(承前)
大日本帝国の物語は大昔の天孫降臨の神話を材料にした家族の物語であったが、過去の歴史という現実の基盤から切り離されたところに建てられたため戦争に負けると簡単に吹き飛ばされた、過去の集大成として現在がある以上、過去を無視すれば現在も崩れるのです、戦後民主主義の物語も大日本帝国の物語と同じように砂上の楼閣でしかありません、「これまでの歴史は間違っていた」と過去を壊した、過去を壊せば現在は迷走するしかありません
(コメント)
戦後民主主義なるものはソ連が崩壊した時点で終わったのではないか、進歩的文化人も消滅した、しかし、この左翼全盛時代が忘れられず、いつまでも階級闘争や権力批判に明け暮れ、独りよがりな平和主義を唱えている人たちが生き残っているのがマスコミ、学校、NPOだ、戦前を何でも悪とみなして先祖を侮辱し、反権力のくせに国家や地方公共団体に寄生し甘い汁を吸っている人たちが多い
西南戦争で勝軍のトップの大久保利通は不人気で暗殺されたが、敗軍のトップの西郷隆盛は人気がある、日本国民は何かと外国に適応しようとする現実的な政治家は嫌いなんです、この習癖のため、日本国はかずかずの失敗を犯してきました
吉田松陰も西郷隆盛も征韓論を唱えていましたが、いじめられっ子が自分より弱い子を見つけていじめるようなものですね、日清戦争のときの日本は、こっちが文明開化の先輩なんだ、グズグズしているお前に教えてやる、という態度だったのでしょう
(コメント)
最初からそういう態度ではなかったのではないか、危機が迫っているのにいつまでも動こうとしない隣国を見て、このままではわが国も危ないと思った当時の先人たちの感覚を理解しないといけないと思う、今の中国のわが国に対する軍事的挑発や経済的な嫌がらせ、日本人攻撃や拘束、やくざ並みの下劣な発言などに接し、かつてないほどの対中感情が悪化し、「中国は怖い」と思っている人は多いでしょう、その感覚は正しい、当時の人たちは、西欧列強のアジア侵略、ロシアの南下に対して今の対中感情以上の大きな恐怖感を抱いていたのではないか、そこを理解すべきでしょう
明治時代の法律は欧米に不平等条約を撤廃してもらうために作られました、日本の現状に合うかどうかは問題でなく、タテマエに過ぎなかった、出発点がタテマエだから、日本人にとっての法律はいまだにタテマエです、憲法改正がなされないのも、必要がないからです、空文だから改正する必要がない、憲法も神棚に祀って拝んでいればいいのです
(コメント)
山本七平「日本人とユダヤ人」によれば日本には「法外の法」があり、守れば餓死するような法律を守る必要がないとの考えがあり、法律は「人間性を無視しない範囲内」では厳然として存在し、それを犯せば罰せられるのである、と同じようなことを書いていた、そして、空文の憲法を大事にしているのが左派勢力である、隣国の覚え目出たい人たちでしょう
義和団の乱のとき、もし日本が中国との連帯意識があれば、義和団を助けるべきでした、しかし、欧米諸国に恩を売り、気に入られるためにアジアを抑圧する側に回った、姑息な手段だが、義和団を助けて欧米諸国と戦う力がなかったのは確かです
(コメント)
著者も言っている通り、日本を根拠なく見下している中韓との連帯など無理に決まっている、それは現在でもそうだ、日中友好や日韓友好などの幻想は持たず、付かず離れずの関係が良いと思う、友好関係など理想論に傾きすぎるのは危険であるのは他の所で著者が指摘する通りであり、二国間関係は全面対決もないし全面友好もないのが普通である、それがわかっていないのが「中国との関係修復にほど遠い」などと批判じみたことを書き、結局、慰安婦問題のように日本が譲歩することばかり要求するのが新聞である、隣国の立場で報道していると言われても仕方ないでしょう
日露戦争に勝ったのは、主としてイギリスやアメリカなどの外国の協力、財政と武器援助のおかげです、しかしそのことを国民に隠しました、その結果、死を恐れぬ勇敢な日本兵という神話が出来上がりましたが、その神話が、その後の日本を誤った道へと引きずり込んだ元凶であり、のちの日米戦争の惨敗の原因です
