挟まれ | 手紙

挟まれ

ボスは爪に挟まった汚れを黒いマニキュアでごまかしていくことに決めた。決定した。この方針は決して覆ることはない。

そう強く心に誓いながら電車に乗った。東十条に行くためだ。

すれとどうだろう。ドア閉まりますのアナウンスとともに、急に急ぎ出す人々がいるではないか。
そしてその人々、何が楽しいのか、ドアが閉まり始めると、ドアにいざ挟まらんとばかりに全力疾走してくるではないか。

人々はこんなにもドアに挟まりたい生き物だったか。ボスは、人間を見る目が少し変わりそうだと思った。人間不信になるかもと思った。