映画『サユリ』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

アンパンマン先生の映画講座

映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:白石晃士 2024年

主な登場人物::読み(俳優)役柄

【神木家】

神木 則雄:かみき のりお(南出凌嘉)神木家の長男。中学3年生。

神木 俊:かみき しゅん(猪股怜生)神木家の次男。小学5年生。

神木 径子:かみき けいこ(森田想[)神木家の長女。高校生。

神木 昭雄:かみき あきお(梶原善)則雄の父。念願のマイホームを手に入れ、両親とも同居する。

神木 正子:かみき まさこ(占部房子)則雄の母。

神木 章造:かみき しょうぞう(きたろう)則雄の祖父。

神木春枝:かみき はるえ(根岸季衣)則雄の祖母。

【則雄の友人】

住田 奈緒:すみだ なお(近藤華)則雄の同学年で、隣のクラスの女生徒。霊感がある。

【九条家】

九条 小百合:くじょう さゆり(久保遥/少女:照井野々花)九条家の長女。家に憑りついた亡霊。

九条 夏彦:くじょう なつひこ(池田良)小百合の父。

九条 美里:くじょう みさと(森田亜紀)小百合の母。

九条 香奈:くじょう かな(今城沙耶)小百合の妹。

【その他】

大浦奈都子:おおうらなつこ(志水九九美)近所の住民。

 

 廊下で母親の九城美里が食事を持って来て、ドアが閉まった部屋に向かって「たまには一緒に食べませんか?」と呼びかける。部屋の中は大量のお菓子の袋が散乱し、太った九城小百合がドアに物を投げつける。小百合が部屋から出てきて、釘抜きを母の前に突き出す。

 (タイトル『サユリ』)

 〔10年後〕

 神木一家、父親・昭雄、母親・正子、高校生の長女・径子、中学生の長男・則雄、、小学生の次男・俊、同居することになった祖父・章造と祖母・春枝がその家に引っ越してくる。昭雄は「夢のマイホームだ」と喜び、径子は「ちょっとボロい」と言う。春枝は痴呆気味で、正子と径子を間違える。

 径子は1階の部屋を取る。則雄と俊は2階の部屋を取るが、俊が「この家、ちょっと怖い」と言う。則雄はベランダの眺めを気に入る。電気が消える。

 ダイニングで食卓を囲んで昼食を食べる。俊は「前のアパートに戻りたい」と言うが、章造は「婆さんと一緒に住めて嬉しい」と言う。春枝は吹き抜けから2階をにらむ。正子は「婆さん、昔怖かった」、則雄「太極拳はまいった」と、痴呆になる前の祖母を思い出す。引越しの荷物を積んだトラックが着く。

 俊がトイレに行くと、姉の部屋が不気味に思える。夜、則雄と俊は窓から見える星が綺麗で、感激して寝る。

 径子が寝ていると、テレビが突然点き、リモコンで消す。部屋に太った女の影が映る。

 朝、昭雄も径子も疲れていた。正子は昭雄に「突然死されたら困る。家のローンが残っている」と言うと、昭雄は「まだまだ働く」と答える。3人の子供は学校に登校し、昭雄は仕事に行く。

 則雄は学校であくびが止まらず、先生に注意される。昼休み、則雄が屋上にいると、別のクラスの女子の住田奈緒が「最近何かあった?疲れているようだけど」と、初めて話しかけてくる。則雄は「中古の家に引っ越した」と話す。住田は「気を付けて」と忠告する。

 夜、径子が寝ていると、部屋のテレビが点き、リモコンを何度押しても消えない。部屋に少女が現れ、径子の手を掴む。

 夜、俊が則雄を起こすが起きないので、一人でトイレに行く。トイレから出ると径子がいたが、様子がおかしい。径子は俊の頭を柱に打ち付け、俊は鼻血が出る。径子も自分の頭を柱にぶつけ、額から血が出る。俊の鳴き声を聞きつけて、他の家族が来る。昭雄は2人を病院に連れて行く。春枝は鏡に映る太った女の姿を見る。

