるし、それが若者の未婚率上昇の要因の一つ、とか言われるが。
おそらく、半分くらい嘘である。
賃金は上がっていないが、物価も上がっていない。
つまり、ここ数十年、生活の困難さは体感的に大きく変わっていない、という調査結果もある。
国際競争力の低下とか言うが、高度経済成長末期と、バブル期の異常な時価総額高騰により実力以上に価値評価された時代に比べて企業ランキングを下げているだけで、先進国としては依然日本は信頼性の高い企業体力を持ち続けている。
GDPが世界4位になったと言うが。
そもそも2位の中国の若年失業率は14.9%もあり、日本とは桁違いだし。
ニートが増えたとかよく言われるが、日本のニート率は世界で2番目に低い、とも言われる。
よく欧州の先進国が賞賛されるが、盤石の人生設計ができるのは高い専門性を持つ、一部の勝ち組だけ、という現実はあまり報じられない。
社会のメッセージは大方、今の時代は過ごしにくい、という意味を含ませている。
エホ証の信者勧誘の常套句のようなこの言葉を、今の若者の多くは言いたがる。
が。
リアルを解体してみると、さほど深刻になるほどのことでは無いのである。きっと。
まあ、言うならば。
ワシらの若者の頃や、親世代の悩みが、「腹が減って食べるものが無い」というものだったとしたら、今の世代の悩みは「腹一杯食べて、食べたいものが無い」と言う悩みになっている程度では無いか、と思う。
食べ物がない悩みの場合は、食べるために頑張る、というモチベーションに繋がるが、今の子達は、食べたいものが無いから、それ以外の生きるモチベーションを探す苦労を味わわねばならない、と言う意味では、かわいそうだが。
そんなんもん。
知らんがな笑
そう。
人間なんて、いつの時代も、どこの国でも、程度の差こそあれ、「生きづらさ」を探せば、そこら辺にいくらでも落ちている。
ツラツラと上記のように書いたのは、日本の若者悩みなど、環境的側面で語るなら、かなりマシ…いや、全然大したことないレベルだ、ということ。
空調の効いた家に帰って、たらふく親の作ったご飯を食べて、温かいお風呂に入り、ふかふかの布団に入りながら、欲しい情報や欲求を満たしてくれる魔法のようなモバイルを見つつ、「悩んでる」なんて、どーなのよ笑
貧富の差こそあれ、日本中に、自己責任なしでキリストのように「頭を横たえるところすらない」ような人がどれだけいるのよ?
それでも、人々は、「生きづらい」と言い、「希望が無い」という。
そーゆー、生き物なんですよ。
だからね。
教えてあげる。
楽園になったって。
つまり、周りの環境がどんなに「理想的」になったって、人類という単位では「幸福」など達成出来ないよ。
だから、楽園の希望、なんて。
そんなもん、空虚なカルトの人寄せだってことは、現代の日本人が証明してるやん。
人間はなんて愚かなんだろう。
信じる神様が違うだけで殺し合うくせに。
時代ごとにぶら下げる人参を変えさえすれば、いつの時代も神様に飛びつく。
そーした傾向を食い物にしているのが、宗教よ。
そう、ものみの塔よ笑
ものみの塔も、お題に困らなくてよいね。
そう、ものみの塔は、ある種、人間のそーした普遍的な傾向を理解して展開している悪徳商法なのだ。
軍事均衡がもたらす平和状態を満喫しまくるお国の、豪奢な施設で演説かましているだけの無責任な連中が、浅はかな人間の表面上の不協和音をネタに、今日も免疫なき人民を騙してる。
この記事を読んだって軍拡を招いた本質的な問題に切り込むわけでも、しっかりと功罪を分析するわけでも無く。
ただただ、幼稚園児のように、軍事費の金額にインパクトを見出した、低学年の作文程度の情報しかない。
この程度の煽りで不安になる情弱ウブな方々を釣る擬似餌として、戦争というワードで金儲けをしているのが、ものみの塔の実態だろうに。
繰り返すが、人間は生きていくために常に「憂い」を抱える生き物。
幸も不幸も、本人がそれをどう捉えるか、どう生きるか、だけにかかっている。
環境的要因は人生に大きく影響するが、同程度の環境でも幸せの感じ方など人それぞれだ。
それが分かっていれば。
私たちが不幸なのは「サタンのせい」という他責主義の権化のようなロートル理論と、楽園が来たら幸せ、という「環境要因」のみを訴求する無知蒙昧なミスリードに惑わされることはないはず。
宗教は多くの人にとって、ある面で救いとなり得ることは認めるが。
その存在は限りなく「必要悪」に近いものだ。と。
特にこの現代日本においては、生存過程で一定の益をもたらしつつも、細胞の腐敗を促進するバクテリアに近い。
いや。
もっと辛辣に言うならば。
ものみの塔は、「エセカウンセリング」だろう、と。
ここまで考えて、2人の息子に再び目を戻すと。
こいつら、大丈夫かぁ?と、不安になり笑
次男君が、あーあ、もう勉強もお金もない、縄文時代に生まれたかったわー、と嘆く🤣
おーおー、ええやないか。
ものみの塔に騙されるより、縄文時代に行ってこい!笑
まあ、君なんて縄文時代に行ったら3分で音を上げるけどな!
と返す。
2人の息子に、君らが今、ウクライナやパレスチナに生きる若者だったら、その嘆きは説得力あるけどなー、と。
😁←こんな顔で言うワシを見て。
2人は、「ハイハイ、おとーさんに言っても無駄無駄」と、それぞれの部屋に戻ったとさ。
悩めよ、若人。
ワシにしてみれば、しょーもない悩みだが。
君たちの視野はまだ狭い。
これから、まだ見ぬ世界を、たくさん見るだろう。
その新しい世界が、君たちを幸せにするのか、益々幸福感を奪うのかは、知らん。
そんなもん、知らん。徹底的に、知らん。
でも。
それが生きる、と言うことよ。多分笑
先の長い君たちに言えることは。
ものみの塔をはじめとした、バクテリアあらためエセカウンセリングには気をつけなよ、と。
とーちゃんはそれくらいのアドバイスしか出来ん男なんよ笑