コロナ禍以降、日本中に再び出没するようになった、カート奉仕の現役さん達。


 ワシは彼らを見かけるたびに、哀れに感じたり怒りを感じたり、同情したくなったり、と複雑なのですが。


 先日、会衆単位のカート奉仕ではなく、都市部周辺のエリート信者が集められる「大都市の奉仕」に、いわば選抜されている面々の交わりの場笑に居合わせ、生の声を聞く機会がありました。

 そのエリート笑達が集まる交わり笑の場で、彼らが話題にしていたことの中に、いわば「背教者」の出没情報笑に関することがあったので、少し興味深く耳を傾けました。

(笑が多くてゴメンなさい笑)


 

 カート奉仕者達が、その時に話題にしていたこと。

 それは、彼らが街頭に立つと、度々、特定の男性が妨害に訪れること、でした。


 その男性は、推定40代、元信者2世で、親から虐待され、人生の多くを喪失した、と語っておられ。

 暴力的に退去を迫ったり、脅迫をしたりすることはありませんが、とにかく執拗にカート奉仕者に付き纏い、カート奉仕者をその場から退散させる事が目的、と公言しておられるようで。


 ある時はカート奉仕者の前でずーっと座っていたり。プラカードを持って横に立ったり。ひたすらカート奉仕者に語りかけたり。

 で、奉仕者達が妨害に懲りて退散すると、満足して、次のスポットに移動し、また同じ事をされるのだとか。


 そんな妨害男性は、「大都市の奉仕」という特権笑を得ている面々の間ではすっかり有名人になっており。

 別のスポットから、「彼が出没した、そっちの方へ行くかも知れない」と連絡のやり取りがされるのが通例になるくらい、彼の登場は、いわば奉仕の際の日常になっているようでした。


 カート奉仕者達は、一様に、そんな妨害男性を「哀れ」に感じているようで、あんなにしょっちゅう付き纏う時間があるなんて、「きっと無職で」「友達がいない」「精神的に病んでいる」方なのだろう、と。

 特に女性陣は、その妨害者の男性が清潔感がない(あくまでも感想の域ですが)事に生理的嫌悪感を感じている、と語ってその場を笑わせていました。


 しかし、その妨害者の彼は、女性と若者には優しい、とも観察されており。

 ある若い兄弟は、「君達はまだ若いので…」といった優しい言葉をかけられた、と話してくれました。


 その霊的会話笑に興味をそそられたワシは、「その方は、皆さん(奉仕者)に何を訴えているの?」と口を挟んでみました。

 すると、奉仕者の面々は顔を合わせ「えーと、厚労省がどう、とか、こう、とか」と途端におぼつかない口調になりはじめ、明快性を欠く展開に。

 その様子は、背教的論調だから口にし辛いと言うよりは、本当に妨害者の話を聞いていないか、理解できない、といった様子に見えました。

 ですからきっと、大方みんな、妨害者の話を聞き流しているのでしょう。

 また、厚労省、というワードでピン、と来ないあたりを見ると、正に組織内の情報コントロールに依存した、情弱な面々が特権を得ている、という事を改めて実感したのでした。


 妨害者に対する奉仕者の反応もそれぞれで、「なんであんなくだらないことするのだろう」と怒りに近い感想を口にする方もいれば、「背教者はあーゆーもんだろ」と達観した感想を持つ方もおられました。



 この霊的会話笑を聞いていて、ワシが面白い、と感じたのは。


 奉仕者達の感想が実に素直で、普通である、と言うことでした。

 頼まれもしないのに、平日の昼間から度々妨害に訪れる成人男性を「暇人」「病んでる」「生理的に無理」と断じるその評は、実に素直かつ平凡なもので。

 そら、そー感じるだろうな、と。

 某姉妹は、「あんな方法で何かを訴えようとしても、聞くわけないじゃない」とも言っていました。

 ええ、それも、そのトーリ。

 妨害者の方には悪いけど、殆ど、当たってるかも知れません。


 で、ワシが面白い、と思ったのは、そこではなく。

 彼らが他者を平常心理で価値評価出来ているのに、その物差しを自らに全く当てはめられていない、と言うことでした。


 考えてみると、カート奉仕者を見る社会の目線は、まさに彼らが妨害者を評するそれと、恐ろしく一致します。


 カート奉仕者を街角で見たまともな社会人達は、彼らを「暇なのか?」「病んでるのか?」「洗脳されてるのか?」「生理的に無理」と、見ているでしょう。

 いや、これは予測でなく、覚醒したワシには彼らがそのように映りますし、実際ワシの周りのまともな世人達の多くは、彼らをそのように評します。

 過去の記事にも書きましたが、ワシの部下は彼らを見て、「UFOでも呼んでるんと違いますかー笑」と軽蔑の視線を向けていました。

 そして、社会のフツーの人達は、「あんな方法で何かを訴えようとしても、聞くわけないじゃない」という、カート奉仕者が妨害者に向けて放った同じ言葉を、軽蔑と共に飲み込んでいるのです。


