『テルマエ・ロマエⅡ』日本の風呂文化のローマアレンジが面白い(再掲) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 前作の『テルマエ・ロマエ』(2012年)がとても面白かったので、期待して「ソラリス」で見た。

 前回に引き続き、ルシウスを阿部寛、ケイオニウスを北村一輝、ハドリアヌスを市村正親など、古代ローマ人を顔の濃い日本人が演じているのが可笑しい。また、そのほかにも山越真実役を上戸彩など、前回と同じ俳優なのが良い。

 ルシウスは前作でテルマエ技師としての腕を買われたのか、今回もハドリアヌス帝やケイオニウスに、次々に風呂の依頼をされるのはさすがである。まず、グラディエイターのための湯を依頼される。ルシウスが困った時は、現代日本のちょうどふさわしい入浴施設にタイムスリップする能力が定着したらしく、現代日本のグラディエイター(?)である地方巡業中の力士たちが入浴している銭湯に現れる。銭湯のマッサージチェア、足裏マッサージ器、バスクリンを見て、古代ローマに戻ってから、奴隷によるマッサージ、足裏マッサージ器、薬草入り風呂、を考案するのはさすがである。古代ローマに機械はないので奴隷に代えて、ちょっと違うけど何となく似ているものを作るのが可笑しい。

 次に子供たちのための風呂を考えていると、ちょうど現代日本の温泉リゾート施設にタイムスリップするのも、的を射た選択場所である。さっそく古代ローマに滝のスライダーを再現するのはさすがである。しかし、ポンプの代わりにお湯を上げる奴隷たちが大変で、可哀そうではあるが。

 北方にいるケイオニウスのための風呂を考えているときは、炭焼き小屋の据え風呂の中に現れ、ケイオニウスに木製の風呂を送る。さらに老人から「与作」を歌うと体があったまると聞き、「ヘイヘイホー」まで取り入れるのが可笑しい。

 バイアエに温泉保養施設をつくるように依頼された時は、これもちょうど温泉街が発達した草津温泉に現れる。古代ローマでも、熱い湯をさます「湯畑」や「湯もみ」を再現する。モグラ叩きはやはり奴隷で再現し、ラーメン屋まで作るのは凄い。ルシウスは、ストリップ劇場は体験していないはずなのに、バイアエに作られているのは、どの世界も変わらないと言う事か。ルシウスが上戸彩や美女たちと混浴できるのも、楽しそうでうらやましい。松島トモ子が熊と一緒に混浴する場面は、松島トモ子がケニアでライオンとヒョウに相次いで噛まれたエピソードを基にしているらしく、笑ってしまった。

 本シリーズのオリジナルキャラクターの山越真実は、前作ではルシウスの恋人役のために作られたキャラクターかと思った。本作では、ルシウスとの体験を基に『テルマエ・ロマエ』という漫画を描いている。つまり、原作者のヤマザキマリに当たると分かって感心した。さらにこれを原作とした映画撮影風景が写り、まるで実話のように錯覚させるのも面白い。

 前作の焼き直し的な感じがする場面があるが、前作同様に面白く、笑って見られる。日本の風呂文化は最高であると再認識し、楽しかったので、評価は前作同様の「4」である。