(コメント)
これは難しい問題である、本当のことを国民に言ったらロシアをまたその気にさせるからだ、どうすればよかったのか私にもわからないが、国民全体が一方向に傾きやすいことに問題があるのではないか、何事もいろんな意見を紹介して、国民に物事を多面的に検討する習慣を日ごろからつけさせるのがメディアの使命ではないか、どうすればよかったのかの著者の見解を知りたかった
第7章 敗戦の原因
歴史における劣等感の役割を軽く見てはいけません、劣等感は現実認識を歪めるのです、人類は歪んだ現実認識に基づいて事件を起こす、歴史においては、馬鹿げたきっかけや理由で重大事件が起こることが珍しくありません
ロシア革命は西欧への劣等感から逃れるために西欧より上位に立つ必要があったからです、韓国人は劣等感が非常に強いために、現実認識の歪みがいささかひどいだけです
幕末にペリーに恫喝されて屈服してから、欧米人に劣等感を抱くようになった、その埋め合わせに優越感が欲しくなり、中国人と韓国人を蔑視するようになったのです
日本人は中国人や朝鮮人を殴ったりしていたずらに反感を買った、でも、近代日本の指導者は日本人自身に対しても残酷だった、戦争中は「今は非常時だ」と強調されていた
ドイツと日本は心情的に共感があったのだと思います、ともに広大な帝国の周辺国だったのです、ゲルマン民族はローマ帝国から蛮族と差別され続けられ、日独同盟はヨーロッパの非差別民族とアジアの非差別民族が同盟したと考えればわかりやすい、ともに被害者意識に凝り固まっていたのです、日本人は、祖国の言葉と祖先からの氏姓を奪われた韓国人の気持ちに、あまりに無頓着でした
(コメント)
いまの日本で劣等感に凝り固まっているのが新聞ではないか、その意味で危険な状態である、良い大学を出て、一流の新聞社に就職したにもかかわらず、発行部数は減少の一途をたどり、会社は何度も人員整理をし、世間からは「マスゴミ」とか「オールドメディア」と蔑まれている、だから意固地になり主張がどんどん先鋭化し、国民の常識的な意識から乖離していっている、反権力思想に凝り固まったメディアが国政の足を引っ張り、国民を誤った方向に誘導してるのではないか、新聞社が事実の報道や多様な選択肢を提示するようになってほしい
ハルノートを承諾すれば、政治家や軍人は叩き殺されかねない危険があった、ペリー来航以来の、特に開戦前のアメリカの日本に対する脅迫と侮辱を知らない者には、なぜ日本がハルノートを受け入れなかったか、理解できないでしょうし、気が狂ったとしか思えないでしょう、日本では不愉快な現実を直視することを説く現実主義者は人気がないのです
アメリカは日本が折れると踏んでいたのではないでしょうか
真珠湾攻撃を決定したのは、当時の日本最高のエリートです、日本は現実に立脚して戦争をしたのではなく、プライドのために戦争をした面があったのです
国家は国益だけで動いているのではありません、むしろ、プライドで動いている部分が大きいのではないでしょうか、純粋な国益で動いている国がどこにあるでしょスカ、今の韓国だって反日が国益にならないのは明らかでしょう、プライドのため歴史が捏造されています
(コメント)
国や民族のプライドのために戦う道を選んだわが先祖は誇り高い民族だと思う、他の有色人種国家はそれができずに植民地にされたのだ、もし、ハルノートを受け入れていれば大恐慌になり、天皇は幽閉され、正真正銘の軍事政権ができ、本土決戦までやって、もっと大きな犠牲者が出たかもしれない、戦争に負けたのは著者が言う通り作戦のまずさであって、開戦の決断が間違っていたわけではないと思う
アメリカは真珠湾攻撃は卑怯だと言いますが、どの面下げてそんな厚顔無恥ことを言うのでしょうか、自分たちのことを棚に上げるのは、建国以来のアメリカの伝統ですが、それにもほどがあります、日本が卑怯だというのはアメリカ側の宣伝であって、戦争全体をみればアメリカ軍の方がはるかに卑怯です
東京裁判は日本人のプライドを潰すことに重点を置いていた、東京裁判は日米戦争の継続です、終結するのは日本に米軍の基地がなくなったときです
