開発(晩飯何にするかなあ)
と考えながら家を出てスーパーに行こうとすると
リョウ「聡君お出掛けですか?」
開発「そうだけど町子も?」
リョウ「はい。私と同じ予備校に通う同い年の再従兄弟が土曜だけこっちに泊まらせてあげられないかって叔母に頼まれたんです」
開発「成程。て事は俺とも同い年で同じ予備校って事になるのか」
リョウ「因みに私達と同じ美術高校志望なんですよ」
開発「うまくいけば同じクラスになるかもな」
リョウ「そうですね」
開発「大変だな。町子も受験勉強があるだろうに」
リョウ「料理のお持て成しも自信なくて。そしたら叔母が裸エプロンでカバーしろって」
開発「いつか会えたら説教するよ」
リョウ「あはは」
開発「にしてももうかなり暗くなるぞ」
リョウ「そうですね」
開発「よかったら俺も行こうか」
リョウ「いいんですか?予定があったんじゃ」
開発「スーパーに行くだけだしそれならその際従兄弟の女の子を迎えに行った帰りに寄ればいいんだしどうだろう。こんな時間に女の子一人で出歩かせる訳にはいかねえからな」
リョウ「有難うございます。聡君。聡君は優しいです」
開発「いいんだよ。そんな事ほら行くぞ」
駅に向かっていると
開発「人が多いな。町子はぐれる…」
リョウ「聡く~ん」
町子が人混みに飲まれ手だけでアピールしていた
開発(はぐれてらっしゃる)
俺は引き返して町子の手を掴んだ
リョウ「すいません」
開発「はあはあ」
リョウ「ちょっと考え事をしていて」
開発「考え事?」
リョウ「泊まるって事は夕飯も一緒って事ですよね」
開発「そりゃあな」
リョウ「誰かと一緒の夕飯なんて久々で」
開発「成程緊張していると」
リョウ「はい。ん…?ぐきゃ」
いきなり町子が下に下がった
開発「町子」
リョウ「がぼあっ!苦しいです苦しいです!!」
開発「町子ー」
マフラーが首にしまってしまった
開発「何だ。お前刺客か!!」
原因は小柄な女の子だがマフラーを引っ張っていた
きりん「すみません。町子リョウさんですか!?」
開発「リョウはこっちだけど」
きりん「初めまして私再従兄弟の森野きりん!」
リョウ「え…?」
きりん「あれ?明おばさんから聞いてない?」
リョウ「同い年の再従兄弟が東京にっていうのは」
きりん「うん!それ私の事!」
開発(同い年?)
見た目は小学生だった
きりん「で貴方は」
開発「俺は開発聡」
きりん「もしかして彼氏ですか?」
リョウ「違います!!」
開発「グサリ」
リョウ「きゃああ。聡君今のは~」
開発「わかってるよ。でもそんなに強く否定されると凹む」
リョウ「聡君は素敵な方です」
開発「それはそれで勘違いしそうだよ」
話の路線を戻した
開発「て事は毎週日曜日朝からうちの近所の美術予備校に通うと…」
きりん「うん!私の家からだと授業に間に合わないんだ。ハイッ良かったらこれ受け取って」
森野は鞄から大きな白菜を取り出して町子に渡した
リョウ「わあっ…」
きりん「立派な白菜でしょ」
リョウ「うわっ大きい」
開発「確かに…」
きりん「実家のを掻っ払ってきたの!」
開発「今聞き捨てならんワードが」
リョウ「この大荷物を自分で…?」
きりん「力には自信あるの!」
開発「いやいやその荷物の量は1日の量じゃ」
きりん「実は今回の上京で親と喧嘩したまま出てきちゃったんだ。状況反対って絵はどこでも描けるってさ」
開発「複雑な事情をもってきやがったな」
リョウ「あの!」
きりん「何!?」
リョウ「お腹!!空いてませんか」
すごい勢いで言い放った
きりん「うん」
森野はコクリと頷いた
アパートの前に着いた
リョウ「聡君有難うございます。荷物も持ってもらっちゃって」
