『ハンガー・ゲーム』ネタバレの感想 何と悲惨な生き残りゲームだろう | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

評価 4/5 ☆☆☆☆★

 『ハンガー・ゲーム』(2012年)の前日譚になる『ハンガー・ゲーム0』が2023年12月22日に公開されるので、公開前に見た。

「ハンガー・ゲーム」とは、国家パネムの首都キャピタルに反乱を起こした12の地区を戒めるため、毎年各地区から少年少女が1名ずつ選ばれ、最後の一人になるまで殺し合いを行うゲームである。しかも スノー大統領がセネカに「なぜ我々は勝者を出すと思う?12の地区を威嚇するためなら、適当に24人を選んで処刑した方がよほど早い。希望だ。恐怖を打ち負かす唯一の感情だよ。希望は国家に有用だが、膨らむと危険だ。民衆の火花を封じろ」つまり、勝者が出る事で希望を持たせ、民集の不満を封じ込めていると言うのだ。かなり巧妙に仕組まれたゲームである。

 しかも12歳から18歳の中から抽選で競技者を決めるとは、残酷である。女子の部では12歳になったばかりのプリムが選ばれた。プリムは選ばれた夢を見ただけで泣いていたので、勝ち残る可能性はないだろう。妹を守るために姉のカットニスが立候補したのは偉い。男子の部は、ゲイルが「名前のくじ引きの用紙が42枚入っており、選ばれる可能性が高い」と心配していたので、ゲイルが選ばれるかと思った。

 さて、教育係のヘイミッチは、最初は協力的でなかったが、その後「敵は寒さだ。シェルターは重宝する。コルヌコピアに武器を取りに行くな。最初の激戦に巻き込まれて終わりだ。とにかく逃げろ。水のある有利な場所を探せ」など、実践者らしい貴重な助言をして、カットニスが生き抜くのに役立っている。

 カットニスは助言通り水場のある所に逃げ、戦いを避ける。ところが運営はそれでは盛り上がらないと考え、火の玉でカットニスを他の競技者がいる所へ誘導する。この森は監視カメラだけでなく、火の玉発射装置があり、創造した獣を差し向ける事が出来る。一見自然に見えるが、人工的な競技場らしい。

 ピータは優勝候補のケイトー達と5人組を作り、他の競技者を抹殺する。暫く生き残るには良い手かもしれないが、最後はグループ内で殺し合いをするのだろうから、良い方法には思えない。カットニスもルーシーと協力するが、2人が生き残っていたら最後は殺さないと宣言するのだろうか?

 ところで、各地区から男女1名選出し、ホテルで2人が協力して練習するなら、男女組にして地区対抗戦にすればいいのではと思った。と思ったら、映画の終盤で同じ地区2人が生き残ったら2人とも優勝とするとルールが変更になった。最初からこのルールでも良かったと思う。

 さて、ヘイミッチの助言に「本気で生き残りたかったら、観客に好かれろ。極限の飢えや寒さでは、スポンサーの差し入れが頼りだ」があった。誰が優勝するか賭けが行われているので、自分が推した競技者が勝つように、競技者に武器や食べ物など、どんどん差し入れがあると思った。ところが一番人気のカットニスへの差し入れは、ヘイミッチからの傷薬が2回だけで(1回目は使い切った?)、スポンサーからの差し入れはどうして無いの?

 カットニスとピータが生き残るが、運営はルールを元に戻して2人を戦わせようとする。カットニスは毒の実で2人一緒に自殺しようとする。勝者がいなかったら賭けが成立しないので、運営は自殺を止める。2人は戦わなくても,運営に戦うように仕向けられると思うので、頭が良いと感心した。

 続きそうな雰囲気で終わったが、この『ハンガー・ゲーム』は4作品まで作られているそうだ。次作も期待しよう。評価は「4」である。

 原題は『THE HUNGER GAMES』で「飢餓ゲーム」の意味。「刈り入れの儀式」かと思ったら、題名はそれ以上に悲惨であった。