 昼休み、学校の屋上でBL漫画本を読んでいた住田に、則雄が昨晩の事を話し「姉は覚えていない。医者は夢遊病じゃないかと言っていた」と話す、住田は「神木君も気を付けて」と忠告する。則雄が「住田は見える人?」と聞くと住田は「ちょっと変な感じがする。神木君も感じる?」と聞く。「ちょっと変な感じ」と答えると、「それ正しい。家から出ていくのがいい」と助言する

 則雄が帰ると、家の門を近所の大浦がのぞいていて、則雄に「ここの家は誰が住んでも、直ぐに出ている。ここは、邪念が溜まりやすい場所なの。いい人を紹介する」と言う。則雄は「何もない」と誤魔化す。

 ダイニングで夕食時に俊が「あの時、姉さんは化け物の様だった」と言い、径子はお詫びにゲームを買って挙げると約束する。昭雄は「良く休まなければ」と言うと、径子は食べ物を吐く。

 夜中、うなされていた昭雄が起きると、子供部屋に行き、息子達に布団を掛ける。径子の部屋に行くと径子はテレビを見ており、床にお菓子の袋が沢山落ちていた。太った女が釘抜きで昭雄を殴って倒す。

 翌朝、正子が昭雄を探すと、径子の部屋に倒れていた。径子は寝ていた。

 昭雄の葬式が行われる。

 ケイ子は向かい側の部屋に移る。茶の間に昭雄の遺影が飾られる。食卓で俊が「心筋梗塞って何?」と聞く。正子は「心臓の病気」と教える。章造は「間の悪い奴。小学校の入学式と卒業式に高熱を出すし」、則雄も「家族旅行の時に腰を痛めてた」と、昭雄の話をする。春枝が「昭雄はどこへ行った?」と聞く。則雄が「父ちゃんは死んだ」と教えると、春枝が「親に向かって死んだとは何だ」と、機敏な動きで則雄を組み伏せる。

 章造は春枝を寝せる。俊が「死ぬ事は怖い?」と聞くので,章造は「楽しい事を考えて生きると良い」と教える。

 径子は新しい部屋に移動すると、前の部屋から笑い声が聞こえ、半開きのドアに手をかけて、女がこちらを覗く。怯えた径子は、自分の部屋のドアを閉める。

 学校の屋上にいた則雄に、住田が「お父さんの事、お悔やみ申し上げます」と声を掛け、「言わなかったけど、神木が引っ越してから時々、小さい女の子、質の悪そうな奴が見えていた」と教える。則雄が「今も?」と聞くと、「居る。でも家の外じゃ何もできないみたい。私がちゃんと言っておけば、神木君のお父さんは…」と言って泣く。則雄はチョコパンを挙げて「糖分は気持ちを落ち着かせる」と教える。

 則雄が径子に「ご飯できた」と呼ぶ。部屋の中はお菓子の袋が散乱し、金属バットを持った径子が座っていた。則雄は「先に食べるね」と言って去る。

 食卓では5人で食事する。則雄が「違う所に引っ越すのはどう?アパート暮らしでも、じいちゃんと婆ちゃんも一緒に」と提案すると、俊も賛成する。章造は「一緒にアパートは…」とためらい、正子は「お父さんの念願の家を、手放す訳にはいかないでしょ。お父さんの気持ちを考えないの」と責める。春枝は吹き抜けの上を見て「何が可笑しいの?」と文句を言う。章造は「何もいないよ」と教える。

 径子は部屋の中で、笑い声に怯える。

 翌朝、目を覚ました則雄がベランダから見ると、章造が庭を掘っていた。則雄が庭に来て章造を止める。春枝もやって来る。章造は「婆さん、長いことどこにいた?昭雄は元気か?」と言うと倒れる。

 4人で昼食を食べる。春枝は「爺さん、ご飯を食べないのか?」と聞く。茶の間の遺影は、昭雄と章造の2個になる。

 則雄が公園の階段で缶ジュースを飲んでいると住田が来て「ずっと学校に来ないから心配した。連絡先教えて」と言う。則雄は「じいちゃん、心不全だって。引っ越してから1か月くらいしか経っていないのに」と嘆く。住田が則雄の手を握るので、則雄はキスを期待するが、住田は「キスじゃない。手に触れると、色々見えるから」と言う。

