開発「2月かあ。(ここに引っ越してきて一ヶ月が経つのか早いもんだな。予備校も学校もリョウのおかげで充実してるし。節分だし今日な恵方巻でも作ろうか。)よしそうと決まれば出掛けるか」
ガチャ
外に出ると
リョウ「聡君。お出掛けですか」
町子と鉢合わせた
開発「ああ。スーパーにいこうと思って。町」
リョウ「ううん」
町子は睨んできた
リョウ「聡君。呼び方違いますよね」
開発「ひいい(表情は笑っているが中身は笑っていない)」
開発「リョウさん」
リョウ「ううん」
さらに睨まれる
開発「リョウちゃん」
リョウ「うんー。違いますよ。ア・ナ」
開発「リョウもスーパーに?」
リョウ「はい♪」
開発(ダメだ。どんどん逆らえなくなってる)
リョウはあの一日で俺の急所を網羅しているらしい
リョウ「いきましょう」
開発「そ…そうだな」
町に繰り出すとお店の至る所に節分関連の商品やチラシなどが張られていた。
リョウ「節分ですね」
開発「そうだな。ウチは今日は夕飯恵方巻にしようと思って」
リョウ「いいですね。私も恵方巻にしましょうか。聡君はどんなのが好きなんですか?」
開発「そうだなあ。マグロとか色んなのが入ってるのも悪くないけどシンプルにかんぴょうとか桜でんぶが入ってる方が」
リョウ「ああ。あの甘いやつですね。ふふ」
開発「なっなんだよ。」
リョウ「聡君って案外子供なんだなあって」
開発「うるさい。」
リョウ「恵方巻も良いですけど私は豆撒きが楽しみです」
開発「あれか」
リョウ「聡君はあまりすきじゃないんですか?」
開発「やってる最中は楽しいけどその後の掃除が」
リョウ「確かに。」
しばらくしてスーパーに着き恵方巻の材料を購入した
開発「あれ?リョウは?」
辺りを見回すと
リョウ「すみません。聡君。」
開発「何してたんだ?」
リョウ「明日きりんと一緒に豆まきしようと思って」
開発「まさかと思うがそれか?」
リョウ「はい」
リョウは自信満々の表情でそれを俺に見せてきた。ちなみに五キロの入りの
開発「買いすぎだろ」
家に着くとリョウの部屋にお呼ばれされてリョウと恵方巻パーティをやった
翌日
リョウ「きりん遅いですね」
開発「いつもなら走ってくる時間帯のはずなんだが」
きりん「リョウ~。聡~」
開発「おっきりん遅かっ…た」
開&リ「わっ」
リョウ「今回もすごい荷物ですね」
きりん「へへ…」
開発「(きりんなんかいつもより顔が赤い気が)なあ。きりん大丈夫か?」
きりん「はひが?(何が?)」
開発「きりん?」
きりん「ははひははいほほふ(私は大丈夫)」
開発「呂律が回ってないぞ」
ドタ
リョウ「わー!?きりん!?」
開発「取り合えず家に運ぼう」
リョウ「そうですね。」
きりんをおぶってリョウの家に着くと俺が布団を敷きリョウは別室できりんを寝巻きに着替えさせる
開発「取り合えず寝てろ」
きりんを寝かせる
きりん「聡ありがとう。」
開発「気にするな。リョウ体温計あるか?」
リョウ「はい。」
リョウはきりんの脇の下に体温計を差し込む
その間俺は後ろを向く
リョウ「体温出ました」
開発「38度。お前なあこんな状態で来る奴があるか。」
きりん「ごめん。特にリョウには」
リョウ「え?何で謝るんですか?」
きりん「だってすごくワクワクした顔してたから…」
リョウ「えっ!?そ。そんなことかないですよ」
リョウは慌てて豆まきセットを後ろに隠した。
開発「後で俺の部屋に隠しておく」ヒソヒソ
リョウ「ありがとうございます」ヒソヒソ
きりん「昨日から変だと思ってたんだ~。」
開発「寒い季節だからな。いきなり環境も変わった疲れと重なったんだな。」
リョウ「お腹空いたでしょ。何かありまふか?食べたいもの何でも作りますよっ!」
きりん「何でも?」
きりんの目が輝きだした
開発「うおっ」
きりん「えっとえっと…じゃあ…。」
きりんの周りにハンバーグやらカレーライスやら風邪引いてる時は絶対に食べたくないものばかり浮かべていた
きりん「う~っちょっと待ってまだ未練が」
