4/28 琵琶デュオ・上野の森美術館ライヴ ご報告! | 薩摩琵琶・後藤幸浩の-琵琶爺、音楽流浪

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琵琶デュオの上野の森美術館ライヴ、4月28日(土) に無事終了いたしました。今までゲストの方々をお呼びしての演奏も多かったのですが、今回は琵琶デュオのみ。それでも100人以上の多くのお客さまにご来場いただき、ありがとうございました、ほんとうに!美術館の方々、着付け・撮影他のスタッフの方々、受付・会場周りをお手伝いいただいた弟子さん方、こちらもほんとうにありがとうございました!




上野の森美術館ライヴでは、毎年、新たな試み、新作を演奏することにしています。今年もほぼ新作をお送りすることができました。

勝海舟が西郷隆盛へのオマージュとして作詞した「城山」は、ぼく個人としても琵琶デュオとしても、幾度となく演奏してきた題材で、新作ではありませんが、語り・弾法 (=琵琶の奏法) の掛け合い他を刷新したり、もともと挿入される西道仙作の詩吟の他、勝海舟作の和歌も挿入した内容に。師匠にもみっちり教わった題材ですが、やるたびに課題が出て…それはまた今後に活かしたいものです。今回の演奏が、今のところのベストだと思います (笑) 。




九州の盲僧琵琶、座頭琵琶に伝承されていた「琵琶の釈」「餅酒合戦」はずいぶん前から気になっていた題材。今回、やっと演奏することができ、ちょっと自己満足です (笑)。九州の地域地域によって、内容もかなり変化していた題材ですので、細かいところは気にせず、大胆に再構成してみました。「城山」の緊張感と、この二題のありがたく、にぎやかで面白おかしいエンタテインメント性、好対照だったと思いますが如何でしょうか?




このライヴの2日前の、国立ノートランクスでの、音源聴取イヴェント “国立昭和大衆音楽同好会vol.6  ビル・エヴァンズ” においでいただいた、ラテン~ジャズにたいへんお詳しいS様、上野の森美術館ライヴにもおいでいただき、御自身のFacebookアカウントに以下のような投稿をされました。

〈美術館での薩摩琵琶デュオライブ、演目は「琵琶の釈」「城山」「餅酒合戦」、いやー面白かった。
今となっては接する機会の少ない伝統的な大衆音楽ではあるが、昔の民衆は西洋音楽とは違う音楽の流れの中にあったことを思い起こす機会としても貴重だった。
説話的、芸能的、プロパガンダ的側面も感じられ、昔の人々はこれで楽しんだのだと思うとより親しみが湧いてきた。

ありがとうございます!じつに核心に迫った感想をいただきうれしい限りです。

今回は、他国の民俗音楽、民俗音楽ルーツのポピュラー音楽 (ワールド・ミュージック?笑) 、ジャズやブルーズなどの要素を拝借した演目は皆無でしたので、 “昔の民衆は西洋音楽とは違う音楽の流れの中にあったことを思い起こす機会” と思われたのだと思いますが、これ、じつに大事なことかも、と改めて気づかされた次第。和楽器を生業にしてる者としては、しっかり向き合いたい部分でもあります。

琵琶を含め、いろんな語り芸を聞いてますと、当然、ロック、ジャズ、ワールド・ミュージックをやってるわけではないのに、それを聞いたときと同等の充実感を得ることができる…そういうことにも通じると思いますし、そういえば、自分も師匠の琵琶弾き語りに、アフロ・アメリカン音楽やロックを聞いたときとの共通した充実感を感じたから琵琶を始めたんだよなあー、なんてことも思い出しました。このあたりは書き出すとキリがないので、また別の機会に (笑) 。

あと、琵琶デュオの「戦争と琵琶」企画でもやっている、琵琶楽のプロパガンダ的側面 (とくに戦前ですが) も見抜かれているのには感服しました。



……

演奏の準備は当然として、製作面も琵琶デュオ中心でやっておりますので、気の及ばない部分、お客さまに大勢おいでいただくと、必ずでてきます。今後はそのあたり、充分気をつけてやっていきたいと思います。

また、ぜひよろしくお願い申し上げます!



ライヴ写真撮影は山崎智彦氏