4sightConsulting代表浅野のリスクマネジメントブログ -5ページ目

弊社が関わった事例の紹介

ここ最近、かなり業務が立て込んでしまい、久しぶりのブログ更新となりました。



今回は、弊社が関わった企業の中で事業継続計画(BCP)によって、震災後に短期間で事業復旧を果たした事例を紹介したいと思います。


 株式会社オイルプラントナトリ様という宮城県名取市にある会社で、海岸近くに工場などがあるため、津波によって壊滅的な被害を受けましたが、平常時の準備が効を奏して早期に復旧ができたのです。

短期間で事業を再開させることができたため、テレビや新聞などマスコミによって報道され、注目を集めています。

同社は、廃油を再生する廃棄物の中間処理を行う事業を行っており、工場から廃油や汚泥、廃プラスチックなどの廃棄物を回収し、再生重油や固形燃料などに再資源化して販売している従業員50人ほどの企業です。ISOを取得するなど、環境保全活動にも熱心に取り組んでいます。

実はこの会社のBCP担当の方は、昨年6月に私が講師を担当した事業継続計画(BCP)研修を受講され、自社でBCPを策定されました。(研修は、中小企業大学校仙台校主催の2日間の本格的なプログラムです)

私が実施した研修内容は、BCP組織体制、中核事業の選定方法、事業影響度分析、ボトルネック資源の抽出、代替資源の準備、目標復旧時間の設定、災害対策本部設置手続き、安否確認方法、帰宅参集要員の考え方、企業連携の方法などで、講義だけではなく、ケーススタディとして事例を使って実際にBCPを構築するワークを行うものでした。

担当の方は、BCP研修を受講されたあとも、熱心にメールでご質問もされましたので、できる限りのアドバイスはさせていただきました。

経営層も積極的にBCP策定に関与し、研修後はワーキンググループの体制整備を進め、被害の想定を行い、関係者との連携を図って、事業継続のための具体的な対策を打っていました。緊急事態対応などは訓練も行うなど実践的な取組みを行っていました。

実際の被害は、想定を上回るほどであったものの、被災状況の具体的な調査などを行い、すぐに本社機能を移して、協力会社とともにBCPに基づいて復旧に向けた本格的な事業再開を果たしました。


このように、早期に事業を復旧させ、事業継続を可能にすることができれば、取引先への信頼だけでなく、社員の生活安定にもつながります。

オイルプラントナトリ様のように、平常時に準備を行っておけば、大規模災害が発生し、仮に想定を上回る被害があっても、復旧は早まりやすくなるということです。

各社とも最低限の重要な対策だけでも、この機会に見直していただきたいと思います。

これから事業継続計画の見直しや、新たな策定を検討されている方々の参考になれば幸いです。


株式会社オイルプラントナトリ様のホームページはこちら

同社の事業復旧の紹介記事1はこちら

同社の事業復旧の紹介記事2はこちら