(コメント)
大国のやることは今も昔も変わらず自分勝手なものだ、そして戦略には長け、自己正当化がうまい国々である、そういう大国が自分たちのことを棚に上げて日本が全て悪かったとして処罰したのが東京裁判である、敗戦国としては受け入れざるを得なかったが、個人は別だ、学者や新聞は真っ先にその欺瞞を正すべきなのに占領軍に迎合したのが情けない
第8章 東京裁判の精神分析
原爆を持ち出すまでもなく、無意味に多くの非戦争員を虐殺したのは明らかにアメリカの方です、捕虜の虐殺までやりました、日米戦争においては、道義的にはアメリカは日本に負けているのではないでしょうか
日米戦争で日本のスローガンは「欧米の植民市主義からアジアを解放する」、アメリカは「自由と民主主義を日本の独裁主義から守る」でした、私はアメリカのスローガンはほとんど正当な根拠が見当たりません、日本のスローガンの方がはるかに正当性と真実性があったのではないでしょうか
そのため、わざわざ何年も占領して「日本は侵略者であり、悪い国だった」と大々的に喧伝しなければならなかった、自分の正義に自信がなかったからです、確かに日本軍にも愚劣だった点は多々ありましたが、それが過度に強調されたのは、アメリカ軍の愚劣さを隠蔽すためであったことを忘れてはなりません
戦後民主主義とは、皇国史観の逆の極端に走ったということでしょうね、戦時中は日本の伝統に価値を置く内的自己が幅をきかせていました、ところが、戦争に負けたとたんに事態は逆転します、今度は内的自己が抑圧され、外的自己がのさばります
(コメント)
極端から極端に振れるのは日本人の悪い癖でしょう、非現実的な理想論を絶対視して国益を損ねても平気なのも悪い習性だ、平和憲法しかり、カーボンニュートラルもそうだ
この東京裁判の判決が今でも正しいと信じているのが新聞や学校の歴史の先生たちだ、占領軍の書いた彼らに都合の良い歴史観を信奉し、いまでも政治家らの発言をチェックし、少しでも日本にも大義があったなどと発言すると撤回するまで非難して言論弾圧をする、さぞかしアメリカや中国から良心的日本人として大事にされていることでしょうが、彼らは内心、自国の先祖を悪く言う日本人を見下しているでしょう
アメリカ兵用の慰安部につては、8月15日の敗戦の日の翌日か翌々日くらいに内務省の官僚が会議を開いて、良家の子女の貞操を守るためとかでこの問題を論じたと言います、さっそく「アメリカ兵と交際する新時代の女性」を募集した、アメリカ軍から要請が来る前に、日本政府が自発的にやったのです(占領軍にプロの女性をあてがい、素人娘を守ろうとした)、韓国の女性活動家、金貴玉と姜貞淑によれば、朝鮮戦争時、韓国政府は、韓国軍とアメリカ軍のために国軍慰安婦を用意したそうです、そのずっと後、アメリカの要請でベトナムに派遣された韓国軍の兵士にはベトナム人の慰安婦が用意されたそうです、日本のやり方をコピーしたのでしょうか
(コメント)
従軍慰安婦は戦争の不幸な一面だ、日本だけが非難されるのはおかしいでしょう、韓国人慰安婦を支援し日本政府に謝罪や賠償を求める手助けをしている日本人は偽善家の反日活動家だ、日本人慰安婦もいたし、戦後、韓国も日本と同じことをしているのにそれらの犠牲者には同情を寄せないし、その韓国政府を非難しないからだ
戦後の日本は、アメリカに対して政治的には卑屈だったものの、経済的には攻撃的でしたね、内的自己は抑圧されただけで、消滅したわけではありません、抑圧されたものはいつかは必ず回帰するのです
メイフラワー号を理想化し先住民の大量虐殺を隠蔽して建国されたアメリカは、正義のために他民族・他国民を虐殺するという行為を反復脅迫せざるを得ません、日米戦争と日本占領の成功を日本以外でも何度でも証明しようとしました、それがベトナム戦争であり、イラク攻撃です、ベトナム戦争だってアジアの小さな国が共産化しても同ということはなかった、ドミノ理論は被害妄想でしかなかった
(コメント)
戦後のアメリカ外交は今に至るまで失敗続きだが、一番成功したのが対日占領政策ではないか
