監督:デヴィッド・リーチ 2024年
主な登場人物(俳優)役柄
コルト・シーバース(ライアン・ゴズリング)スタントマン。ジョディの元恋人。
ジョディ・モレノ(エミリー・ブラント)コルトの元恋人。映画監督。
トム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソン)有名なアクション俳優。撮影中に失踪。
ゲイル・メイヤー(ハンナ・ワディンガム)プロデューサー。
イギー・スター(テリーサ・パーマー)主演女優。トムの恋人。
アルマ・ミラン(ステファニー・スー)プロデューサー志望のトムのアシスタント。
ダン・タッカー(ウィンストン・デューク)コルトの親友でスタント監督。
ドレスラー(ベン・ナイ)トムのボディーガード。
無線で「カメラ回せ。3、2、1、アクション!」の指示で、崖から落ちる、ロープで首を絞められる、バイクで滑走中の飛行機に飛び込む等のスタントの数々が映る。「大抵の映画に出ている。気づかないだけさ。それが仕事さ。無名のスタントマン。時には痛い目も。全身ボロボロさ。俺コルト・シーバースは爆破されて、顔は泥の中。俺は撮影部のジョディ・モレノにメロメロ。彼女は将来、大物監督になる」
コルトはアクション俳優のトム・ライダーのスタントを担当していた。トムがプロデューサーのゲイル・メイヤーと、顎の映りが違うと言って、後ろ向きでの撮り直しを命じる。ジョディは無線で「終わったらスパイシー・マルガリータを飲まない?」と誘い、コルトは「1杯なら。2杯以上は判断を誤る」と言い「終わったら2人で、浜辺で水泳着になって、スパイシー・マルガリータで判断を誤る」と誘う。コルトはワイヤーを付け、ビルの高所から落下する。コルトは救急車に運ばれる。
18ケ月後。コルトは事故で背骨を骨折した後、ジョディの前から姿を消し、レストランの駐車場係をしていた。ゲイルから電話が来て「トムが困っている。あなたは最高のスタントマンだから。シドニーに来て。ジョディ監督の指名だ」と頼む。コルトは了解する。
客の一人が、トムの映画にコルトと一緒に出演したと話す。その客が無傷で車を持って来るように言う。コルトは客の高級車を猛スピードで運転し、店の前でスピンさせて停める。
(オープニングクレジット)
来た早々、コルトの顔をスキャンする。トムの顔に重ねるのだと言う。ダン・タッカーがスタント監督で、コルトは出世を喜ぶ。ダンはコルトに、キャノンロールで車を転がす事を頼む。コルトは「復帰直ぐに失敗したくない」と渋る。
スタッフは、VFXでリアルにできると言うが、ジョディは、実際に撮影すると言う。
コルトが撮影現場の砂浜に来て、砂の状態が悪いので延期すべきだと言う。ダンは『ワイルド・スピード』の台詞でコルトを励ます。
8台のカメラで、1発本番のアクションを撮影する。爆発する砂浜をコルトの車が疾走する。
ジョディはコルトの車の前の撮影車で撮影するが、コルトの車がカメラに衝突して壊す。キャノン砲を発射して、コルトの車は8回半も回転する。ダン達が駆けつけ、ひっくり返った車からコルトを出し、成功を喜ぶ。
そこにジョディが来て、コルトを見て「誰が呼んだの?私は許可していない」と言う。コルトは「君が呼んだと聞いた。監督が似合っている。麦わら帽子も」と話す。ジョディは「別な人を探して」と言うがダンは「代わりはいない」と言う。
次は「火だるま」。異星人との戦闘中に、服に火が点いたコルトが爆風で岩に叩きつけられる。ジョディがカットを掛け、コルトは消火される。ジョディは「台車がぶれた」と言い、撮り直しを命じる。ジョディは映画の台本の説明をし「これはSF恋愛物語。宇宙人の恋人アリアナにスペース・カウボーイが恋する。カウボーイはケガして突然姿を消す」と、自分の話を入れて話す。
