『劇場版 ラジエーションハウス』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:鈴木雅之 2022年

主な登場人物(俳優)役柄

【ラジエーションハウス関係】

五十嵐唯織(窪田正孝)放射線科医師の免許を持つ放射線技師。杏の事が大好き。

甘春杏(本田翼)放射線科医。五十嵐の幼馴染。

広瀬裕乃(広瀬アリス)新人診療放射線科技師。五十嵐を密かに思っている。

軒下五郎(浜野謙太)中堅診療放射線科技師。MRが得意。

威能圭(丸山智己)中堅診療放射線科技師。Ai(死亡時の画像診断)が得意。ナルシスト。

悠木倫(矢野聖人)放射線技師。ややコミュ障気味。機器に詳しい。

黒羽たまき(山口紗弥加)中堅診療放射線科技師。仕事に完璧を求める。

田中福男(八嶋智人)転職組の新人放射線技師。

小野寺俊夫(遠藤憲一)大ベテランの診療放射線技師長。

【放射線科以外の甘春病院関係】

灰島将人(髙嶋政宏)甘春総合病院の現医院長。拝金主義者。

大森渚(和久井映見)甘春総合病院の前医院長。循環器内科長。

鏑木安富(浅野和之)甘春総合病院の副医院長。地位と名声が大事。

辻村駿太郎(鈴木伸之)中堅整形外科医。杏の事が好き。

南里美(浅見姫香)甘春総合病院の看護師。

【甘春病院の患者】

高橋圭介(山崎育三郎)夏希の夫。夫婦で交通事故に巻き込まれる。黒羽の後輩。

高橋夏希(若月佑美)圭介の妻。妊娠中。

塚田和也(渋谷謙人)交通事故の加害者。

【離島関係者】

甘春正一(佐戸井けん太)元甘春病院の医院長。杏の父親。離島の診療所の医師。

甘春弘美(原日出子)正一の妻で杏の母。

野山房子(キムラ緑子)正一の患者。

【その他】

及川貴史(高橋克実)放射線技師会の会長。小野寺敏夫の同期。

 

 「ここに1枚の壁がある。人類は壁を作っては壊し、これを繰り返してきた。そしてまた、ここに1枚の壁がある。追いかけていた壁は、時として、越えられない壁になる」。絵画の花畑の中の道を歩く五十嵐唯織を追いかける甘春杏の間に、高い壁ができる。「災害現場にも壁がある。72時間の壁」。

 放射線技師会の会長の及川貴史が「災害現場に72時間の壁がある。放射線技師にも…」と講演する。小野寺俊夫は黒羽たまきに、及川は小野寺の同期だと教える。及川は広瀬裕乃に指名し「トリアージとは何か?」と質問するが、広瀬は答えられない。及川は「指導者の顔が見たい」と言う。

 五十嵐はタブレットで残り時間を見て「あと少し」と呟いて倒れる。

 甘春杏は3日後に、ワシントン医大へ研修に出かけることになり、辻村駿太郎医師が激励する。杏は母から「父が危篤。離島に来て」とメールが来ている事に気付く。

 講演会では、小野寺が意識のない重傷患者、黒羽が重傷だが意識がある患者の想定で、どちらを先に治療するか、及川が観客に質問する。指名された広瀬は悩む。及川は助からない小野寺より、黒羽の治療を優先すべきだと教える。遅れて来た五十嵐が及川に、二人が発見された場所と気温を聞き、状況によっては小野寺が助かるかもしれないと答える。及川は遅刻してきた五十嵐を追い出す。

 テレビのニュースで、台風8号が関東に接近すると予報していた。病院では、鏑木医師のライブ配信が明日に迫り、鏑木は「1つのミスも許されない。これで有名になって日本一の名医だと広める」と張り切る。

