甲子園は目指せても、プロを目指すことの難しい名古屋の野球部~SKE48大量卒業を受けて~ | AKB48選抜総選挙の選挙戦略~あなた(メンバー)が当選する又はあなたの推しを当選させる方法~

AKB48選抜総選挙の選挙戦略~あなた(メンバー)が当選する又はあなたの推しを当選させる方法~

このブログの目的は、「AKB48選抜総選挙」を市場として分析し、新たな視点でヲタ活を楽しむこと、ヲタ・運営・メンバーの皆さんの議論の下地としていただくことです。
主に、選挙全体の分析、当選のための施策を考える視点、日々の選挙への材料について書いていきます。

秋元康は言った「AKBは成長のドキュメンタリーです。チャンスを待つだけでなく、チャンスを作る努力が必要です。

SKE48 team Sメンバーの桑原みずきは言った「SKEに入ってから今まで約5年間、自分で雑誌や新聞から切り取ったオーディションを何度も持って行き、受けさせてほしいと頼みました。でも「SKEにいる限りは出来ない」と言われ、やっぱり自分で自由に挑戦できるような環境がいいなと思いました。」


本日(15日)のSKE48 teamKⅡ公演で、SKE48メンバーの9名が卒業を発表した(既に公表していた矢神含む)。その中には、選抜の常連である小木曽汐莉、矢神久美、SKE48で上位を争うダンス力、統率力、トーク力を持つ桑原みずき、高田詩織などの名前があった。いったいこの大量卒業はなぜ起ったのか。AKB48とSKE48の置かれた環境の違いを軸に、48グループの活動におけるゴールとは何かを考えます。
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1.はじめに
 買ってからなかなか見ることのできなかった、ガイシコンDVD2日目を見終わって晴れやかな気分で、そろそろ寝るかと思いまとめサイトを開いたとき、信じられないスレタイを目にしました。最初は本気で冗談かと思い、ネタスレかと思いきや悪い事実でした。

 ショックで寝られず、今この記事を書くに至っています。以下は、公開情報を基に、これまでの業務経験を合わせた推測記事です。本記事の内容と反する事実が出てくる可能性も十分ありますので、ご了承ください。また、読むときの感情、読み方によっては「秋元氏or運営orメンバー批判」とも読まれかねないかもしれませんが、そのような意図は一切ありませんので、余談を持たずにお読みいただけますと幸いです。


2.各メンバーのコメントを見て
 各メンバーのコメントを見ると、大きく分けて以下の2つの卒業理由が挙げられています。

(1)夢、将来:桑原、高田、平松、矢神(以上、team S)、小木曽(team KⅡ)、原(team E)、小林(研究生)
(2)学業:赤枝、上野

(1)夢、将来にも異なる要素が混ざっているのですが、このうち冒頭に2つの言葉を挙げたとおり、芸能関連又は芸能に近い夢、将来を描いているメンバーが卒業するに至った理由を考えてみたいと思います。


3.AKB48とSKE48の置かれた環境の違い
 冒頭のコメントの通り、「SKEにいる限りは(外部のオーディションを受け、SKE48以外の仕事を自分で取ってくるなどの活動は)出来ない」そうです。詳細は不明ですが、契約事項としてそうなっているのでしょう。「SKE48の運営会社であるAKS社が指定する仕事以外の仕事は、実施してはならない」という内容だと思います。一般の企業で言う副業が認められていない状態です。

 一方、AKB48のメンバーは様々な芸能活動に取り組んでいます。これは、ファンなら多くの方が知っている話ですが、「AKB48のメンバーの多くは、それぞれ芸能事務所に所属しており、AKB48へはプロジェクトとして参加している形態を採っているから」です。つまり、芸能事務所から与えられる仕事の一部として、AKB48の活動に取り組んでいるのです。


4.SKE48では、なぜメンバーが外仕事を取ってくるのを認めていないか
 では、なぜSKE48では、メンバーが外仕事を取ってくる(オーディションを受ける)のを認めていないのでしょう。理由は様々だと思いますが、主なものとしては

(1)SKE48の活動趣旨と異なる
(2)運営スタッフの人手が不足している

と運営が考えているからと考えられます。

(1)SKE48の活動趣旨と異なるから
 仮にメンバーにこれを伝えていたとしても建前だと思いますが、要はゴールのイメージがずれていたということです。具体的には、「AKBは成長のドキュメンタリーです。チャンスを待つだけでなく、チャンスを作る努力が必要です。」という秋元氏の発言の解釈が、運営サイドは48グループの枠組み内でというものであったのに対し、メンバーサイドでは枠組み外もありではないかというものであり、ずれが生じていた可能性があります。会社でもよくあるずれです。

 また、SKE48の主な収入源は、公演・コンサートやCD・物品販売、これらに付随する握手会などのイベント、ゼブラエンジェルなどの企業プロモーションへの協力などです。一企業体として考えた場合、他の活動をせずこれらの仕事に専念して欲しいという考えがあったのかもしれません。

(2)運営スタッフの人手が不足しているから
 こちらが本当の理由だと思います。仮に約60名在籍するSKE48のメンバーが、それぞれオーディションなどを受けて外部の仕事を得る取り組みをした場合、おそらくAKS社の人員、特にSKE担当の人員数だけでは管理しきれないのでしょう。AKBメンバーの一部が活発に活動できているのには、AKB以外の仕事はすべて所属事務所が負担してくれているからだと思います。

 オーディションを受けるだけならまだしも、仮に合格して契約等の手続きを経ることになった場合や、メンバーの活動・体調管理などに割けられる人員が確実に不足するという判断なんだと思われます。また、芸能関係の仕事では、それほど主要な仕事でない場合には単価が低いこともあり、費用対効果の視点からも認めることはできなかったのかもしれません。