 住田は、神木家の洗面所の鏡の前に、少女の姿を見る。春枝が「何が可笑しい?」と言う。少女が住田に近づき、次第に大きくなる。住田がのけぞると、公園の則雄の前にいた。住田は嘔吐する。

 住田は「神木君、お願い。今すぐ、あの家から早く出て行って。出て行かないと皆…」と言うと、則雄は「俺だってそうしたいけど」と言う。

 則雄は、近所の大浦にお祓いを頼む。大浦は「龍玄先生は、交通費と、気持ちだけで良いって」と言う。

 夜、則雄は俊に、お祓いを頼んだと教える。俊が「お母さんに言ったの?」と聞くと、則雄は「2か月くらい先なので、そのうちに言う」と答える。

 夜中、俊が台所の冷蔵庫の牛乳を飲む。階段の電灯が点滅すると、径子がいた。俊が「姉ちゃん、何しているの?」と聞く。俊が階段で倒れ、径子と一緒に姿が消える。

 則雄は寝苦しかった。耳元で俊が「兄ちゃん」と囁く。則雄が目覚めると、俊がいない。則雄はダイニングに行って俊を探すと、吹き抜けから食卓に俊が落下して死亡する。

 径子がやって来て、金属バットで則雄を襲う。則雄が避けると金属バットは柱に当たって落ちる。則雄が金属バットを拾って構える。径子は台所から包丁を取り出し、「則雄、助けて。私、もう嫌」と言って、包丁で自分の首を斬る。噴き出した鮮血が壁を染める。

 正子がやって来て「お母さん、疲れた。楽しかった頃に戻りたい」と言う。則雄が母の部屋に行くと、母は電気コードで自分の首を絞めて自殺していた。

 少女の笑い声が聞こえ、則雄はベッドの下に隠れる。ベッドの下から見ると、少女の足が近づく。すると祖母の春枝がベッドを跳ね上げ「則雄、夢じゃなかったか。すっかり目が覚めてしまった。皆、死んだか?」と聞く。則雄が「みんな」と泣くと、春枝は「何やらチラチラ見えとったものがやったか。残った我々に何ができるか?」と聞く。則雄が「弔う?」と言うと、さっきのあれをわしらで地獄送りにするんじゃ」と言う。

 警察が現場検証に来る。則雄と春枝はパトカーで警察に行く。

 銭湯の前で春枝がタバコをふかして、則雄が出てくるのを待っていた。春枝は「広い風呂はいいもんじゃろう?血の巡りを良くすれば、体も魂も生き生きとしてくる」という。

 家に着くと、春枝は立ち入り禁止のテープを剥がして「笑え。あれに対抗できるのは生きる力、生命力じゃ。命なき邪悪な存在など、笑って蹴散らせ」と大声で笑う。則雄も無理して笑う。寝る前に春枝は則雄に「明日から命を濃くするための特訓じゃ。何かあったら呼べ。婆ちゃんが助けてやる」と言う。

 翌日、春枝は「家は常に綺麗にしろ。内である事は外でもある」と言い、則雄は壁の血を拭く。

 家の電球が点滅すると、春枝は「買ってきた電球に交換だ。煌々と家を照らす」と電球を交換させる。そして「明日から特訓じゃ。命を濃くする。」と言う。

 則雄はランニングし、春枝と一緒に太極拳の練習をする。春枝は「静かな気を養え。よく食べ、よく寝て、良く生きる。毎日走り、外気に触れ、心の臓を動かす。命を濃くして立ち向かうぞ。皆の無念を晴らすんじゃ」と言う。則雄は太極拳の練習をする。

 則雄が窓を掃除していると、春枝が庭で穴を掘っていた。春枝はやって来た則雄に「不安になるな。付け込まれるぞ。爺さんが夢に出てきて、ここを掘れと言っていた」と言い、則雄に掘らせる。すると、カバン、ズック、九条小百合の生徒手帳、頭蓋骨が出てくる。春枝は「メインディッシュが出てきおった」と言う。

 頭蓋骨と堀り出した物を茶の間に並べ、春枝が「九条小百合、わしらの家族を殺したもの。身内に殺されて怨念の塊になっている。いつまでガキの姿でいるつもりだ。見えていたお前の姿は、醜く太っていた」と言う。茶の間に太った小百合が現れる。春枝は小百合の姿を通り抜ける。