 まさにカルト、とは、こーゆー事ですよね。


 彼らは、主観的正義を軸に信仰を解釈するので、客観性の扱い方が病的です。 

 他者評価の物差しに頻頻と客観性を持ち出すのに、自己評価は主観性を出ないのです。


 アイツは気持ち悪いよな、と、割と平均的な感覚で敵を観察できるのに、自分が同じ生き物であることを想像すらしないのです。


 カート奉仕者達は、常人目線で会話を楽しみ、妨害者を下に見ていますが、ワシから言わせると、チンパンジー同士のいがみ合いです。

 お互い、君は哀れなチンパンジーだよ、と見下げて慢心していますが、側から見たらどっちもゴリゴリのチンパンジー、という怪。


 カルトの恐ろしさを垣間見ましたね。



 さて。

 ワシは、この妨害者さんの事を、悪く評するつもりはありません。チンパンジーに例えておいて、何やねん!って感じですが笑


 それに、「そんなことしても意味ないよ」とも一概には言えませんし。


 まず、現役連中から見ても、「攻撃的ではない」「女性、若者には優しい」との感想が聞かれると言うことは、この方が努めて穏やかな調子で話しかけていらっしゃる、まあ、分かりませんが紳士でさえあるかも知れない証拠でしょう。

 御自身の経験に照らして考えると、おそらく感情的にならざるを得ないテーマであるのに、怒りに任せて罵ったりすることなく、温厚に話しておられるのは、好感を持てます。

 傷のある2世はつい、感情的に攻撃してしまいそうになりますが、そんな事をしてしまうと、宗教論争の前に、人としての品位を落とすこと以外の産物は残さないので、この点は、ワシはこの妨害者さんを尊敬します。


 また、カート奉仕者達は、この妨害者の方の話を殆ど聞いていない、若しくは理解していないようでしたが、この妨害者の方の望み通り、「カート奉仕を一時的に撤収させる」ことは何度も叶っているようですので、その時点で目的は達している、とも言えるでしょうし。

 何をもって意味を見い出すのかは、人それぞれだし。


 ワシは決して、この妨害者さんと同じ事をしませんが、この手法は、少なくとも平和的な手段によるもの、という点で、ワシは評価できる部分もある、と思いながら、話を聞いておりました。


 ワシは。

 カート奉仕者達は、少なくとも法的な諸手続きを経たうえで路上に立ち、言論の自由が認められた法治国家において、自己の信条を公開しているわけですから。

 例えそれが目障りでも、妨害したり、嫌がらせをしたりする事は、感心しません。


 また衆目にさらされる公共の場に立つ彼等には、一定の使命感とともに高揚感、緊張感があります。ですから、その奉仕スタイルと大いに矛盾するのですが、街頭に立つ彼等と、柔軟にコミュニケーションを取れる、と期待するのはあまりにも無理があるでしょうし。


 じゃあ、オメーはどーするのが一番いいと思ってんだよ!と言われそうですが。


 正直、分かりませんけどね。

 ただ、これはJWに限らずですが、公共の場に立つと言った、他者の視線を意識せざるを得ないシチュエーションにて彼等が間違いを認めるとは思えません。

 だからワシは、カート奉仕者に会っても。

 その日の機嫌で、軽蔑視線を送る事もありますが、基本、無視します。

 知り合いがいたら、笑顔で「久しぶりー!」とか言いつつ、笑顔のままのノリで、「めっちゃ迷惑な場所に立ってるやんー」とか、「キッショいわー」とか失礼な軽口を叩くことで、彼らの尊厳に小さな風穴が開く事を願う程度です。

(ちなみに、某現役さんは、昔の仲間であるワシが繁華街で「きっしょ」とからかったことに、大いに傷付いた、と語っていたそうです。ゴメンなKさん笑)


 そして。

 そのカート奉仕者の交わりの場で、ワシができる事を、少し考え。

 ちょっとだけ、釘を刺してやる事にしました。 「でも、厚労省のQAくらいはもちろん、皆さん知ってるんでしょ?」と、さも当たり前のように、しれっと聞いてやりました。


 顔を見合わす、ちょっとした微妙な空気が流れるのを観察して、ほくそ笑むワシの性格の悪さよ。

 街頭に立つくせに、社会の動きを知らないなんて恥やろ、な空気を醸し出したつもりですが、その一刺しによって、彼らのうちの誰かが、1人の時に厚労省の見解や、それに付随する世間の空気を検索して見てくれればいいですがね。

 ま、期待してませんが。



 まあね。

 色んな傷を持つ、覚醒元信者達は、街中で嫌でも目に入るカート奉仕者に苛立つ事がある、というのは当然ですが。

 彼等を貶しても罵っても、彼らのガードが固くなり、結束するだけだと思います。ワシは。



 ワシがカート奉仕者だったら、どうされるのが嫌かなー。

 きっと論戦を挑まれたら、嬉しいかな笑

 歪んでるので。

 

 一番嫌なのは、可愛い女子達に、集団でクスクス笑われたりしたら、逃げたくなるだろうなー。



 と、まあ。


 いずれにせよ。

 覚醒していても、傷があっても。

 彼等を攻撃したり嫌がらせしたりするのは、ワシ的にはNG。

 そんな事からは、誰の幸せも生まれませんよ。




 以上、現役側の受け止めを垣間見た話、でした!