 杏は辻村のバイクの後ろに乗って出かける。それを見た放射線技師たちは「最後のお泊り旅行じゃないか」と噂する。

 黒羽の後輩の高橋圭介が、妊娠中の妻の夏希の検査で、甘春病院に車で向かっていた。夏希は「初デートも、プロポーズも、妊娠が分かったのも、良い事は全部雨の日。この子も雨の日に生まれる」と言う。対向車線の車が蛇行し、圭介が運転する車と正面衝突する。圭介の車がひっくり返る。

 (タイトル『劇場版ラジエーションハウス』)

 五十嵐は「杏とのお別れまで、72時間を切った」と、時間を気にする。広瀬が五十嵐に何も言えないのを見た威能は「同僚の壁を越えられない」と呟く。

 患者のなるみ海斗6歳が、刃が引っ込むオモチャのナイフで、広瀬が演じる怪獣ヒロノリアスを刺す。五十嵐が海斗を車椅子に乗せて、CT検査室に連れて行き、検査を受けさせる。

 杏はフェリー乗り場に付く。

 杏の代わりに大森医師が海斗の画像を見て、肺動脈瘤と診断し、広瀬に小児カテーテル手術のサポートを依頼する。広瀬は「やった事が無い」とためらうが、小野寺は「誰でも初めての壁がある」と励ます。五十嵐も、サポートに付くと励ます。軒下が「失敗すれば患者は死に、お前は訴訟を受ける」と脅かす

 交通事故の急患が来る。加害者塚田和也は酒臭かった。圭介は「俺は良いから、妻と子供を頼む」と言うが、塚田の治療を先に行う。五十嵐は夏希のエコーを見て、胎児に影響はないが、現場で5~10分の心停止があり、脳にかなり悪影響があると話す。塚田が、なぜ加害者の塚田が優先なのか、文句を言うが、五十嵐は「感情で選別してはいけない。目の前の命と向き合うだけだ」と話す。

 圭介は入院する。夏希はMRI検査を受ける。五十嵐が画像を見ると、夏希は後縦靱帯とC2頸椎損傷で、いつ容態が急変してもおかしくない状態だった。赤ちゃんを助けるためには緊急帝王切開をしなければならないが、夫の承諾が必要だった。

 杏がフェリーで美澄島に着く。診療所に行くと、野山房子と母の弘美が杏を迎える。ベッドで父の正一は「病気ではなく、人を見る医者になりなさい。杏ならできる、世界一の医者に」の言葉を残して亡くなる。島の住民も窓から正一を看取る。弘美は正一から頼まれたと言って、カルテを杏に渡す。

 五十嵐は「赤ちゃんを取り出したい」と言うが、圭介は「医者なら妻を助けろ」と言って、断る。広瀬は五十嵐に「大切な人が助けらえないと知ったらどうする?」と質問する。五十嵐は「好きな人は、誰でもどうなるかは運命」と答える。広瀬は「二度と会えないのは大きな壁」と呟く。

 黒羽が圭介に、夏希の帝王切開の承諾書にサインするように説得するが、圭介は「妻はまだ生きている。助からないと決めつけるな。見損なった」と怒る。

 フェリーで帰ろうとした杏に、野山が正一の大好物を持って来るが、その場に倒れる。杏はもう少し島に残る事にする。

 台風8号が、島に接近していた。

 黒羽が五十嵐に、圭介は現実を受け入れられないと伝え、「説得できるのは妻だけ」と諦める。

 島民が診療所に野山を運び、杏が検査するが、胸の痛みは直ぐに治まり、異常はなかった。野山はお礼に杏を家に招き、料理をご馳走する。杏が美味しいと言うと、野山は、美味しい井戸水を使っているからだと教える。すると、台風の影響で急に風が強くなり、強い雨が降る。

