読姫の小説

読姫の小説

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私は、彩輝に抱かれて街の上空を飛んでいた。

「あっ、ああ、うわっ、ちょっと速い、速いよ!」

「ゴメンゴメン、でも、このくらいの速度じゃないと。

この国の人に見られたくないんだろ?これでも遅いくらいなんだから」

これでも、という彩輝は慣れているからか、楽しそうに笑っている。

が、私は自我を忘れてこう言った。

「人には見られたくないけど、もうちょっと遅くしてよ!」

「嫌だね、・・・・・・冗談だからさ、そんな涙目で睨まないでくれよ。

もっと上にいけば、誰にも見つからないし、速度を落とせるけど息苦しくなるけど・・・」

(どうしよう、私の情報操作能力を使えば何とかなるけど・・・・・・)

よし、と心を決めて、

「別に構わないから、その辺りはどうにかするから、上昇して早く!」

やはり、と聞こえたような気がしたけど、気のせいだろう。

そのまま、上昇していくと、

「ふぅ、このくらいでいいかな、姫さん大丈夫?辛くない?」

「情報操作官(ハッカー)を舐めるなよ、別空間とこの場を交換しているため、

通常よりも、空気を清浄化している。・・・・・・、どうだ?」

「うん、完璧かな。でも、その眼をこっちに向けないでね。

このままだと、その藍で見られたら

「そこまででいい。それからな、これからはこの口調で彩輝と話させてくれ」

今、ここで言うには重すぎる。

「あ、あと少しで商店街に着くよ。近くの人陰の奥に降りるよ」

ここまで来ると言いずらいな、

商店街が、陽と陰の二つある事を               続く・・・




.

哀姫を、いや、<孤独な哀しみ>を外に初めてだしたのは、婚約者候補の潺 彩輝だった。

(ボクを外に出すなんて・・・、彩輝は何者?いや、ボクの婚約者か・・・)

哀姫の中には、何もない所からナニカを生み出す闇がある。

その闇を、封じ込める為の<鍵>が必要だと誰かが言った。

その通りで、哀姫の母親が<鍵>となった。が、

失敗した為、封じられたはいいが、哀姫は人にはありえないモノが憑いてしまった。

悪魔queenが気紛れに、哀姫を搭に行かせ、書物を読ませていったのだ。

そのうちに、哀姫は<孤独な哀しみ>になってしまい、

独りを好む様になり、人を拒んだ。

でも、彩輝は違った。哀姫を見つけ、出してくれた。

(いずれ、彩輝も気づくだろう。ボクの秘密に、このカタチに・・・)

「どうしたの、姫さん?俺がどうかした?それとも、

「・・・・・・、姫さん言わないで、人前ではアルって呼ぶ約束。サイト」

ああ、哀姫はアル、彩輝はサイト、という偽名を使っている。

アルは、月の神アルテミスから、サイトは、この国の勇者から付けている。

「アル、何処へ行きたい?」

哀姫は少し考えてから、

「・・・・・・、歩いて回りたい」

「そう?じゃ、商店街辺りに行ってみようか」

そういって、哀姫の手を取る。

「あ、て、て、手!」

「手?いいじゃないか、恋人って設定なんだから」

・・・・・・、何か知らないが、名前を決めるなら関係を創るってことになった。

「で、次どっち?右?それとも左?」

分かれ道にあったようだ。

「・・・・・・、サイトの好きにして、どちらでも必ず着くから」

彩輝は少しばかり考え、

「それなら、右で」

(ん?今一瞬だけ彩輝の目が紅くなったような・・・)

そんな事を頭から追い出して、

(知る訳ないよね、右周りの方が遠いってことを)

<あら、彼そのこと知っていた様なのですよ>(!!)

突然、頭の中で声がする。が、

(何、queenボクに用?)

