皆様 新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、新年早々おカタいテーマで恐縮ですが…。
近々完成予定のある福祉関連会社のPR冊子に私が掲載予定なんです(笑)
内容は、私の近影写真と、簡単なインタビュー記事。取り組みや目標的なことについて答えています。
完成した暁には、ここにもアップしたいかも…?なんて思ったり思わなかったり(思ってます・笑)
さて、その当該ページの校正でのこと。修正箇所をチェックし、責了の返事をした翌日、再び連絡がありました。
どうやら文中に「障害者」という表記があり、、これを「障がい者」に訂正した方がよいか?という確認でした。あぁ、なるほどねぇ。私たち障害者があたかも社会の「害」で、迷惑な存在、タブーな存在であるかのような印象を受けるこの表記は、世間一般的にデリケートに扱われがちな事項ですもんね。
しかし、当の視覚障害者本人である私の回答は「漢字表記でOK」。むしろ漢字表記にこだわっているくらいです。ちなみに「障害者」という表記は、相手の気持ちに配慮して使われるべきながらも特に差別用語などではないようです。
ここにも何度か書いてきましたが、健常者だった頃の私は、なんとなく世間の慣習に従って「障害者」ではなく「障がい者」と表記していました。それは自分自身が視覚障害者になってからもしばらくは変わりませんでした。
ところが、当時親しかったリハビリの先生から、彼女のお客さんである障害者の方々の意見を聞き、障害者一年生だった私は目からウロコが落ちたのです。
というのは、その先生の周囲の、生まれつきなど障害者歴が長い人々は
「俺たちは、もともと障害者は自分たちではなく「自分らに害を及ぼす健常者」だと思っている。だから「障害者」を「障がい者」と表記する・しないなんて、最初からどうでもいいことなんだ。そんなことをああだこうだ言うのは健常者だけだ」
と言っていることを知ったからでした。
身体的機能にハンデを抱える障害者にも夢や目標、理想の生活は当然あります。それを叶えようと日々工夫に努めています。
ところが、そんな意欲を頭越しに否定・阻むよからぬ存在が必ずいるもの。「危ないから包丁は使うな。もし怪我したら誰が責任を負うんだ?」「車椅子で外食なんて他のお客さんの迷惑だ。自宅で弁当でも食べなさい」みたいに障害者のやりたいことや自立心を邪魔する存在。
または、多数派向け前提に考えられた社会のシステム。エレベーターのない公共施設、タッチパネルで注文する飲食店、段差だらけの路上など。
これらによって、少数派の人々、私たち障害者はあらゆることをできなくさせられています。だから社会のあらゆるシーンに存在する輩、システム、ルールこそが「障害者にとってのリアル障害」ということです。少なくとも一部の障害者はそのように考えていると知りました。
これをある程度裏付けるのが、乙武洋匡氏の以前のポスト。障害当事者1200名へのアンケートによると、「障がい」表記への嫌悪感を抱いている方のほうが「障害」表記への嫌悪感よりも割合として多いという結果が出たそうです。
私個人的にもこの表記にやたらデリケートになる人こそが、最初から障害者と健常者との間に無用な線引きをしたがっているように感じてしまいますね。
さあ、気を取り直して、冊子の完成と、それを見た周囲の人たちの反応が楽しみなんだぜ(笑)
©️2024 Koichiro