 甘春病院のロビーで加害者の塚田が電話で「金はいくらでも出すから、良い弁護士を付けて下さい」と話す。それを見た圭介が塚田に行こうとするが、小野寺が引き留める。

 杏の出発まで、59時間。杏は診療所で野山のカルテを見る。

 島では崖崩れが起きる。ニュースでは、台風8号は伊豆諸島に接近したまま速度を落とした、と報じる。

 病室に圭介がいなかった。ラジエーションハウスでは鏑木のライブ配信まで1時間になり、鏑木は「何が何でも中継するように」と悠木に指示する。

 急患が来て、IVR(Interventional Radiology、画像下治療)が必要になるが、杏がいないため、出来るのは鏑木医師しかいなかった。放射線技師たちが手術をお願いするが、鏑木は配信ができなくなると渋る。田中と軒下が「先生のゴッドハンドを使うときです」とおだて、鏑木は「患者は私が救う」と了解する。

 鏑木がCT室に入ると、ナイフを持った男が鏑木を捕まえて脅す。立てこもり事件がライブ配信される。それを見た及川が、警察に連絡するように言う。悠木は「鏑木先生に、何があっても配信するように言われた」と弁解して、配信を止める。

 立てこもり事件を聞いた灰島医院長は、警察に連絡しないように指示する。ライブ配信を見て通報を受けた警察が甘春病院に来る。テレビでも、甘春病院で立てこもり事件発生、と配信映像を使って報じていた。

 五十嵐は夏希の脳の画像を見ながら、何か考える。

 マイクで犯人に向かって黒羽が「殺せるなら、殺してみろ」とけしかけ、田中が代わって「今のは嘘です」と訂正する。灰島医院長は「お前の要求は何だ?冷静に話し合いましょう」と尋ねる。立てこもり犯は圭介で「妻を助けてくれ。俺は後で良いと言ったのに、妻よりなぜ加害者を助ける。夏希が助かるまで、ここを動かない」と言う。

 五十嵐は「赤ちゃんは元気だが、このままだと危険だ。力を貸して」と夏希に呼び掛ける。看護師の南里美が五十嵐を呼びに来る。

 黒羽が圭介に「病院には圭介だけがいるのではない。沢山の人が病院を頼っている。病院の機能が失われたら、何百人の命が失われる。安心できる日常にして」と頼む。圭介は「妻が死んだら何にもならない」と言い返す。

 五十嵐がマイクを替わり「提案がある。夏希本人に話してみませんか。判断、記憶、心の脳の部分が機能している。圭介の気持ちを伝える事が出来る」と言う。

 島では風雨が酷くなり、避難が呼びかけられる。避難しようとした野山が胸の苦しみを訴え、診療所に運び込まれる。

 圭介と解放された鏑木がCT室から出てくる。田中は、警察が直ぐにやって来ると教える。警察がCT室の前に来ると、小野寺がオモチャのナイフで鏑木を襲う寸劇をしていた。放射線技師たちは警官に、病院ではよくあるリラックスする方法です、と言う。警官は小野寺を連行する。鏑木は急患の手術を始める。

 警察から解放された小野寺がロビーに行くと、塚田が面会者に「弁護士を呼んで下さい。酒は少ししか飲んでいません」と言っているのを見る。

五十嵐は夏希の頭に、脳の血流を調べる装置を被せる。五十嵐は圭介に「聴覚は最後まで残っています。思いを伝えて下さい。マイクで話しかけて言葉が届いたら、この部分が黄色く光ります。短い言葉で何度も話しかけて下さい」と教える。圭介は夏希に「どうすればいい。俺には決められない。頼むから教えてくれ」と話しかける。

 テレビのニュースで、台風8号が接近中だと報じる。それを聞いた圭介は「夏希、聞こえているか。今夜は雨だぞ。今夜は雨だぞ。雨だぞ」と何度も呼び掛ける。圭介は夏希との雨の日のデート、雨の日のプロポーズ、雨の日に妊娠が分かった事を思い出す。

すると、脳の画像の一部が黄色く光る。五十嵐は「反応している。声が届いている」と驚く。圭介は「雨の日にお腹の子が生まれてくると夏希が言った。俺達の子を助けて下さい」と頼む。灰島医院長は、帝王切開手術をすぐ開始する言うに指示する。五十嵐は圭介に「残された私達には、生きる義務がある。大切な人を忘れず、共に生きて行く義務がある」と話す。