開発「お前まさか食い意地だけで来たのか…。こういうときは消化の良いものにした方が良いぞ。例えば…」
リョウ「…うどんですかね」
開発「いいんじゃないか」
きりん「うん。いいかも!カップ麺のきつねうどんがいい」
開発「さっきまでごちそうを思い浮かべてた奴の言動とは思えん」
きりん「しみしみじゅわのあのお揚げが好きなんだぁ」
開発「確かにあれはうまいよな」
リョウ「じゃあ。お揚げ入りのうどん作りますね」
きりん「えっ作れるの!?」
リョウ「醤油とみりんとお水で煮るだけです。簡単ですよ。」
きりん「すごいよリョウ!」
開発「料理界のドラえもんいやキテレツだな」
リョウ「なぜ藤子不二雄さん関連なんですか?」
リョウは調理を開始する
開発「俺も何か手伝おうか?」
リョウ「大丈夫ですよ。きりんの事見ててもらえると助かるので」
開発「了解」
きりん「あ」
きりんは台所に立つリョウを見て何かを思い出したらしい
きりん「風邪引くといつも料理しない母さんも台所に立ってくれたなあって」
開発「そうか」
きりん「手作りっていいよね。ウチのお母さんも得意なんだ。パセリだけのパセリサラダ」
開発「それ手作りって言っていいのか!?」
リョウ「はい。お待たせしました。お手製きつねうどん~お漬物添えてみました。聡君もどうぞ」
開発「俺の分も」
リョウ「きりんと荷物を運んでもらいましたし。聡君まだご飯たべてないですよね?」
開発「じゃあ。いただこうかな」
開&き「いただきます」
きりん「ん~うまいっ!」
開発「確かにこんなにうまいお揚げ食べたの初めてかも」
きりん「つるっつるの麺とお揚げとお汁がよく合う…!葱も甘くておいし~い。こんな立派なモノ作れるいい娘になって…わたしゃ幸せだよ…」
リョウ「親気分…。」
きりん「ふあっ体がポカポカしてきたっ」
開発「生姜が入ってるからだろうな」
リョウ「よくわかりましたね。生姜は体を温めますからね。後梅入りのお茶も解熱作用があるんですよ」
どんどん医学知識がリョウから飛び出してきた
開発「今度から歩く家庭の医学書呼ばせてもらうよ」
リョウ「絶対呼ばないで下さい」
きりん「今度もしリョウが風邪引いた時は私に任せてっ!見も心もお医者さんになってリョウを治療しちゃうよ!」
リョウ「本当ですか?じゃあ」
リョウはきりんのブカブカな白衣姿を思い浮かべた
きりん「むー」
開発「その時は俺も看てやるからこいつだけにはやらせないから安心しろ」
リョウ「えっ聡君が」
開発「不満か?」
リョウ「いえとんでもない。じゃあ聡君が風邪引いたら私が看ますね」
きりん「今回聡にも迷惑掛けちゃったしその時は私が聡の体を余す事なく拭いてあげるよ」
開発「きりんお前何言ってんだ」
リョウ「そうですよ。」
きりん「でもリョウ。うまくいけば聡のレアな表情が見れるかもよ」
リョウ「聡君のレアな表情…」
リョウは俺のあられもない姿を思い浮かべた
開発「わああ。やめろ。はあ。とにかくそれだけ食欲があれば大丈夫そうだな。そろそろ部屋に戻るよ」
リョウ「はい。」
そういうと俺は外に出ると
リョウ「聡君。ありがとうございました。」
開発「何がだ?」
リョウ「聡君があの場に居てくれて助かりした」
開発「大したことはしてないさ。お休み。リョウ。うどんうまかったぞ」
リョウ「はい♪お休みなさい」
そういって隣の自分の部屋に帰った
開発「お休みなさい…か」
俺は風呂に入って眠りについた
翌朝
開発「はっくしゅん。ううだるい。これはうつった」
ピンポーン
ドアを開けると
リョウ「聡君昨日預けていた。豆をってどうしたんですか?まさか」
開発「どうやらうつったらしい」
きりん「マジで」
リョウの脇からきりんが顔を出してきた
開発「そういうわけだから」
きりん「よし。私達で看病しよう」
リョウ「はい。」
開発「いや。ゆっくり寝るだけで」
きりん「まずは体を」
リョウ「拭きましょう」
開発「あっあやめてえ。脱がすなあ」
きりん「聡。暴れないの」
リョウ「きゃっ聡君。ポッ」
開発「うああ。もうお婿に行けないー( TДT)」
2月うどん、お稲荷さん 完