Sさんの死 | 「下町の猫たち クワトロの会」

「下町の猫たち クワトロの会」

東京・墨田区など下町周辺地域の自治会等に地域責任を求めつつ「野良猫対策」をご提案し、TNRに取り組む任意のボランティア団体です。野良猫への不妊・去勢手術や保護せざるを得ない猫たちの飼育者募集などのクワトロの会の活動を紹介をさせていただいています。

2019年7月14日

Sさんが亡くなってしまった

 

クワトロの会員でもあり・・・

時に野良猫問題解決を目指し

区議会へ提出する「提案書」提出に際し

区役所や区議会に同行して

協力をしてくれた友人でもある

丁寧に野良猫と向き合い

餌を食べさせている合間

タバコの吸い殻やゴミ

そして糞尿の始末等・・・お掃除を済ませる

そんな地味な活動を

ひたむきに続けていた人だった

ー Sさんがお世話していた大ちゃん(茶トラ)は

  友人の協力でシェルターで保護後一ヶ月して亡くなり、

  あゆちゃん(白黒)は我が家で保護。

  4ケ月後の2015年12月25日に亡くなりました。ー

ー 公園整備後、Sさんの餌場に突然貼り出された

  「餌やり禁止」ポスター。

  ポスター撤去に区役所や区議会議員に積極的に働きかけ

  撤去にこぎつけ、「やったね!」

        と一緒に喜んだこともあったけ・・・ ー

 

体調がいよいよ思わしくない・・・

長年一緒に餌やりをしていた友人に同行を願い出て

病院へ出向き

医師から告げられた深刻な検査結果を

冷静に耳を傾けていた・・・

     

       彼女らしい!

 

2019年6月13日即刻入院

その一ヶ月ほど前

彼女の餌場で

早朝待ち合わせをして

1時間ほど立ち話をした際にも

長引く風邪が治らない・・・と漏らしていた

ー Sさんが毎日通った餌場、今は公園整備で

  この頃の面影はなくなりましたが、

  その後も休むことなく餌やりは続けていました ー

 

こちらも日々の忙しさに

彼女の深刻な状況に気づいてあげることも出来なかった

もしあの時

気づいてあげていたら・・・

事態はもっと違っていたかもしれない

ー Sさんに抱かれた愛衣ちゃん、

  2016年4月譲渡、

  今は大切な家族の一員として幸せに暮らしています 

 

これからどうしても辞められない所の

餌やりに行くの・・・と言いながら

餌を積んだ自転車を引いて去っていく後ろ姿・・・

 

そう!

そう!

やっぱりあの時苦しそうだった!

 ー ご近所から可愛がられた二郎君、

   里親募集をするもご縁に出会うことなく

   2018年亡くなりました。

   長年お世話をしたSさんは寂しそうでした。ー   

 

なぜか気になり

見えなくなるまで見送った後ろ姿

私が見た最後の

彼女が餌やりに行く姿だった

ー Sさんがお世話していた野良猫ななちゃん

  2017年6月、一緒に譲渡先にななちゃんを

  連れていったこともつい昨日のことようです。ー

 

それからは

ほぼ週一回の病院見舞いとなり

元気だったころの面影を求めつつ

別人のように痩せ細った姿に

勇気付ける言葉もなく

「辛い?」と聞くと

     「うん」と頷きかえす

 

緊急入院にも関わらず

手術予定がない・・・

残る時間を意識しながらの面会だった

友人と都合を合わせ一緒に

見舞う予定だった7月22日

それを待たずして入った訃報

 

あなたが

お世話をした多くの

もう此処にはいない猫たち

「飢え」を覚えることもなく

今、あなたの傍に集い

のんびりしているのかしら

 

Sさん

お疲れさまでした

また会いましょうね・・・

ー 合掌 ー