 少し離れた所でこれまでの様子を小野寺が塚田に見せ、「これがお前のした事だ」と教える。

 夏希は緊急帝王切開手術を受ける。赤ん坊を取り上げた看護師が、意識のない夏希に「お母さん、頑張ったね」と話しかける。赤ん坊を見た圭介は、夏希に「頑張ったな。いい子だった」と話しかける。

 ラジエーションハウスでは、今夜、海斗のカテーテル治療を行うと大森医師に言われた広瀬が、必死で勉強していた。

 ニュースで、台風8号により伊豆諸島では土砂災害が発生していると報じていた。それを見た辻村医師が「甘春、大丈夫かな」と呟く。放射線技師たちは、杏が父の離島に行っている事を知る。

 杏が野山の胸部レントゲン写真を撮ろうとすると、診療所の装置は旧型だった。杏は五十嵐に電話して「レントゲンが旧型で、画像がさっぱり分からない」と話す。それを聞いた五十嵐と放射線技師たちは、「我々がいれば大丈夫。患者を椅子に座らせる。患者をX線管球から1m離す。パネルを背中に当て密着させる。曝射時間は。電圧は」と的確に指示する。

 そうやって撮影したレントゲン画像を杏が見ても、特に異常が見つからなかった。杏はカルテを見直して、コレステロール値が高い事に気付く。

 広瀬の手術の時間になる。五十嵐がサポートに付くと言うが、広瀬は「五十嵐に甘春先生から連絡が来るかもしれない」と断り「海斗の事は私に任せて」と言う。軒下が「失敗すれば患者は死に、お前は訴訟を受ける」と脅かすが、広瀬は「望む所よ」と受け流す。

 杏は五十嵐に電話で「野山のコレステロール値が高い。父と兄も。心疾患の可能性があるが、ここにはCTが無い」と話す。五十嵐は、アキレス腱を見たいので、踵のレントゲン写真を撮るように指示する。踵のレントゲン写真を見た杏は、アキレス腱肥厚を発見し、家族性高コレステロール血症による動脈硬化の診断を下す。

 海斗の原発性アルドステロン症のAVS(副腎静脈サンプリング)が始まる。大森医師は広瀬にカテーテルの準備を指示するが、広瀬がすでに用意していた。海斗の手術は成功する。大森医師は「完璧なサポートでした」と広瀬を誉める。

 次の日、台風が去って晴れる。杏は野山に「胸の痛みは、心臓の冠動脈にコレステロールが溜まっているからで、薬で治療できる。うすうす気づいていたのでは。おそらく父と兄も同じ病気だった」と教える。野山は「安心した。一人で島を離れて治療するのが嫌だった」と白状する。

 そこに、高熱と右わき腹の腹痛を訴える患者が、次々に診療所に運ばれてくる。虫垂炎と同じ症状だが、こんなに一度になるはずがない。

 大森医師が会議で「美澄島で原因不明の感染症が発生し、罹患者は20名以上。当医院の医師を派遣して欲しいと要請が来ている」と話す。灰島医院長は「派遣した医師が未知の感染症に感染した場合、病院の患者も風評にさらされ、病院に来る患者の数が減る。だから派遣しない」と断る。

 診療所が患者でいっぱいになり、学校の体育館に患者を収容する。体育館もいっぱいになる。

 五十嵐が灰島医院長に「美澄島に行かせてください」と頼むと、灰島医院長は「行くなら、病院を辞めてから」と言う。五十嵐は病院の身分証を置いて行く。五十嵐は倉庫に行き、必要な装備や薬品を準備する。

 五十嵐が港に行き、漁師に船を出すように頼んでいると、ラジエーションハウスの広瀬、軒下、威能、悠木、田中、黒羽も医薬品を持って来る。

 小野寺は、放射線医師会に行く。

 美澄島では、杏が他の島の病院に医師の派遣を頼むが、どの病院も台風による土砂崩れの患者が多数出たと言う理由で、断られる。そこにラジエーションハウスの7人が、漁船で島に来る。五十嵐は杏に「大丈夫です。僕らが付いています」と励ます。彼らは感染症予防のために、防護服を着る。