日本に米軍基地があることは、日本の防衛のためには何ひとつ役に立たないどころか、逆にアメリカの敵からの攻撃を招きかねません、いつか日本が核武装してアメリカに核攻撃して来るのではないかと恐れ、それを防ぐために駐留しているのです
憲法は、アメリカに押し付けられたものであることに日本人は屈辱を感じているので、いずれ改正すべきだと思っていますが、いま、いわゆる自主憲法を制定することには反対です、私は九条に反対ではありません、安保条約を廃棄した上で改憲に取り掛かり、国民的合意に基づいて、今と同じ平和憲法を作るなら、それはそれで良いと思います、その結果、他国から攻め込まれ国が滅びたとしても、日本国民自身の判断の結果だからあきらめがつきます、実質的にアメリカの属国のまま自主憲法を作れば、今よりももっとアメリカに都合の良い憲法になることは目に見えています、属国のまま九条を外せば、自衛隊員はイラクだかどこかに行かされて、アメリカ兵の弾除けに使われるだけです、第二次大戦中、日経アメリカ人の442部隊はヨーロッパ戦線に派遣され、白人のアメリカ兵よりは師匠率が高かったことを忘れてはいけません
(コメント)
安保条約や基地問題をどうするかは難しい問題であり、自分も「こうすべきだ」と言える確たる意見はない、ただ、現状は日本人から諭吉が言った「独立自尊の意識」を奪っているでしょう、その意味では現状のままでいいわけではないことは確かだ
だからと言って今、安保条約の廃棄を日本から持ち出せば、アメリカから敵視されるでしょう
もし、台湾問題や領土問題で日中が軍事衝突し、日本の自衛隊や国民に大きな被害が出ても在日米軍が行動を起こさなかったら、安保解消の世論が強くなるでしょう、結果として日本にとっては大きな犠牲が伴うが、日米が対等な関係になるのでしょう、明治政府が不平等条約の解消に多大な犠牲を払ったように、在日米軍のいない真の独立は戦って勝ち取るものだということが分かり、日本人の意識も大きく変わるでしょう
日本の核武装を防ぐために米軍が日本に駐留しているというのは違うのではないか、また、著者は米軍が何時までも駐留しているから日本はアメリカの属国であるとたびたび主張しているが、仮にそうであるとすれば、米軍は韓国やドイツやイタリアなどにも駐留している、それらの国々もすべてアメリカの属国になるのか
敗戦直後の一時期、対米追従が日本の安全と国益にかなう時代があったことは確かです、今はもう違います
アメリカへの軍事依存はそれだけにとどまらず、不可避的に心理的依存を招き、日本人のプライドが深く傷ついています、属国の状態から脱し、自主防衛力をつけるしかないでしょうね、安保を廃棄すると言ってもアメリカと敵対関係になるわけではない、外国との関係を全面的友好関係か全面的敵対関係課の両極端しか考えないクセがある、その間あたりの位置を選ぶかを冷静に柔軟に考えるべきです
自主防衛力をつけると言っても、ロシアやアメリカや中国と戦争して勝てるほどの軍事力を持てるわけないし、その必要もない、日本を攻撃すれば痛い目に遭う、と言いう程度の軍事力で良いのです
日本は核アレルギーを卒業し、核兵器を製造しようとすればただちに製造できる能力を保持しながら、かつ、製造しないという原則を立てておくのが良いのではないかと思います
日本が独立を志向すればフセインのイラクみたいになるという可能性は十分あると思います、でも、このままでいいのでしょうか、アメリカに屈従することによって、日本人のプライドは相当傷ついています
(コメント)
戦後の一時期、アメリカが日本を必要としたが今は違うと著者は主張するが、最近読んだ齋藤ジン著「世界秩序が変わるとき、新自由主義からのゲームチェンジ」によれば、アメリカは新自由主義から安全保障も考慮した運営に変えなければならなくなった、新たな冷戦の相手は中国であり、日本は地政学的に重要な国になり、アメリカにとって必要な国になった、として日本株投資を勧めている
アメリカは人為的な国家ですから、統一を維持するのが大変なのです、ローマ帝国も滅びたのだから、アメリカもそのうち滅びるでしょう
(続く)