テイク2。コルトの服に火が点けられ、爆風で岩に叩きつけられ、消火される。ジョディは台本の続きを話す。「アリアナは傷心し、過去を振り返る。彼は嘘つき?彼女は立ち直った。他の男と数々の経験をした。ノイズが入った。もう1度」と言う。
テイク3。コルトの服に火が点けられ、爆風で岩に叩きつけられる。ジョディは「感情が伝わらないから、何か台詞を。1年も彼女を放っておいてどんな言い訳をする?」と聞く。コルトは「気づいたら取り返しのつかない事になっていた。あれからずっと後悔している。彼女とやり直すチャンスが欲しい」と自分の話をする。
テイク4。コルトの服に火が点けられ、爆風で岩に叩きつけられる。
コルトはゲイリーのトレーラーハウスに行く。ゲイルは「8回半は世界新記録だ。おめでとう」と喜ぶ。コルトが「何で俺を呼んだ」と聞くと、ゲイルは「トムが行方不明になった。彼を探して」と頼む。コルトが「警察を呼べば?」と言うと、ゲイルは「上層部に知れて予算超過がバレたら、撮影が止められる。彼をよく知っているあなたを信頼している。彼女のデビュー作品を、最後の作品にしたい?」と言い、ドアのコードを渡し「この事を隠せるのは48時間が限度。彼女とよりを戻せるかも」と言う。
コルトはダンから撮影用の車を借りて出かける。歌を聞きながらジョディと付き合っていたころを思い出して涙ぐむ。
それを見つけたジョディは「泣いていたの?」と聞き、「あんな危険な目に合わせてごめん。胸がすっきりした」と言い、助手席に乗る。コルトは「謝りたいと何度も思った。言おうとすると、言葉では足りない気がした」と言う。ジョディは「問題ない。プレッシャーが大きい。この映画の苦労が分かる?私たち、プロに徹して距離を取る」と言う。
コルトはトムの家に行き、柱を登って2階のベランダの入口のドアのコードを押して部屋に侵入する。呼びかけるが誰もいない。部屋の壁には沢山の付箋紙が貼ってあった。すると女性が日本刀でコルトを襲ってくる。彼女は『メタルストーム』の主演女優のイギー・スターで、トムの彼女だった。コルトはスタントマンだと名乗る。
イギーは「彼は薬漬けの被害妄想で、僕は殺されると言っていた」と教える。コルトがトムの居場所を聞くと、「馴染みのクラブがある」と教える。コルトは最初に出た映画『マイアミ・バイス』の上着を着ており、「火の輪をボートで通り抜けた。手を後ろで縛られてもできた」と教える。イギーは「聞かれたら、今夜はネオンナイト。豹柄の頭のドゥーンが薬の売人で、トムに変装する」と教える。
コルトはトムの服を着てクラブに行き、ドゥーンにトムの居場所を聞く。コルトは飲み物を飲むと、麻薬入りで具合が悪くなる。コルトはドゥーンの手下を酒瓶で殴る。
ドゥーンは外に出て、タクシーで逃げる。コルトはタクシーの前に飛び出し、跳ねられる。コルトがトムの居場所を聞くと、ドゥーンは「ホテルに薬を届けている。部屋は時々変えているので、ケビンに果物を頼め」と教える。コルトが「麻薬の効果はいつまで続く?」と聞くと、「ユニコーンが消えるまで」と教える。コルトの傍にはユニコーンがいた。
コルトがホテルの受付に行くとケビンは休憩中で、他の従業員に果物を届けてほしいと頼む。ユニコーンが背後にいた。するとジョディが来て「どうしたの?血が出ている」と聞く。コルトは「走っていた」と誤魔化す。ジョディは「なぜ消えたの?傍にいたかったのに」と言う。ゲイルが来て「第3幕を書き直さないと」と、ジョディを連れ出す。ジョディは「会社の要求で今の恋物語を、幸せな結末に変えろと。でも現実は幸せな結末なんて無理」と教える。コルトは「俺は反対だ」と言う。