 灰島医院長がラジエーションハウスに来て小野寺技師長に、放射線技師が誰もいなくなって、病院の業務をどうする気だと責める。そこに及川率いる放射線技師たちがやって来る。及川は小野寺に必死で頼まれて、やって来たのだった。

 防護服を着た杏と放射線技師たちは、体育館の外のテントで診察を始める。杏は広瀬に、診療所にいる野山の水分補給を頼む。広瀬は井戸水をタンクに汲んで持って行き、野山に飲ませる。野山は「いつもと味が違う」と言う。

 杏が診察すると、患者は腸に炎症があり、虫垂炎に近い症状の未知の感染症だった。五十嵐が患者の腹部のエコーを撮ると、白い壁のような物が見えた。

 田中と軒下は防護服を取り、井戸水を飲もうとする。すると、広瀬の話を聞いた杏が五十嵐に話し、五十嵐が「汚染物質が井戸水に入っているかも知れない」と言って、田中と軒下が水を飲もうとしたのを止める。杏は「汚染物質は条件で絞れるかもしれない」といい、五十嵐にエコーの結果を聞く。五十嵐は、腹部に白い壁のような物があった事を伝える。杏はカンピロバクター腸炎だと診断し、崖崩れで井戸水に汚染物質が混入したのだろうと推理する。

 この病気は感染しない事が分かり、皆は防護服を脱ぐが、悠木だけは脱がなかった。

 杏は体育館の患者に、井戸水を飲まないように指示する。田中は島の防災放送で、島民に井戸水を飲まないように放送する。そう言っても、医薬品の中に飲料水は無かった。

 五十嵐は灰島医院長に、医師を派遣するように頼む。灰島は「うちの医師なら、もう向かっている」と教える。フェリーで辻村医師を始め、沢山の医師が医薬品を持ってやって来る。辻村は「病気を見つけるのが技師の仕事なら、病気を治すのは医師の仕事ですから」と言う。

 「ここに1枚の壁がある。人間は壁を作っては壊す、を繰り返してきた。災害時にも72時間の壁がある」

 船で自衛隊が島に派遣され、ヘリコプターで体育館脇のグラウンドに資材が届く。

 杏は「カンピロバクター腸炎の潜伏期間が長いので、患者がまだいるかもしれない」と言う。五十嵐は「皆で全島民を調べよう」と言う。放射線技師たちは2人組になって、島民に気分が悪い人が居ないか尋ねて回る。328人全島民の調査が終わり、全員異常なしだった。

 野山は杏に「いつでも駈け込める病院があるのは安心だ。あんたは私らにとって、世界一のお医者さんだ」と話す。

 夜、皆は疲れて診療所で寝る。

 ラジエーションハウスに小野寺が一人でいると、鏑木がやって来て「本当はあんたが真っ先に行きたかったのでは」と聞く。小野寺は「バカな連中ばっかりだ」と言う。

 テレビで、甘春病院の医師が美澄島の患者を救ったと報じる。それを見た海斗が感心するが、大森医師は「その陰には、全島民を検査した技師がいる」と教える。

 皆が帰りのフェリーに向かう時、広瀬が五十嵐に「私、五十嵐さんが好きです。私だって壁を越えられた。五十嵐さんと甘春先生なら離れていても平気だと思う」と2人を応援する。

 五十嵐はどもりながら杏に「甘春先生。どうしても伝えたい事があります」と言うと、杏は「今まで唯織の背中ばかり見ていた。この島に来て思った。病気ではなく、人を見る医者になりたい。しばらくこの島に残る」と話す。五十嵐は「それでこそ、ずっと憧れていた杏ちゃんです。甘春先生が戻って来るまで、ラジエーションハウスと甘春病院を守りたいと思います」と話す。杏は五十嵐に駆け寄り、キスする。

(エンドクレジット)

(写真は「映画com」より)