<否、用があるのは彼、彩輝とやらなのです>

(今は貴方を中に入れない、いや、見てるだけでも許さない)

<ふふふ、怖い怖い。では、失礼するのです>

そこで、何かが抜けた。おそらく、queenだろう。

「・・・・・・、サイト」

「何かな、アル」

「・・・・・・、次は右、その次はそのまま、さらに次は斜め左

と、面倒だから飛んでくれるかな?」

・・・、いいかもしれない。

「ああ、それならば・・・・・・、」

言いながら、彩輝は哀姫を抱きかかえる。

「あ、ちょ、ちょっと!」

「こうしたほうがいいだろう?アルは飛べない様だしね」

その時、彩輝の背が紅く染まり、翼が生えた。

「じゃあ、行こうか姫さん」

「・・・・・・、だから「はいはい、誰もいないんだから許してくれよ」     続く・・・




「その洋装だと目立つから、着替えてくれる、姫さん?」

「・・・・・・、いいけど、ボク服が変わると性格も変わるよ」

・・・・・・、それはどういった意味でしょう。
「・・・・・・、言うより見せたほうが早い」

そういって、着替えに行く哀姫を茫然と見送る彩輝。

(・・・・・・、哀姫の言ってる事がよくわからないんだが)

まあ、それはそうでしょう。第一、服と性格ってどう関係があるのでしょう。

「終わったよ、彩輝」

声の方を見ると、着替え終わったらしい哀姫がいました。

「髪は結んだ方がいいのかな、どう思う?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、」

何も言えない彩輝。まあ、当然でしょうねこんなに喋る人じゃないですから、

「本当に哀姫か?」

「・・・・・・、実は彩輝を驚かして見たかっただけ」

哀姫は、悪戯な笑顔七十%になってました。

(あ~、騙されちゃったな。然し、哀姫が演技ができるとはね)

<おいおい、大丈夫か?彩輝>

(いや、大丈夫だ。それより哀姫に憑りついている悪魔は?)

<さっき、会ったよ。あんまり乗っ取る事は無いようだね>

それを聞いて、顔が曇る彩輝。

「・・・・・・、どうかしたの?」

「いや・・・、何でもない。髪はどう結わくかい、哀姫」

「・・・・・・、この姿に合うように」

今の哀姫は、白いブラウスに膝丈のスカート、その上にスカートと同じ丈の青いベスト、という格好でして。

(う~ん、この場合はどう結わこうかな)

