検査から結果までの期間は、どこか現実的には思えない日々を過ごした。


いつも頭の中にあるのは、最悪の場合の想定だけだった。


妻の胸には針検診の痕。真紫になっている胸がある。とても痛々しく見えた。



こんな時は当人より家族が心配するものなのか、元来の性格の影響なのか、意外と妻は「なんか、大丈夫なような気がする」と楽観的に考えているようだった。


当人がその様な考えのため、こちらも目の前では「きっと大丈夫」と思うように努めた。

ただ、仕事で一人になる時等は最悪な思考回路になってしまう。


検査結果が出る日にはキャンセルできない仕事があり、どうにか他の人に任せることができないかと動いていたが、妻は「一人でも大丈夫」と言った。


病院に入り、検査をするので針検査の結果を聞くには少し時間があるので、仕事終わったらすぐに病院に行くことにした。



検査結果を聞く当日。

朝からなんとも言えない気分の日だった。当日になってみると、希望的観測なのか「大丈夫じゃないか?」という気持ちも増した。きっと、不安に押し潰されそうにならないための防衛本能だったのか、と今は思う。


その日は仕事中は不安であったが、お客さんにはそのことを悟られないように振る舞った。


そして、仕事が終わり、即病院へと車を走らせた。

妻からはまだ診察には呼ばれてないとのこと。



ぎりぎり結果を聞くには間に合うかな?と思いながら30分程車を走らせ、病院近くの駐車場に停めている時、携帯電話からLINEの通知がきた。



「癌だった」

妻からであった。

頭が真っ白になり、とてつもない早い鼓動がした。