同棲からルームメイトへ | 4.5畳の恋人。

同棲からルームメイトへ


間取図

とても狭い4.5畳の部屋。
普通、旅から帰ってきたら「やっぱり家がいちばん!」って
思うのだろうけど……。

今回ばかりは、旅の疲れに追い討ちをかけて
さらに疲れがドッと出てきた感じです……。

……別れ話を突然出されて。



「でさ……なんで突然そんなこと言うの?」

夏子 「タイなんか行けないもの」

「それはわかった。でもそれは夢を口にしただけだよ」

夏子 「その夢に私は一緒についていけないの

「夢は夢であって、愛する人のためなら方向転換できるでしょう?」

夏子 「……」

「なんかほかに理由があるなら言ってよ。おかしすぎる」


夏子 「ほかに好きな人ができたの!
俺 「(´Д`)……いつから?



夏子 2か月くらい前から
そんなに前からかよ(´Д`)





夏子 「……」

「も、もう付き合ってるの?」

夏子 「……付き合ってはいない」



俺 「一緒にデートとかしてたの?
夏子 「……たまに




「……まじか(´Д`)」

夏子 「……」

「どんな人なの?」

夏子 「……映画の仕事している人」

「映画の仕事の手伝いをしてて知り合ったの?」

夏子 「……うん」

「浮気してたのか……(´Д`)」


夏子 「浮気なんかしてない!!
俺 「2か月前からデートしてたんでしょう? (´Д`)


夏子 「そうだけど……」

「それって浮気じゃん(´Д`)」


夏子 浮気じゃなくて本気なの!
稀にみる迷言が出たな(´Д`)



夏子 「夏子はいつも本気。いつもそうしてきたの
俺 「歴代の彼氏たち、かわいそうに(´Д`)






夏子 「自分でも困ってるの!いつも途中で好きな人ができちゃう」

「……前の恋愛も不倫だったもんね」

夏子 「不倫でも本気なの!」

「……世間はそう思わないぞ」


夏子 「夏子は夏子、夏子なの!

俺 「……そ、そうだな(´Д`)



夏子 「でさ……勇太郎」

「……なに?」


夏子 「いつこの部屋から出てく?
俺 「おいおい(´Д`)


夏子 「別れたら一緒にいるのおかしいでしょう?」

「おかしいけど、急に言われても困るって(´Д`)」

夏子 「じゃあいつ出てってくれる?」

「……いつって言われても(´Д`)」

夏子 「決めて! 鍵ももう渡さない!!」

「少なくとも12月のボーナスまで待ってよ」

夏子 「まだまだ先じゃないのよ!! 無理!!」

「無理言ってるのそっち! 引越しはお金かかるんだよ(´Д`)」


夏子 「来週なら大丈夫?
俺 「俺の話、聞いてないでしょ(´Д`)



夏子 「別れてもこの部屋に一緒にいるということは……」

「……」


夏子 「別れても一緒に寝るの!?
俺 「ま、まあ、この狭さじゃ仕方ないな


夏子 「彼をここに呼べないじゃない!
俺 「……俺が隠れられる場所なんてないしな



夏子 「彼との電話も聞かれるわけ?
俺 「いままではどうしてたのよ


夏子 「外で電話してた



「……じ、じゃあそうすれば?」

夏子 「なんで私が勇太郎に遠慮しなきゃなんないのよ!」

「……あのさ」

夏子 「……鍵はもう渡さないよ」

「ここはお互い、あいこなんじゃない?」

夏子 「なんで?」

「まだ納得はいかないよ。でも、争いたくないから言うね」

夏子 「うん。でもなんであいこなの?」





俺 「夏子は俺に内緒で浮気してた

夏子 「内緒にしてない!! 話すと傷つくと思ったの!
俺 「同情するなら鍵をクレ(´Д`)





夏子 「なんでわからないの? 黙っているのは優しさなの」

「……まあ、それはいいとして、浮気してたのは事実」

夏子 「……」

「そのうえ、突然出てっていうのは、不条理じゃない?」

夏子 「……どうしたいの?」

「だから、俺が出て行くのは12月まで待ってよ」

夏子 「……それまで一緒なの?」


俺 「そ、そうなるな。俺のこと嫌いなの?
夏子 「嫌いじゃない



「なら、いままで一緒にいれたし、12月まで待てるでしょ?」

夏子 「……ほかに好きな人ができたのに?」

「うん」

夏子 「……食費、出してくれる?

俺 「……だ、出す(´Д`)




夏子 「お小遣いも出してくれる?
俺 「ちょっとまて!!




夏子 「?」

俺 「いままで俺が夏子のお小遣い出してきたよな
※夏子の負担と勇太郎の負担についてはこちらのエピソード を参照。

夏子 「うん。でも返さないよ」

「返さなくてもいいけど(´Д`)」

夏子 「……なによ」

「その金で浮気してたわけだよな(´Д`)」

夏子 「……夏子のこといじめてるの?






俺 「もうあれだ! 重い話なし!
夏子 「これ、重い話なの?





「どうせ12月までいるなら、楽しくいこう!」

夏子 「今日から同棲じゃなくてルームメイトね♪
俺 「(´Д`)



冷静に話しているように思えますが……
頭のなかは混乱しまくっています。

……次回、4.5畳の共同生活ルール。



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