ケビンが来てコルトに、部屋のカードキーを渡す。コルトがその部屋に行くが、カードキーで開かないので、代えてもらう。そのカードキーでも開かないので、コルトはドアを蹴破って入る。部屋にユニコーンがいた。
コルトに携帯電話で、ジョディが「分割画面はどう?」と聞く。スクリーンも分割画面になり、2人は同じ動作をしながら、ジョディが「同じ画面にいながら、別の世界にいて、明確な境界線がある」と話す。コルトは「2人の間にそんな溝が?脚本をよく読むと、宇宙人とカウボーイは対処可能な問題を抱えている」と話す。ジョディは「会社の要求は、愛は無敵。幸せな結末は無理」。コルト「俺みたいな男に画面分割は難解だ」。ジョディ「意味は難解でも、視覚効果よ。観客は境界線がぼやけるのを切望する」。コルト「彼は彼女が好き。彼女は迷っている」。ジュディ「いい議論だった。画面分割にする」と結論を出す。コルトが「もっといい手が。2人を誰も引き離せない」と話すが、ジュディは電話を切っていた。コルトにはユニコーンが見えていた。
コルトが風呂場を見ると、浴槽に氷漬けの男の死体があった。コルトがゲイルに電話し「部屋に氷漬けの死体があった」と教え、車に戻る。ゲイルは「警察はだめだ」と言う。コルトの車を警官が駐車違反だと取り締まる。コルトは警官と一緒に部屋の浴室に行くが、氷漬けの死体はなかった。
シドニーのオペラハウス前でのロケ現場で、コルトはダンに氷漬け死体の話をするが、ダンは麻薬の幻覚だと信じない。ダンは「彼女を焚きつけたな。80mジャンプする車を準備しろと言われた。しかも明日は、一発撮りで行く」と教える。
コルトはジョディに「トムは来ない。多分酒浸りだ」と言うと、ジョディは「あの後、第3幕をどうするか思いついた。愛する人を求め遥か彼方へ。あなたならできる。カットも仕掛けも無し。あなただけで完成させる。きっと最高の映画になる」と話す。コルトの顔にドットを点け、トムの顔に変えると言う。
撮影が始まる。雨を降らせ、コルトが宇宙人を剣で斬り、銃で撃ち、ワイヤーで飛ばされる。ジュディがコルトに演技を付ける。撮影が終了し、ジュディはコルトをカラオケに誘う。
コルトがトレーラにいると、ゲイルが来て、5時55分の飛行機の切符を渡し「今すぐここを出るように。事態は重要だ」と言う。コルトが「これからカラオケに行く」と言うと、ゲイルは「あなたを呼んだのは間違いだった」と言う。
トムのアシスタントのアルマが「他の仕事を探そうかな。明日もトムが来なかったら、制作は中止」とスタッフに言う。
カラオケ会場ではスタッフが歌い、盛り上がっていた。ジョディはコルトが来ないので、イライラしていた。
コルトが車で待っていると、アルマがトムの犬の散歩に出てくる。コルトは犬のジャン・クロードと仲が良かった。犬の散歩をしながらアルマが「最後に見た時は普通だった。ヘンリーと2人で、裸で騒いでいた。翌朝ゲイルから電話が。トムが携帯を失くしたのを見つけた。ドレスラーって名の怪しげな警護から連絡で、明朝の集合は6時。遅刻するなと」と教える。
カラオケ会場にゲイルが来る。
アルマは「そいつはゲイルに渡せ。ここにはスターのキャリアをぶっ壊す情報が入っている。しかるべき人に渡す。適当な対価の『メタルストーム』のプロデューサーの肩書で」と教える。コルトは「スタントの俺が何を?」と言うと、アルマは「監督の元彼でしょ」と言う。アルマはトムの携帯をコルトに渡し、パスワードは自分で何とかするように言う。