 春枝「あいつがわしらに手出しできないのは、命の濃さに気圧されてるからじゃ。昭雄は、家を買って、家族を支えて行く事に不安を抱いていた。心の弱さを付かれた。則雄、お前はわしに似て強い子じゃ。奴に元気な言葉を言ってやれ。下品な言葉が効果ある」と言う。則雄は「元気はつらつ、オマンコ満々」と言うと、小百合は消える。春枝「生きている奴が怖いと思い知らせてやれ」と言う。

 春枝は昭雄に学校に登校させる。家の前で近所の大浦が祈禱師を連れてきた。祈祷師は「この家に住むべきではない」と言うが、春枝は「失われた日常を取り戻せ」と言って則雄を行かせる。春枝は祈祷師を組み伏せ「お祓いは必要ない」と言う。

 学校で友人は、則雄に何と声をかければ良いか分からなかったが、則雄は明るく振舞う。

春枝が外にいると、章造の幻影が近づき、サユリが釘抜きで殴って倒す。春枝は「やってくれるな、サユリ。何倍もの地獄を見せてやる」と言う。春枝は探偵に何かお願いする。

 学校で住田が「少女の影が薄くなっている」と喜ぶ。則雄は「婆さんは、太極拳の師範。家は大丈夫」と言う。住田は「昨夜ラインが上手く繋がらなかった」と言う。則雄は「例の事で電波が弱い」と教える。住田が「もっと早く教えていれば、一人くらい救えたかも。何かあったら、家の外に出て」と嘆く。

 夕方春枝が夕食を作りながら、「今から出かける。帰りが遅くなる。一人で大丈夫か?」と聞く。則雄は「朝まで何とかできる」。春枝は「何かあったら例の言葉を唱えろ」と言って、車で出かける。則雄は太極拳の形をしながら家に入り、「サユリ、やれるものならやってみろよ」と言う。

 則雄は、家の中でお笑い番組を見ながら大声で笑う。テレビの画面が乱れ、台所に少女の姿が現れる。則雄は「テレビ見ているから邪魔しないで」と言って手を叩くと、少女の姿が消える。

春枝は、九条家の前で張り込んでいた。

 住田が則雄に電話するが繋がらないので、心配する。

 家がきしむ音がし、電灯が点滅する。則雄は笑う。電灯が消える。則雄は太極拳をする。弟の俊が上から落ちてきて、則雄は「俊」と叫ぶ。

 住田が「神木君、大丈夫?」と言って起こす。サユリが見せた幻影だった。住田は「前より悪い予感したので来た。すぐ家を出よう」と言う。則雄は「大丈夫だ」と言うと、サユリが住田を連れ去る。サユリが釘抜きを則雄に振り下ろす。則雄は外に逃げる。

 すると春枝が車でやってきて、「何があった?」と聞く。則雄は「友だちの住田が連れ去られた」と教える。春枝が「好きか?」と聞くと、「好きだ」と答える。「それなら取り戻せるかも。こっちには秘密兵器もある」と言う。車の中には縛られたサユリの父、母、妹が拉致されていた。

 春枝と則雄は3人を茶の間に運び「懐かしいマイホームに戻った感想は?」と聞く。掘り出したサユリ頭蓋骨や品物を見せ「お前らは小百合を殺したな?」と聞くが、3人は無言。春枝は「顔に書いてある。お前らのせいで、家族が5人もサユリに殺された」。則雄も「俺の友達も連れて行かれた」。春枝「全部お前たちのせいだ」と言う。

 サユリの父が「金なら出す」と言うが、春枝は金槌でサユリの父を殴る。サユリの母が「私達、サユリを殺したと自首します」と言うが、春枝は「そんなのどうでもいい。復讐じゃ」と言い、今度はキリでサユリの父親と母親の足を刺す。春枝「サユリ、この声が聞こえるか?」と聞くと、電灯が点滅する。春枝「来よったな」と言う。

