先日『デッドプール&ウルヴァリン』(2024年)を見たら、デッドプールがウルヴァリンの墓を掘り起こし、成長したローラが登場したので、本作『LOGANローガン』(2017年)を見直した。
ローラ役のダフネ・キーンは本作の撮影当時は11歳であるが、アダマンチウムの爪で追っ手と戦う場面は迫力ある。本作は殆ど喋らず無口であるが、『デッドプール&ウルヴァリン』でも殆ど喋らないのは、性格が変わっていないから?『デッドプール&ウルヴァリン』でも、同様の迫力ある戦闘場面を見せる。なお、その時にサングラスをかけるが、それは本作で立ち寄ったコンビニから貰った(盗んだ)物と同じと思われる。ローガンとの思い出の品なので、7年間大事に持っていたのか?
最後にローガンが亡くなり、ローラ達が湖の傍の森の中に遺体を埋めて石を敷いて墓を作った。その墓標は最初、枝を組んだ十字だったが、ローラが横にしてX字にしたのが感動的であった。『デッドプール&ウルヴァリン』で、デッドプールがウルヴァリンの墓を掘り起こすが、湖の傍の森の中なので、本作と同じ場所の様な気がする。そのX字の墓標も朽ちずに残っていたので感動的であった。
このように、本作『LOGANローガン』を見てから『デッドプール&ウルヴァリン』を見ると、より理解が深まるので、お勧めである。なお、以下は2017年6月の公開当時の感想である。
評価 4/5 ☆☆☆☆★
私は『X-MEN』シリーズ、『ウルヴァリン』シリーズ全て見ているので、最後の『ウルヴァリン』シリーズとなる本作品も期待して「ソラリス」で2D吹き替え版を見た。
冒頭、ローガンの老けた顔にショックを受けた。(ヒュー・ジャックマンはウルヴァリンとして『X-MEN』(2000年)に登場してから17年たつが、それほど老けていないので、特殊メイクらしいので安心した)体内のアダマンチウムが体を毒し、不死のはずのローガンの治癒能力が衰え、傷が治りにくくなり、古傷が痛み、足をひきずり、激しくせき込むようになって、もう先は長くないと思わるほどだった。
プロフェッサーXのチャールズ・エグゼビアも年老いて、痴呆症を患っている姿もショックだった。(パトリック・スチュワートは前から禿げているので、それほど老けたとは見えなかった)時々発作を起こして、周辺にいる者たちを強力な思念波に巻き込んで苦痛を与えている。もっとも、殺し屋に襲われたときは、その発作で殺し屋を麻痺させて助かり、役に立っているが。
旅の途中で出会ったマンソン一家に、ローガンはチャールズを父親、ローラを娘と紹介している。もちろん怪しまれないためのウソではあるが、ローガンはチャールズの教え子であり、ローラはローガンの精子の人工受精で生まれた本当の親子でもあり、全くの嘘ではない。研究所で育ったローラは当然家族の愛情を知らなかったが、マンソン家で過ごした1日は、彼ら3人に束の間の家族愛を感じさせて、幸せだったに違いない。最初ローラは口をきかなかったが、ローガンの最期には「パパ、一人は嫌」と叫び、ローガンをマンソン家で過ごした1日は、彼ら3人に束の間の家族の愛を感じさせて、幸せだったに違いない。父と慕うほどになったのに感激した。
さて、ローラ役のダフネ・キーンだが、何ともすごい女優が現れたものだと感心した。まだ11歳だが、美貌を感じさせるし、敵に飛び掛かるアクションシーンは、身体能力のすばらしさに感心した。大女優になる片鱗をうかがわせる。
今回は、腕が切り落とされ、脳髄が吹っ飛び、と残酷な場面が多いが、ローガンやミュータント達がおかれた悲惨な立場を表現している様で、会っていると思う。
最期、ローガンはローラの腕の中で息を引き取る場面は非常に悲しかった。最後、ローラがローガンの墓に建てられた十字架を倒してX字型にして立ち去る場面は、ローガンはX-MENとして死んだことを強調しているようで感動した。ただ、今後ウルヴァリンの姿が見られないと思うと悲しい。評価は「4」。
原題は『LOGAN』で邦題も同じ。前2作の『WOLVERINE』でないのは、ミュータントのウルヴァリンではなく、人間としてのローガンを描いたと思われ、この題名も感心した。