すると、清掃車に乗った男たちがスタンガンでコルトを気絶させ、アルマとトムの携帯を奪っていく。コルトは犬のジャン・クロードを連れ、車で清掃車を追う。
ゲイルはジョディに「彼は来ない。飛行機の切符を渡した」と話す。ジョディは「この映画に彼が必要だ」と言う。ゲイルはジョディに「彼を忘れなさい」と言う。
コルトの車は清掃車に追いつき、体当たりする。清掃車は荷台の蓋を下ろして、コルトの車のフロントガラスが割れる。ジャンに荷台に乗っていた男の玉を攻撃させ、コルトも車から清掃車に飛び移る。コルトは荷台の男と戦い、荷台から落ちそうになるが、蓋の上に載って滑る。
ジョディが歌う番になり、曲を悲しい曲に変えて歌う。
ハーバーブリッジを清掃車が走り、コルトは荷台に飛び移る。運転席ではアルマが運転手と戦っていた。コルトはジャンに、運転手を襲うように命じる。清掃車はカラオケ店の前を通る。横倒しになった荷台の中で、コルトは男と戦う。荷台が外れ、コルトは清掃車の横棒に飛びつく。アルマは運転手を蹴り落とす。コルトが運転席に来て、アルマが急ブレーキを掛ける。コルトはフロントガラスを突き破って道路に転がる。コルトが持っていたトムの携帯は無事だった。
コルトがジャンを連れてカラオケ店に行くと、ダンがいたがジョディは帰っていた。コルトがダンにトムの携帯を見せ「悪い奴が狙っている。携帯の中を見たい」と言うと、ダンは「ベンティの得意分野だ」と教える。ベンティが携帯を見ると「厳重で、パスワードが要る」と教える。コルトは、彼は家のどこかに付箋を貼っていると思う。
コルトとダンはトムの部屋に行く。壁や鏡に沢山の付箋紙が張ってあり、2人でパスワードを探す。ダンが冷蔵庫の扉に貼ってあったパスワードを見つける。コルトが携帯の動画を見ると、例のパーティーでトムがスタントマンのヘンリーとふざけていた。ホテルの浴槽で見た男は彼だった。トムがヘンリーを蹴とばすと、ヘンリーは頭を打って死んでいた。
ベンティからダンに電話が来て、テレビのニュースを見ろと言う。ニュースで「今朝ホテルで発見された遺体は、トム・ライダーのスタントマンのヘンリー・ヘレラと判明した。当局は、ホテルの部屋から出て来たコルト・シーバースを、殺人事件の容疑者として探している」と報じていた。
トムはジョディに連絡するが、ジョディは映画の編集中で、電話に気づかない。ダンは「『逃亡者』ならそろそろ悪人が来る頃だ」と言う。ダンは棚にあった斧を取る。コルトは空砲の銃を取り、ソファーの位置をずらす。
悪人が部屋に入って来て、2人を見て発砲する。2人はスタントの技で戦う。ダンは斧で戦う。コルトは悪人と格闘になり、吹き抜けから落下する。悪人は床に落ち、コルトはずらしたソファーの上に落ちる。コルトが持っていたトムの携帯が撃たれて壊れる。コルトはジャンに悪人の玉を攻撃させる。
悪人はコルトの銃を奪ってその銃で撃つが、空砲なのでコルトは死んだ振りをする。悪人は「コルトを倒した」と電話する。その隙に、コルトはベランダに逃げ、2階のベランダから下の船に飛び降りると、トムがいた。コルトはトムの護衛ドレスラーに殴られて気を失う。
ゲイルが編集室に来て、人払いをする。ゲイルはジョディに、コルトがヘンリー殺しの第一容疑者だと教える。ジョディは「彼は人を殺せない」と反論する。
