私はふとしたきっかけで昔の想い出が甦ることがある。
昔よく聴いていた音楽が偶々耳に入ってきただけで、その当時の自分の様子が脳裏に浮かぶ。
面白いのが、場所や行動まで特定されてたりする。
当時は年中聴いていたのに、何故その時なのかはよく解らない。
中学の修学旅行の時に宿泊した旅館の部屋。
部活の練習に行く途中の自転車に乗っている。
友人の家に泊まって朝ご飯を食べている。
鎌倉の海岸。
若い頃に付き合っていた彼女の部屋。
塾をさぼって公園で遊んでいる。
実家の近所の坂を下る時。
墓参りに行く車の運転中。
・・・・・・などなど。
街を歩いていて擦れ違った時に、ふと香る匂いも昔を呼び起こす。
自分が若い頃使っていた化粧品の香りは銘柄まで憶えている。
私はませてたから、事ある毎に化粧品を変えていたので尚更かもしれない。
でも圧倒的に多いのは、女性と擦れ違った時の香りだ。
「あっ!? この匂いは・・・」
甘酸っぱい想い出が頭をよぎる。
女性の化粧品の銘柄までは詳しくないので、未だ何なのか判らず仕舞いだ。
「すみません、この香りは何ていう化粧品ですか?」
と、本人に訊くことなど絶対無理だもの!
知らないままの方がいいのかもしれない。
人間の五感に刻まれた記憶の中でも、聴覚と嗅覚は良き想い出として残っていって欲しいな。