悩んだ故、ツインテールになりました。

「・・・・・・、お見事。メイドより上手、髪が痛くない」

変なところを褒められてしまいました。

「じゃあ、行こうか」

「・・・・・・、うん」

そんなこんなで、搭をでるのでした。         次回へ・・・

ここは、彩つり糸が多い場所魔界だ。

丁度、哀姫と彩輝のいる場所の真上にある屋敷に、悪魔が二人お茶を飲んでいた。

「なあqueen、僕さっき呼ばれた時に、哀姫を見たよ」

「それならちゃんと書き換えた通り、進んでるのです」

はぁ、と溜息を付くnight。

「然しqueen、君って僕と同い年だったんだね」

「何ですかその目は!アクマで魂が同じ哀姫に憑りついたまでなのですよ!」

そう、同じ歳で背は十センチ程度しか変わらない。

しかも、誰もが目を張る美女なのだ。

「君は何故僕と一緒に居たいと思うんだい?」

「それは、お前の事が好きだから、に決まっているではないですか、night」

「えっ、そういう事は、面と向かって言われると、恥ずかしいじゃないか」

空中から帽子を取り、それを深くかぶり顔を隠すnight。おそらくその中は、真っ赤なのだろう。

「うっ、止めるのです!いじりたくなるので、その帽子を外すのですnight!」

そんなやり取りが、ずっと続いていた。

「で、書き換えの時に君がした悪戯、そろそろ何だけど、どうするのかい?」

「そのまま、何もしないにです」

「はぁ・・・・・・・・」                   次回へ・・・



「・・・・・・、貴方のmissionクリアを確認。次の指示がくるまで待機を願う」

そこに居たのは、間違いなくこの塔の姫だった。

レースとフリルに飾られた濃紺のドレスを身に纏い、同色の髪を無造作に垂らし、

人形のように小さな体を、さらに周りの書物で隠している。

「・・・・・・、貴方の名前は?」

「俺かい?俺は彩輝だよ、姫さん」

「・・・・・・、姫さんって呼ぶの、止めて」

ぷぅっと頬を膨らませる姫。

「じゃあ、哀姫でいいかな」

「・・・・・・、うんそう呼んで」

(ちょっとからかう時に、姫さんって呼ぼう)

心の中でクスリと笑う彩輝だった。

「・・・・・・、退屈」

「何が退屈なんだい?哀姫」

「・・・・・・、ここから見ても、彩輝以外誰もボクが搭に居る事に気づいてない」

そういって窓の外に片手を伸ばす哀姫。それを見た彩輝は、

「なら、俺と一緒に下界に降りるかい。哀姫?」

「・・・・・・、え・・・?ホントに?ホントにボクを下界に連れてってくれるの!?」

とても驚いたようで、いつもより三十%期待した顔になっている。

「ああ、いつどんな時でも、俺は哀姫を何処へでも連れていこう」

「・・・・・・、でも、ボクに逃げられないように、結界が貼ってある」

(おかしいな?結界を感知していない。なのに、哀姫は外に出られない・・・。)

今まで茶色かった瞳が、右目は紅く、左目は紫に染まる。

「・・・・・・、彩輝その目の色、まさか・・・」

「その通り、俺は解呪魔導師だよ。哀姫」

解呪魔導師とは、魔術を解呪する専門家で、考え事をする際にオッドアイになる。解呪の際も同じである。

「哀姫、君も魔術を使えるだろう?」

「・・・・・・、ボクは情報操作魔導師、通称ハッカーだよ、彩輝」

ハッカーとは、情報を圧縮し様々な用途に使用する。また常に人形と一緒に行動する。

「さあ、行こうか哀姫」

「・・・・・・、ええ彩輝」

こうして二人は、搭を出た。                            次回へ・・・

「汝らは、我が探した姫の婚約者候補也。汝らが姫の本当の気持ちをつかめるかの、

試練を与える。まず始めに真の姫を見つけよ

制限時間は半刻(約一時間)まで、それでは始め!」


~これまでの出来事~

ある手紙が届いていた。文面は確か・・・

<        潺彩輝(せせらぎ さいき)様

貴方は、裏に在るエルア共和国の王に選ばれた姫の婚約者候補です。

ただ、哀姫(あいき)姫は自分が婚約者を認めない限り、誰にも会いたくないそうです。

ですので、貴方を含め全ての方をこちらに召喚します。>

その手紙を読み終えた瞬間、文字が輝き、彩輝はその光に包まれた。

そんなこんなで、彩輝らはエルア共和国の城に召喚されてしまった。

 

(あ~つまりmission1ってことかな?

真の姫か・・・、つまり姫さんに扮した偽モノがいるという事だ)

こんなことを考えながら彩輝は進んで行く。

(姫さんが居そうな場所・・・この城のひとに聞くか)

「あの、」

そういって、近くにいた兵士らしき人に話しかける。

「姫さんの話を聞かせてください」

「・・・・・・いいでしょう、貴方なら」

気になることを言って、兵士は話始める。

「姫様は、あまり人と何かをする事がなく、とても静かな方です。

ただ、いつも一人の時に・・・・・・」

ぱちんっ

兵士が消えた。

「なるほどな  あそこか・・・」

彩輝が今の兵士の言葉で分かったことがある。

哀姫も自分と同じ彩であることを。

彼が向かう先は、人が絶対に来られない所、密室だ。

(おそらく、姫さんも悪魔の力を借りているはず・・・)