5.48グループのメンバーのゴールとは何か
 かつて秋元氏はGoogle+で「AKBはショーウインドウですから、誰かの目に留まることが必要なんです」と仰っていました。

 一般的な高校球児の野球に取り組む主な目的(ゴール)から、これから論じたい視点で4つ挙げると「野球を楽しむこと」「スキルを磨く」「甲子園に出場すること」「プロになること」があります。これを48グループのメンバーに置き換えると、「公演(などのアイドル活動)を楽しむこと」「スキルを磨く」「ドームや紅白に出る、レコ大を取ること」「女優になること、モデルになること他」となります。

 前述の環境の違いを常に意識しないでAKB48のメンバーを見ていると、グループの活動と個人の活躍の場拡大はつながっていると思いがちになります。しかし、甲子園優勝メンバーが全員プロになれるわけではないように、SKE48の活動でいくら成果を出してもメンバー自身のゴールに近づかない場合があります。

 そのため、メンバー個人のゴールを考えた場合、直近では

・芸能事務所にスカウトされること、
・スキルを磨いて卒業して自分自身で挑戦する準備をすること

なのでしょう。今回卒業したメンバーは後者を選んだとなります。
と、書いていて自分を納得させようとしています。。。


6.今回の卒業による48グループ今後への影響
 AKB48のメンバー大島優子さんは映画『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』の劇中で、「AKB48を確実なものにしたい」と仰っています(出所:同映画の予告編動画)。

 これは、個人としての夢・将来というより、AKB48としての夢・将来に関するご発言です。大島優子さんだけでなく、別の機会に高橋みなみ総監督も仰っていたように記憶しています。

 今回の卒業は、彼女たちの構想にどういう影響を与えるのでしょうか。最も危惧されるのは、人材流出の加速です。

 前述の通り、芸能事務所にスカウトされなければ、自分で挑戦しなければならない事実が改めて浮き彫りになりました。これは、立地的に不利な条件下にある姉妹グループのメンバーにとって、また人数が多すぎて競争の激しいAKB48の若手(期が若い)メンバーにとって、非常に困難な事実です。今回の小木曽のように、上昇志向の高いメンバー、年齢の高いメンバーであるほど、48グループ内人気に関わらず見切りが早まる可能性があります。

 サッカーや野球などの例を見るとわかるとおり、チーム力を維持・向上するには適度な速度での新陳代謝が必要です。有能な選手が残り続けると(新陳代謝の速度が遅い)若手の成長を阻害することになりますし、逆に選手の入れ替わりが激しい(新陳代謝の速度が早い)とチームコンセプトの引継ぎや一体感醸成がうまくいかなくなります。

 今回のような人材流出が続けば、各メンバーのファンがついていけなくなってヲタ卒するほか、各グループのパフォーマンス力が低下し箱推しが減少することになりかねません。これにより、大島さんらの構想の実現に致命的な打撃を与える恐れがあります。


7.対策の提案
 今回のような人材流出を防ぎ、チーム力を維持・向上させるには、

(1)AKS社が芸能事務所としての機能を高める
(2)芸能事務所への移籍を促進する
(3)芸能事務所に所属していなくても、他の仕事を得られるようにする

などが考えられます。おそらく、上2つは現実的ではないでしょう。

(1)については、芸能界で敵を作らないという意図で現在のAKB48と芸能事務所の関係が設計されているため、自社機能の強化はその意図に反することになります。

(2)については、相手のあることであり、対応してもらえたとしても少量となるため、根本的な解決には至りません。

(3)が最も妥当ではないでしょうか。仕組みとしては、年齢や所属年数などの一定条件を満たした場合、メンバーに個人事業主となってもらい、AKS社と所属契約ではなく出演契約を交わすようにするのです。仮に、メンバーが外仕事を取ってきた場合には、事務手続きはメンバー側にやってもらうほか、出演料等の一部をAKS社に納めてもらうなどの対応をとってもらいます。

 こうすることで、メンバーは一定のリスクは負うものの、グループの活動に参加しながら自由に活動をすることができるようになります。現在のように、0か1かでなくなるのです。他方、AKS社側も、大きな追加負担を強いられることなく、人材を手元に確保しておけることとなります。また、外仕事で知名度を上げたメンバーを起用することで、グループへ集客・ブランド力向上も期待できます。

 最終的に外仕事が多忙になり、グループの活動に支障をきたすようになったら、円満に卒業するというのが理想的な流れです。この状態になれば、ファンも納得して送り出せるのではないでしょうか。

 この辺りは、ライフワークバランスの考え方と非常に似ていると思います。優秀な人材が可能な範囲でグループに貢献し続けることのできる仕組みをぜひ採用していただきたいと、ファンの一人として節に願います。


8.最後に
 感情の赴くままに、内容の整理も覚束ない記事を書くことで、ようやく気持ちが落ち着いてきた気がします。
 寂しいですが、9人のメンバーが決めた決断を尊重して、残りの時間を一緒に楽しみたいと思えてきました。

今回卒業するメンバーのパフォーマンス、出演公演が本当に大好きでした。

最後に、以下の二つのブログを引用して紹介します。
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■鰹の発言
ただ、ひとつ未練があるとすれば、公演が本当に楽しかったなーと。笑
メンバーと笑いながらやる、公演が本当に楽しい。
出来ることなら公演に出ながら、自由に夢を追いたい。
出所;桑原みずき公式ブログ
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■しーたんの発言
「公演は大好き
卒業しても
公演だけ出させてほしい
言うくらい
うちらは公演が好き

だけど…」
出所;大矢真那アメブロ
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後に続くメンバーが、同じ心残りを抱いて卒業することのないよう祈っています。