『エイリアン ロムルス』ネタバレの感想 恐怖とスリルとおぞましさがスケールアップ | アンパンマン先生の映画講座

アンパンマン先生の映画講座

映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

評価 5/5 ☆☆☆☆☆

 第1作『エイリアン』(1979年)から45年ぶりに続編が見られて嬉しい。予告編にはなかったので、序章で無人探査機が向かった先が破壊されたノストロモ号だった場面から歓喜だった。回収した岩の様な物の中にエイリアンがいた。どうやらリプリーが脱出艇外に排出したエイリアンが、繭の様な物を作って休眠状態で生きていたらしい。宇宙ステーションの中に解凍されたフェイスハッガーがうじゃうじゃいて、ジャンプしながら襲って来るのも恐い。フェイスハガーが沢山いる通路を、音を立てずに通過する場面も心臓に悪い。しかもその最中に無線が入るとは、何というタイミングの悪さ。登場人物が一目散に逃げるが、フェイスハガーが走る速さも速く、これも恐怖だった。

 さて、再起動させたアンドロイドのルークは、エイリアンのゼノモーフ(成体)を研究してフェイスハガーを作ったと言っていた。フェイスハガーは卵から生まれると思っていたので、ルークが嘘を言っており、ノストロモ号のすぐ近くにある惑星LV-426からフェイスハガーか卵を回収したのかもしれない。

 そのルークの顔は第1作のアッシュと同じで、懐かしく感激した。アッシュ役のイアン・ホルムは2020年に亡くなったので、顔は第1作を元に作られたCGらしい。

 ナヴァロに取りついたフェイスハガーを引き離すが手遅れで、X線で透視すると彼女の胸の中で何かがうごめく姿が怖い。ナヴァロの胸を突き破ってチェストバスターが出現するが、羊膜を被っていたり、第1作ではよく見えなかった小さな腕を動かしたり、より詳しく演出していたのも感心した。

 チェストバスターは蛹の様な物を作る。ビヨンが蛹の中に第1作に登場した電撃棒を突っ込んで電撃を与えるが、第1作を見た者は効果がないと知っているので、早く逃げろと言いたくなった。

 第1作のディレクターズ・カット版に登場した、人間を養分にしたエイリアンの巣が通路一面に続いている場面も怖い。第1作ではダラス船長を救えなかったが、ケイを救出できたのは良かった。

 次々にやって来るエイリアンを、レインがパルスライフルの連続射撃で全滅させる場面は、第2作『エイリアン2』を彷彿させて痛快だった。しかも船内を無重力にして、エイリアンの体液の酸で船体に穴が開かないようにする方法に感心した。無重力の空中を漂う酸を避けながら、通路を進む場面もスリルあった。さらに、第1作と同じようにカウントダウンの中、エレベーターシャフトを上昇中にエイリアンに襲われ、ぎりぎりでコーベラン号に戻る場面もスリルがあった。

 研究室では黒い液体のZ-01をフェイスハガーから抽出しており、第5作『プロメテウス』や第6作『コヴェナント』の黒い液体と関係があるようだ。ウェイランド・ユタニ社がエイリアンを研究するのは、生物兵器用と思ったら、エイリアンの遺伝子で植民地の作業員を厳しい宇宙環境に耐えられるように改造する為らしい。「人類補完計画」ならぬ「人類エイリアン化計画」とは、何とも非人道的な企業だ。

 エイリアンがいる宇宙ステーションからコーベラン号が脱出し、第1作のリプリーより露出は控えめだが下着姿のレインが人工冬眠の準備をしていると、Z-01を注射していたケイが人型エイリアンのオフスプリングを出産する。その姿は第5作のエンジニアと似ているが、第4作『エイリアン4』のニューボーンよりもおぞましく、正視に耐えられないほど。CGでなく、中に身長231cmもあるバスケ選手が中に入っていたとは驚きである。オフスプリングを船外に排出して撃退するのも、第1作のエイリアン撃退法と同じ。最後はレインの航海日誌の録音で終わるのも第1作と同じで、涙が出そうなほど感激した。

 このように第1作と完全に繋がる設定や、第1作、第2作、第4作、第5作、第6作を彷彿させる内容が満載で、非常に嬉しい。さらに恐怖とスリル、おぞましさがケールアップし、レインとアンドロイドのアンディとの姉弟(の様な)愛など、エイリアン・シリーズ中で一番面白かった。評価は「5」である。