私は週1回、デイサービスにてミステリートークを披露している。
内容は、未解決事件、解決済みの重大事故・事件、心霊体験談、都市伝説、歴史ミステリー、伝承、身の回りの疑問など。毎週ネタを選び、聴衆を飽きさせずに引き込ませる構成や工夫を考え、暗記し、当日に臨む。これが毎週となればけっこうな労力だ。
これは別に義務ではないのだが、毎週楽しみにしてくれているおばあちゃんもいるらしく、私も続けなければならない使命感に目覚めてしまった。まぁ、嫌いじゃないんだけど。
ただ、一つ引っかかるのが、スタッフの振り方。「何かミステリーをお願いします」。このひと言で誰もが満足するエンタメレベルのプレゼンが出てくると当然のように期待されているような気がしてならない。
いやいや、そんな簡単に求めてくれるなよ〜。これを毎週やるのはけっこう大変なんだっつーの。
私はこんな時、あるインタビュー記事を思い出す。
あの田代まさし(以下、マーシー)が覚○剤の沼にハマったきっかけだ。
1990年代、バラエティー番組というとたいていマーシーが司会を務めていた時期があった。実は当時、マーシーが受け取る台本には、たいてい「田代、大爆笑一発ギャグを言いながら登場」などと書いてあったそうだ。
おそらくスタッフは、こう書いときゃマーシーのことだから何か面白いことの一つや二つ言ってくれるだろう、と軽く考えたのだろう。ところが当のマーシーは、根が真面目で小心者なのでこれを適当に処理できず、まともに受け止め、悩み、ストレスを溜め込むことになる。
そりゃ、いくらプロでもそう易々と毎回大爆笑一発ギャグなんて考えつかないっつーの。これによりマーシーは覚○剤に走ってしまったわけだが、覚○剤はともかく、この気持ちは分からんでもないわけだ。
なぜなら「何かミステリーをお願いします」と雑に振られた時の私も、まさに気分はマーシーなんだからよ〜!!
…覚○剤打っちゃおうかな?
…嘘です(笑)
©️2024 Koichiro