トムは携帯を寄こせと言う。さらに「俺がお前に仕事を回した。自分の仕事に専念して目立とうとしなければ、ヘンリーの事故もお前のあの転落も、起きなかった」と言う。コルトは「今何て言った。俺の事故のこと」と聞く。トムは「お前が俺を追い詰めた。だから俺がボタンを押した」と、事故でなく故意だったと白状する。コルトは「あれはお前か」と言うと、トムは「お前に教えが必要だった。ヘンリーも同類だ。スタント出来るかと、大勢の前で恥をかかせた。ヘンリーが死んだとゲイルに電話したら、「身を潜めて。あとは私が、と言った。死体が腐らないように氷詰めにしたが、お前に見つかった。お前の顔を殺人映像にはめる。薬を飲ませて海から落とし、自殺と見せかける」と教える。コルトは「自殺はカットしろ」と言う。トムが「携帯を寄こせ」と言う。コルトは「携帯は奴が銃で撃って壊れた」と教える。
トムの護衛達がコルトの服にガソリンをかけ、「助けて」と叫んだコルトの口にも入る。ドレスラーがライターに火を点けると、コルトは口のガソリンを吐き出して点火し、ドレスラーの服が燃える。ひるんだ隙にコルトが、モーターボートに逃げる。後ろ向きになり、縛られた手でモーターボートのハンドルを握って運転する。ドレスラー達も他のモーターボートで追う。
コルトは港の中を逃げ回り、ロープを切ると、ジョディに電話する。コルトは「あの事故、事故じゃなかったが、の後、自分は人間として失格だと思った。俺は君に相応しくない。だから消えた。自分自身からも消えた。とにかく済まない。実はスタントはしんどい。君がいないのが一番つらかった。今も愛している」と告白する。
トムの護衛に見つかって発砲され、コルトは逃げるが、撃たれて船に火が点く。コルトの船は港の中の燃料タンクに突っ込み、爆発する。水面にコルトの上着が浮かぶ。ドレスラーがゲイルに「コルトを片付けた」と電話する。ゲイルがジュディに「コルトが死んだ」と知らせる。
実は、コルトは海に飛び込み、上着を脱いでいた。岸に上がる。
ニュースで「ヘンリー殺しの犯人のコルトは自殺したと思われる」と報じる。コルトがヘンリーを蹴って死なせる動画が流される。
撮影現場にドレスラーが来て、ダンを探す。トレーラーハウスでニュースを繰り返し見ていたジュディの所に、宇宙人の着ぐるみを着た人物がやって来る。ジュディはその人物を投げ飛ばし、足にボールペンを刺し、殴り、首を絞める。その人物が降参し、被り物を取るとコルトだった。
コルトは「トムが犯人だ。はめられた。映像は顔をすり替えた」と言う。コルトが生きていると知っている人は誰もいない。コルトは「俺が死ねば『メタルストーム』にトムが戻ってくる」と言う。ジュディは「今すぐ逃げなさい。映画はどうでもいい」と言うと、コルトは「君が全力で作っている映画だ。カウボーイとアリアナの恋は失敗させない」と言う。
すると、トレーラーハウスにゲイルが来る。コルトは「ゲイルは共犯だ」と教えて、慌てて隠れる。部屋に入ったゲイルが、散らかっているのに驚き、ジュディが誤魔化す。ゲイルは「トムが戻った。第3幕は変更する。コルトがいないと無理。VFXを使う。あの台本は彼にピッタリ。あなたはフィジーで休んで。あとは私に任せて」と言う。ジョディは「これは私の映画。今でもあなたから教わった教訓を守っている。倒れたらまた立ち上がれ。私が監督する」と言って、ゲイルを帰す。
ジュディとコルトは作戦を考える。ジュディは「まず彼をセットに立たせる。マイクを付けて、シーンの中で告白させる」と言う。コルトは「奴にジャンプのスタントをさせ、ボコボコにする」と言う。
トムが戦士達の前で「今我々は強力な敵と対峙している。だが敵は気づいていない。奴らの終焉が迫っている事に。宇宙で一番強い武器は愛だ。愛こそが我らの勝利の鍵だ」と演説し、戦士達は歓声を上げる。