白菜は俺が運んでいる
開発「大した事じゃないさ。じゃあ俺は」
リョウ「聡君も一緒にどうですか?お鍋なので」
開発「いや。それは」
きりん「聡も来なよ」
リョウ「お嫌ですか?前に機会があったらお願いするって言ってたので」
町子は目に涙を浮かべた
開発「わかったから行くよ」
リョウ「はい」
という訳で俺も町子の家に上がらせてもらった
開発「お邪魔します」
家に上がると町子はカセットコンロに土鍋を移した
リョウ「ハイッ寄せ鍋です!」
蓋を開けると彩り豊かな具材が鍋を彩っていた
開発「凄いな」
リョウ「お腹が空くと自然と寂しくなっちゃうものですよ」
開発(成程森野を慰めようして)
リョウ「聡君も御免なさい」
開発「?」
リョウ「今材料が余り物しかなくて…」
開発「十分豪華だと思うが。なあ。森野」
同意を求めようとすると
きりん「早く早く」
既に森野はテーブルに着いていた
開&り「いつの間に」
リョウ「聡君もどうぞ」
開発「じゃあ。お言葉に甘えて」
リョウは人数分よそってくれた
きりん「はぐっ。ほふぁ。んっんっ」
森野は音の早さで鍋を食べ進んでいた
リョウ「大食い選手権ってこんな感じでしょうか?」
開発「だろうな。けど森野の気持ちもわかるよ。凄く美味しい」
リョウ「本当ですか!?」
開発「嘘じゃないさ」
きりん「私も名前のある手料理食べるの久々だよ!」
開発「言ってる意味がわからないんだが」
きりん「うち料理適当家族で毎晩野菜炒めだったから…」
リョウ「成程。それでこんなに背が…」
きりん「野菜炒めは栄養満点だよ」
リョウ「じゃあ。その栄養は全て筋肉に」
きりん「うっ」
開発「町子もうやめてあげて」
テレビ「大切な人との距離を縮めよう!誰でも簡単ポカポカ関係鍋秘術」
きりん「リョウこういうの興味あるんだ?」
リョウ「(大切な人…)はい…(大切な人とお鍋かあ…いいなあ)」
きりん「鍋ってさあ実はあれだよね?関係が深い男女が食べるやつだよね?」
ドヤ顔した
開発「ドヤ顔してるとこ悪いけどそれ焼き肉だからね」
きりん「リョウと聡はさ…異性と付き合った事ある?」
リョウ「えっそれは…」
開発「残念ながらないな」
きりん「手…繋いだり頭撫でてもらったり。あーんしたりしてもらったりとか」
開発「相手がいないんだがら」
リョウ「もももも」
町子は顔を赤くして想像してらっしゃるらしい
開発「どうやらご経験はないようだね」
リョウ「でも良かったです。きりんも聡君もお腹空いてて。私一人暮らしになってからめっきり料理が下手になってしまって自信なかったんです。ホラ空腹は最高のスパイスって言うじゃないですか」
きりん「そんな事ない!」
開発「俺も同意見だな。俺こんなに美味しい鍋食べたの初めてだ」
きりん「空前絶後の奇跡の鍋だったよ!」
リョウ「どっどんな鍋ですか!」
きりん「そうだ。聡食べさせてあげなよ」
開&リ「ぶふぉ」
俺と町子は吹き出した
開発「何言ってんだ」
リョウ「そうです。そんな」
きりん「折角ここに男がいるんだから」
開発「俺がするあーんなんて喜ぶわけ」
リョウ「そんな事ありません。してもらえたら嬉しいです」
きりん「リョウもこう言ってる訳だし。聡男なら」
開発「わかったよ」
俺は鱈を一つ箸で取り
開発「よし。町子行くぞ。覚悟は」
リョウ「いつでもどうぞ」
きりん「二人共オーバー過ぎ」
俺は鱈を町子の口元に持っていく
開発(箸が震える)
町子が口に入れると
唇から顎に汁が垂れる
リョウ「おいひい」
その顔は妖艶だった
開発(食べ方がエロい)
きりん「一人で食べてたら美味しい筈ないよ!夕飯って大切な人と過ごす大切な時間なんだよ。リョウにそういう人がいないんだったら…私と聡が今日からリョウの家族になるよ」