辺りを視る。階段でいけない塔があった。

(おいおい、嘘だろ。あの迷路、普通の人間じゃ抜けらんないだろ・・・

どんな悪魔に彩つられてんだよ)

<僕の力で飛ぶんだろ、彩輝>

彩輝を依代にしている悪魔が囁く。

(ああ、ただ、意識はやめろよ。それは夜だけで勘弁してくれ)

返事はないが、足が動かにくいから了解してくれたのだろう。

その足で、跳躍し、搭に足を付ける。

<ここからは、翼を使え>

そう聞こえると、足が動くようになる。

そのまま飛ぶ。

見えた窓に着地する。

「・・・・・・mission1クリア」

そこに、姫がいた。                    次回へ・・・



ある少年が走っている。この光景はどこにでもあるが、彼が向かう先はそうないでしょう。

彼が向かう先は、王の城なのです。しかも、迷宮に近い迷路が三十あるのです。

「ひ~めさん、今日も塔の中ですか~」

と、言うと

「・・・・・・彩輝、私のことは哀姫と呼ぶ

「はいはい、すみません。哀姫」

こんな感じにいつも二人は会っている。

ちなみに、哀姫は彩輝が言うよう王の娘、姫なのです。なぜ二人が一緒なのか、疑問符が浮かぶでしょう。

それは、・・・・・・次回です。


今日はこの辺でさようなら            by night




次を頼むqueen

「queen、一つだけ言ってない事がある」

「何です?night」

「実は、太陽が沈んでいる時しか、僕は存在しないんだ」

言われた時、queenは噴きそうになった。

「つまり、夜しか動けないのですか?」

「いや、そうじゃない。 昼は別の人間として存在しているんだ」

一瞬、queenが笑ったように見えた。

「やはり、nightも私と同じ原理で存在しているのですか」

「ああ、っていうかqueenは、分かり易すぎて違うように見えた。

だけど、さっきの{時の魔術}で僕と同じ悪魔だと分かった」

「では、この彩たちはどうしますか?やっぱり一緒にしておきますか?」

「それがいいだろ、彩同氏近い方がいい」

彩とは、nightら悪魔の依代であり、ほとんどが魔力を持つ子供である。

「queenの彩の名はなんて言う?」

「哀姫と・・・ね。 nightは?」

「彩輝だとさ、さてと、ではこの二人が明日から一緒になるよう、

運命を書き換えなければならないな。手伝ってくれqueen」

「是、やるのです!!」

こうして、二人の初仕事は幕を閉じた。           次回へ・・・



蒼衣の少女は、驚いたような表情に一瞬なり、また元の無表情に戻る。

「お前、何者ですか・・・?」

「いや、それどころじゃないんだが・・・」

青年の言う通り、今にも飛び掛かってきそうな、警官達の前で言う事ではない。

「そんな事は後回しだ、逃げるぞ!!」

「是、わかったのです!」

出会って、三十秒で仲間になった青年と少女は、それぞれに背を向け、目の前の警官達を倒していく。

「脱出方法は、あるかい!?」

「是、一つだけ用意してあるのです」

会話の間にも、警官達は少なくなってゆく。

「これで、逃げれる筈です。制止!!」

そう言うと、何もかもが止まる。

「何で今まで使わなかったんだ?」

「人が多いと使えないのです、これは」

青年は、そうだと、いう風に付け加える。

「僕は、night。君は?」

「私ですか?私は、queenなのです」

「queen、君も怪盗なのかい?」

「是、そうなのですが、やはりnightもそうでしたか」

nightも、queenも、偽名なのだが、二人とも気にしない。

「思ったのですが」

「ん?」

「二人で、怪盗をするというのはどうなのでしょうか?」

これには、nightも返事に時間がかかった。余談だがもう移動して、ある塔の一室にいる。

「いいと思うよ、というかそうしようか、queen」

「・・・そうですね、ではこれからは、二人でなのです!」    下編へ続く・・・