 少女の小百合が一家4人の絵を描く。父の夏彦が「小百合の髪は美しいね」と言って小百合の髪をなでる。絵を壁に貼る。父が「小百合の髪は気持ち良いね」と言って、大きな釘抜きを出す。夕食後、父は小百合を連れていく。小百合は「ママ、助けて」と助けを求めるが、母は無視する。父は「何で逃げるの?パパと仲良くしよう」と言う。

 小百合は部屋に閉じこもる。父が釘抜きを持って部屋に来ると、小百合は自分の喉にハサミを突き付け、「来ないで」と言う。父が去った後、ハサミで髪を切る。

太った小百合が、部屋でお菓子を喰う。床は空き袋が散乱している。廊下で母親の九城美里が食事を持って来て、ドアが閉まった部屋に向かって「たまには一緒に食べませんか?」と呼びかける。太った九城小百合がドアに物を投げつける。美里が「お願い、元通りの家族に戻りましょう」と願う。小百合が部屋から出てきて、釘抜きを母に振り下ろす。母親は頭に怪我をする。さゆりの妹の香奈が小百合を襲い、奪った釘抜きでさゆりを殴る。小百合は「どうして私ばっかり」と嘆く。妹は「お前が死ねば、みんな幸せになるんだよ」と言う。父が小百合の首を絞め、妹も手伝う。小百合は死ぬ。

 春枝「見たぞ。よう分かった。全く腐りきっている。こいつらは勝手にしろ。でも則雄の友人は違うぞ」釘抜が落ちてくる。太った小百合が釘抜きで父親を刺して殺す。妹が「ごめんなさい。助けて」と言うが、さゆりが釘抜きを振り下ろして殺す。小百合は母の両眼を潰す。春枝は「まだ気が晴れんか。毎日3度の飯を運んだ母は殺せないか?」と聞く。

 則雄と春枝は音楽に合わせて太極拳の形をする。小百合の口から住田が顔をのぞかせるが、直ぐに呑み込まれる。則雄は「元気はつらつ。おマンコ満々」と叫ぶと、春枝が血を吐く。春枝は「あの子を好きだと言う気持ちが最大の武器だ」と言う。則雄は小百合の頭蓋骨をかじり「夜食の時間だ」と言う。則雄は「俺は婆ちゃんの孫。神木則雄だ」と叫ぶ。

 小百合の口から沢山の触手が出てくる。則雄は「住田。住田。俺は住田が好きだ。俺は住田としたい」と叫ぶ。小百合の中から住田も「私も神木君が好きだ」と叫ぶ。則雄は「お前に生きている者の怖さを思い知らせてやる」と言って、小百合の触手の中に手を伸ばす。小百合の中からも住田が手を伸ばし、則雄が手を捕まえて引き出す。春枝は「やるじゃん」と感心する。

春枝は「下がっておれ。行くぞ、小百合」と言うと、太極拳で小百合に向かう。小百合の触手が粉々になり、泣いている少女の姿になる。春枝が小百合の母親を縛っていたロープを外し、目が見えない母が手探りで少女に抱き着き「小百合ごめんなさい。愛している」と言うと、少女が泣く。

 少女の小百合」の後ろに、死んだ昭雄、章造、径子、正子、俊の5人の姿があった。春枝は「わしら2人だけではなかったのう」と言う。5人と小百合の姿が消える。

則雄と、痴呆症に戻った春枝と、住田が海岸を眺める。小百合の父と妹の死因は心筋梗塞だった。目が見えない小百合の母は、急性緑内障だった。春枝が3人を拉致した事は、小百合の母親が上手く警察に説明して、春枝は罪に問われなかった。則雄と春枝はアパートに引っ越し、則雄は春枝が通院している病院の近くの学校に通っている。別の学校に通っている住田が、則雄に会い通っていた。住田は、前の則雄の家は取り壊されたと教える。

 春枝は「ばあちゃんがいる。命を濃くし、家を綺麗に。何かあったら婆ちゃんを呼べ」と言う。

 則雄は、今日は、婆ちゃんが泊りなので、婆ちゃんのレシピで料理を作ると言う。住田は「私も食べていい?」と聞くと、春枝は「一杯食うぞ」と答える。住田は「あの時、私とやりたいと言ったでしょ?」と聞くので、則雄は「言いました」と認め、2人で笑う。

 (エンドクレジット)

(写真は「映画com」「公式X」より)