「どうしたらいい?」が口グセの優柔不断なチャーリーは、突然の父親の死で靴工場を相続する。しかしその直後、工場が実は倒産寸前だと判明!どうにか工場を救いたい彼のもとに舞い降りた天使は・・・ドラッグクイーンのローラ(♂)だった。小さな女性用の靴を無理矢理はいている彼女を見たチャーリーは、伝統的な紳士靴の製造から男性用セクシーブーツ製造へと工場の方向転換を図る。はたして保守的な職人たちは、2人の大胆な改革についていけるのか?![上映時間:107分]
おもしろかったです。
私、タイトルの「キンキーブーツ」を「キンキンブーツ」と読み間違えていて、キンキンってなんだよ?と勝手に疑問に思ってました。キンキー(変態の・奇妙な)だったんですね。キンキーブーツはエナメル素材のスーパーヒール、ドラッグクィーンの方達が履くブーツのことだそうです。
ちなみにこの映画、タイトルとちらしの印象だとギャグっぽいですが、実話を元に作られています。そして思いっきりコメディだと思っていたのですが、観てみると意外と真面目な内容だったりもしてよかったです。
倒産寸前のド田舎靴工場を、キンキーブーツで立て直そうとするというストーリー。
ド田舎ノーサンプトンに住む靴工場の社長チャーリーとロンドンのSOHOに住む都会のドラッククィーンローラ。
工場で従業員たちになじめないチャーリーと、ドレスを着れば500人の前でも堂々と歌えるのに、ジーンズだと挨拶もできなくなってしまい”男”であることになじめないローラ。
全く違った世界に住む、違った悩みを持った二人が手を組んで作り上げていくキンキーブーツ。目指すはミラノの見本市。そして何かにしっくりきていなかった彼らは次第に自分らしく生きること、自分の居場所に気づいていく。
コメディらしく笑えるところはしっかり笑わせてくれるので観ていて楽しめます。
またチャーリーのちょっと情けなく頼りない感じや、ドレスを着ている時とそうでない時で別人のようになってしまうローラだけでなく、チャーリーを支えるローレン、チャーリーを理解してあげられない婚約者のニコラ、ドラッグクィーンに偏見を持っている従業員たちなど、登場人物一人一人の人間性もきちんと描かれているのでとてもわかりやすかったです。
それから靴工場だけあって靴を作る過程が描かれていて、特につま先の部分の作り方なんかは興味深かったです。洋服は自分で作ろうと思えば作れるけど、さすがに靴は作れないですからね。
見せ場はミラノの見本市のシーン。すごく格好よかったです。ロンドンでのローラのステージもなかなか見ごたえありましたが、ミラノのシーンは圧巻です。思わず拍手したくなりました。
またラスト、偏見を持っていた従業員のドンがキンキーブーツを履いているのは笑えました。
一緒に観た友達が、ドラッグクィーン役のローラを観て、香取慎吾が女装した姿に似てる!と言ってました。うん、確かに似てる。あの全然女に見えない女装、デカイ体。スマスマでキンキーブーツのパロディやってくれないかなーなんて思いました。
GTF試写会(@イイノホール)にて鑑賞
★★★☆