開発「お前勝手に」
リョウ「だめなんですか?」
町子は目に涙を浮かべた
開発「いやっダメって事はないが」
リョウ「本当ですか!?」
目を輝かせた
開発「(もう後退けない)男に二言はない」
きりん「これで決まり私と聡がリョウの求める人になるよ。お父さんお母さん兄弟姉妹なんでも!」
リョウ「それってお。夫や妻にも…?」
きりん「勿論。だからまず聡は」
リョウ「夫」
開発「ちょっと待てそれだとすると町子はどうなんだ」
リョウ「妻…とか」
開発「いやそれはなんというか」
きりん「聡顔赤くなってるよ」
開発「そりゃあなるだろ」
きりん「男に二言はないんだよね」
開発「当たり前だ…ろ」
きりん「じゃあ。聡がリョウを名字で呼ぶのはおかしいよね」
開発「いやそれは流石に」
リョウ「なら私は貴方」
開発「待ってくれ町子。その呼ばれ方は恥ずかしい」
きりん「聡呼び方違うでしょ」
町子は上目遣いで訴える
開発「うう。リ…リ…リョウ」
リョウ「はい。アナタ」
開発「いやだからそれは本当にやめてくれ。恥ずかしすぎて沸騰する」
リョウ「名残惜しいですが。仕方ありません。じゃあ。聡さんで」
開発「まあ。それなら」
きりん「後は私だね」
リョウ「きりんは子供」
きりん「それはやだ」
開発「てめえずるいぞ」
リョウ「「コラきりん宿題は終わったの?」ふふ…なんちゃって」
開発「リョウおしとおるか」
きりん「子供は何だかリアル過ぎて嫌なの!」
開発「自覚あるのかよ」
きりん「見た目で皆子供扱いして」
そう言いながら頬を膨らませ人参を箸でよける
開発「行動もだぞ」
俺はそれを指摘した
リョウ「ダメですよ!好き嫌いしちゃ」
そう言いながらきりんの頭を撫でるリョウ
きりん「人参の匂い嫌いなんだもん」
開発「思いっきり子供じゃねえか」
リョウ「じゃあ人参食べられたら鍋の作り方教えましょう」
きりん「え?」
リョウ「きりんが帰って作ったら親御さんきっと喜んでくれますよ!」
きりん「そうかな」
リョウ「はい…」
開発(きりんのお姉さんだな。リョウは)
きりんは人参を掻き込んだ
開&リ「よく。出来ました」
同時にきりんの頭を撫でた
夕飯も食べ終わり
リョウ「明さんに電話するの忘れてました」
開発「なら俺が洗い物するからリョウは電話しちゃえよ」
リョウ「でも」
開発「家事を手伝うのも夫の仕事…だろ」
リョウ「御免なさい。お願いします。聡さん」
照れながらも洗い物を始めた
リョウ「はい!仲良くやって行けそうです!今から鍋の作り方作り方を教えてあげるんです。きりんと親御さんの仲直りのキッカケにって」
開発「リョウ話の途中で悪いんだが俺達朝から塾だろ。明日にしなさい」
そういって俺は自分の部屋に帰った
俺の新生活が幕を開けた
1月おなべ完
開発「ドヤ顔してるとこ悪いけどそれ焼き肉だからね」
きりん「リョウと聡はさ…異性と付き合った事ある?」
リョウ「えっそれは…」
開発「残念ながらないな」
きりん「手…繋いだり頭撫でてもらったり。あーんしたりしてもらったりとか」
開発「相手がいないんだがら」
リョウ「もももも」
町子は顔を赤くして想像してらっしゃるらしい
開発「どうやらご経験はないようだね」
リョウ「でも良かったです。きりんも聡君もお腹空いてて。私一人暮らしになってからめっきり料理が下手になってしまって自信なかったんです。ホラ空腹は最高のスパイスって言うじゃないですか」
きりん「そんな事ない!」
開発「俺も同意見だな。俺こんなに美味しい鍋食べたの初めてだ」
きりん「空前絶後の奇跡の鍋だったよ!」
リョウ「どっどんな鍋ですか!」