ジュディは「凄く良かった」とトムを褒め、「後は車のジャンプのシーンだ。VFXを使うが、クローズアップが必要」と言う。トムは「聞いてない」と渋るが、説得されて了承する。
ダン率いるスタント班は、爆薬を沢山地面に埋める。ブルースクリーンの前に置いた車にトムがやって来る。ジョディは「追い詰められて渓谷を飛ぶ。表情を撮るので少し歯を食いしばって」と演技指導する。トムに手錠を付け、音響係がマイクを付け、運転席に乗る。
撮影が始まり、2体の宇宙人をトムが撃つ。すると、コルトが助手席に乗り、ハンドルを取り付け、トムにシートベルトを付けるように言う。ブルーシートが外され、車が走り出す。トムの護衛達が車で追いかける。
コルトとトムの車が走ると、周りで次々に爆発が起きる。護衛の車をダンが爆発で横転させる。コルトは無茶な運転を続ける。トムは「降ろしてくれ」と頼む。コルトは「降ろしてほしかったら本当の事を言え」と言う。トムは「俺がヘンリーを殺したのを、ゲイルが隠そうとした」と白状する。コルトは「お前の殺しで、俺をはめた?」と質問し、トムは「そうだ」と答える。2人の会話は音響が録音していた。
車はジャンプ台からジャンプし、反対側の円盤の上に着地する。車は横転する。その様子をジュディが撮影し、感動する。
ゲイルが音響係を銃で脅して、レコーダーを奪う。トムの護衛がジュディを襲い、ジュディは小道具の銃兼剣で戦う。
護衛にスタント班が来て闘う。護衛にワイヤーを付け、バイクで引き回したり、クレーンで吊り上げたりする。
レコーダーのケースを持ったゲイルと、トムはヘリに乗って逃げる。ヘリの周りを地面に埋め込んだ爆薬で爆破するが、ヘリは離陸する。ジュディが運転する撮影用の車のアームにコルトが捕まり、ヘリに近づく。コルトは「刑を免れて時間ができたら、水泳着で浜辺に行こう」と誘い、ジュディは「スパイシー・マルガリータで判断を誤る」と了承する。
コルトは車のアームからヘリのソリに飛びつく。コイルはヘリの中に入り、レコーダーを巡って格闘になる。それを見たダンは、エアマットを準備させる。コルトはトムに蹴られて落ちるが、ヘリのソリに捉まり、さらに反対側のソリに飛び移って反対側からヘリに入り、レコーダーを奪おうとする。ダンが車でエアマットを引いて、ヘリを追う。レコーダーを奪ったコルトはヘリから飛び降り、エアマットの上に落ちる。ジュディはエアマットに上り、コルトにキスする。円盤の周りで爆発が起きる。
『メタルストーム』が上映される。「ジョディ・モレノ監督とユニバーサル・ピクチャーズが贈る、宇宙のラブストーリー。主演はジェイソン・モモア」。モモアが戦士達の前で「今我々は強力な敵と対峙している。だが敵は気づいていない。君達一人一人の中にある燃え盛る炎だ」と演説する。モモアが宇宙人と戦い、車を操縦して渓谷をジャンプする。
映画が終わると、観客が拍手喝采する。ジョディ監督が舞台に登場する。観客にコルトやダンもいた。
「映画は大ヒットした。アリアナとスペース・カウボーイは幸せな結末を迎えた。ジョディと俺は、映画より素晴らしいものを得た」
(タイトル『THE FALL GUY」。エンドクレジット。映画のスタントシーンのメイキング)
ヘリが墜落し、トムとゲイルの所にパトカーが来るが、撮影用の警官だった。トムは「エージェントに電話する」と携帯の電波を探す。トムの周りで爆発が起きる。アルマは「ジェイソン・モモアのエージェントに繋いで」と電話する。
(エンドクレジットの続き)
(写真は「IMDb」「映画com」)