第三部
東京への到着はアナウンスで気が付いた。
午後3時半。
行きはバッグにPCだけだったが、帰りは着替えた服やお土産やらで荷物が多い。
先ず荷物を置きに戻ろう、そのあと温泉に行ってこのハードスケジュールで溜まった疲れを癒そう!
この3日間飲み続けた酒も抜かねばならないし・・・
荷物を置き、新しい着替えをバッグに入れて温泉に向かう。
途中、先程きしめんを食べたのにお腹が空いてきて、最近見つけた蕎麦屋に入る。
鴨南蛮を注文して平らげる。
ここの蕎麦屋の好きな所は、カウンターに小梅が置いてあって好きに食べられる。
梅好きな私には最高である。
電車に乗り30分余りで温泉に到着。
今夜はお店も休みにしたから、ゆっくり滞在してみよう。
いつもは昼頃から夕方5時には上がってた。
やはり平日は閑散として、伸び伸び出来るのがいい。
以前通っていた温泉は施設の老朽化を理由に閉館してしまい、その後釜として今の温泉に来てはいるが、以前の所が天国の様な処だったので物足りないのは否めない。
(以前通い尽くした温泉での伝説となったお別れパーティーの模様はまた後日書きます。)
東京の温泉の泉質はナトリウム泉と言ってしょっぱい。
これは東京に面した海水が地熱で温められ、地層に堆積した植物と変化を起こし黒っぽい茶褐色の色をしている。
東京なら何処でも1500m位掘れば出るらしい。
温度は40度前後だが。
露天も狭いがココの気に入ってるところは『うたたね湯』というのがあって、深さ10cm位の寝そべって入る露天がある。
ここに入ると、大概寝てしまう。
簾の屋根が付いていて風通しも良く、のぼせることなくじっくり汗を流せる。
あと内湯にあるサウナですが、これがちょっと変わっているんです。
サウナの本場フィンランドの『ロウリュ』と言われている、アロマ水をサウナストーンに掛けて発生する蒸気を浴びるのだが・・・
これ、マジでキツイ!
1日に3回行われるんですが、15分間だけ。
時間になるとスタッフから開始の旨が告げられる。
皆こぞってサウナ室に集まって来る。
そこに大団扇を持ったスタッフ2名が登場。
先ずアロマ水を熱せられた石にぶっかける。
いい香りが漂ってきたな~と思った瞬間、大団扇で室内を隈なく扇ぐ。
室温が一気に上昇して、身体から汗が滝の様に出始める。
その後座っている客一人一人の目の前に立ちはだかり、大団扇で扇がれる。。。
トンデモナイ熱風を浴びせられるんですよ!
顔を下に向けてないと、火傷しそうなくらい!
全員一通り終わったら、それが1セット。
これを2セット行うんですっ!
今まで私は最後まで居れた例がありません。
1セットでサウナ室から飛び出し、水風呂に飛び込みます。
それを今日、何をとち狂ったか・・・2セット浴びてしまった。。。
それは、いつもなら滝のように流れ出る汗が出てこない?
おかしいな~?って。
酒を抜く為に水分補給もかなりしたはずなのに・・・
まあ、今日はゆっくり滞在するし、また後で本日最後のロウリュもあるからいいか。
と、今度は『腰かけ湯』へ。
ここは石でできた長椅子の様になっていて、肩の辺りから温泉が湧きでている。
背中を伝いお尻から足元に溜まり、足湯になっている。
丁度露天に面しているので、ボ~っと眺めながらじっくり汗を掻ける。
外の様子を見ていると、
あれ?
何かこの風景、見覚えがあるなぁ・・・
ここの温泉施設は高台にあって、その施設の最上階に内湯と壁に囲まれた露天風呂が併設されている。
あ! 判った~
これって、※『進撃の巨人』の逆ヴァージョンじゃん!
(※注)
裸の巨人の世界の中で人間が塀の中に閉じ込められ生活を虐げられるという、以前娘から勧められたアニメなんですが、描写がグロ過ぎて引いてしまったが観てたら自分がハマってしまった。。。
塀に囲まれた露天で我々が裸でうろついてる様が、可笑しく見えてきた。
俺、何考えてんだ?
ちょっと休もう。
脱衣所にある牛乳の自動販売機でフルーツ牛乳、イチゴ牛乳、コーヒー牛乳を3本立て続けに飲み干した。
喉が渇いてしょうがない。
お分かりになると思いますが、この辺りからちょっとおかしくなってきてます。
外も暗くなり始め、露天の岩湯に入る。
今までこんな時間まで居たことが無かったから、明かりに照らされた露天も雰囲気が変わって昼間より趣きが出るね。
壺湯にも入り露天にある湯を一通り堪能してたら、本日最後のロウリュの告知が来た。
先ずは水風呂に入り身体を冷ましてからサウナ室に入る。
そんなのも束の間、熱風地獄に晒され体温は一気に上昇する。
すると、身体から汗が滝の様に流れ出始めた。
やっと出た~!
ここぞとばかりに我慢して2セットを消化してサウナ室から出たら、もう体がグッタリ。。。
シャワーで汗を流し、身体を洗う気力も無く脱衣所に向かう。
着替えを済まし歩くことさえ無気力になり、生きる屍の様に施設を後にした。
後は体が憶えている通りに勝手に動いてくれる。
駅に向かい、電車に乗り、いつもの駅で降り、気が付いたらいつも帰りに寄るラーメン屋に着いていた。
いつものしょうゆラーメンを頼み、スープまで平らげ、家路に。
書いてて今気が付いたが、この日朝から3食とも麺ばかりじゃねーか。
着くと、もう体を動かしたくない脱力感に見舞われそのままベットに入り込む。
後はもうひたすら貪るかのように寝た。
翌日も仕事は無理だった。
50の老体に鞭打ったこの一週間における行動は、無謀であり、反省の意を込めてここに記すことにしました。
完