きりん「そうだ。聡食べさせてあげなよ」
開&リ「ぶふぉ」
俺と町子は吹き出した
開発「何言ってんだ」
リョウ「そうです。そんな」
きりん「折角ここに男がいるんだから」
開発「俺がするあーんなんて喜ぶわけ」
リョウ「そんな事ありません。してもらえたら嬉しいです」
きりん「リョウもこう言ってる訳だし。聡男なら」
開発「わかったよ」
俺は鱈を一つ箸で取り
開発「よし。町子行くぞ。覚悟は」
リョウ「いつでもどうぞ」
きりん「二人共オーバー過ぎ」
俺は鱈を町子の口元に持っていく
開発(箸が震える)
町子が口に入れると
唇から顎に汁が垂れる
リョウ「おいひい」
その顔は妖艶だった
開発(食べ方がエロい)
きりん「一人で食べてたら美味しい筈ないよ!夕飯って大切な人と過ごす大切な時間なんだよ。リョウにそういう人がいないんだったら…私と聡が今日からリョウの家族になるよ」
開発「お前勝手に」
リョウ「だめなんですか?」
町子は目に涙を浮かべた
開発「いやっダメって事はないが」
リョウ「本当ですか!?」
目を輝かせた
開発「(もう後退けない)男に二言はない」
きりん「これで決まり私と聡がリョウの求める人になるよ。お父さんお母さん兄弟姉妹なんでも!」
リョウ「それってお。夫や妻にも…?」
きりん「勿論。だからまず聡は」
リョウ「夫」
開発「ちょっと待てそれだとすると町子はどうなんだ」
リョウ「妻…とか」
開発「いやそれはなんというか」
きりん「聡顔赤くなってるよ」
開発「そりゃあなるだろ」
きりん「男に二言はないんだよね」
開発「当たり前だ…ろ」
きりん「じゃあ。聡がリョウを名字で呼ぶのはおかしいよね」
開発「いやそれは流石に」
リョウ「なら私は貴方」
開発「待ってくれ町子。その呼ばれ方は恥ずかしい」
きりん「聡呼び方違うでしょ」
町子は上目遣いで訴える
開発「うう。リ…リ…リョウ」
リョウ「はい。アナタ」
開発「いやだからそれは本当にやめてくれ。恥ずかしすぎて沸騰する」
リョウ「名残惜しいですが。仕方ありません。じゃあ。聡さんで」
開発「まあ。それなら」
きりん「後は私だね」
リョウ「きりんは子供」
きりん「それはやだ」
開発「てめえずるいぞ」
リョウ「「コラきりん宿題は終わったの?」ふふ…なんちゃって」
開発「リョウおしとおるか」
きりん「子供は何だかリアル過ぎて嫌なの!」
開発「自覚あるのかよ」
きりん「見た目で皆子供扱いして」
そう言いながら頬を膨らませ人参を箸でよける
開発「行動もだぞ」
俺はそれを指摘した
リョウ「ダメですよ!好き嫌いしちゃ」
そう言いながらきりんの頭を撫でるリョウ
きりん「人参の匂い嫌いなんだもん」
開発「思いっきり子供じゃねえか」
リョウ「じゃあ人参食べられたら鍋の作り方教えましょう」
きりん「え?」
リョウ「きりんが帰って作ったら親御さんきっと喜んでくれますよ!」
きりん「そうかな」
リョウ「はい…」
開発(きりんのお姉さんだな。リョウは)
きりんは人参を掻き込んだ
開&リ「よく。出来ました」
同時にきりんの頭を撫でた
夕飯も食べ終わり
リョウ「明さんに電話するの忘れてました」
開発「なら俺が洗い物するからリョウは電話しちゃえよ」
リョウ「でも」
開発「家事を手伝うのも夫の仕事…だろ」
リョウ「御免なさい。お願いします。聡さん」
照れながらも洗い物を始めた
リョウ「はい!仲良くやって行けそうです!今から鍋の作り方作り方を教えてあげるんです。きりんと親御さんの仲直りのキッカケにって」
開発「リョウ話の途中で悪いんだが俺達朝から塾だろ。明日にしなさい」
そういって俺は自分の部屋に帰った
俺の新生活が幕を開けた
1月おなべ完