監督:三池崇史 2021年
主な登場人物(俳優)役柄
【警察関係者】
菊川玲二(生田斗真)潜入捜査官。通称モグラ。
若木純奈(仲里依紗)谷袋警察署交通課の婦警。玲二の恋人。
酒見路夫(吹越満)谷袋警察署署長。玲二に潜入捜査官の任を命じた。
赤桐一美(遠藤憲一)谷袋警察署資料整理室整理係所属の警察官。潜入捜査官養成係。
福澄独歩(皆川猿時)厚生労働省関東信越厚生局の麻薬取締部課長。
沙門夕磨:さもん ゆま(滝沢カレン)警視庁組織犯罪対策部長。酒見路夫の娘。通称サーモン。
【ヤクザ関係】
轟周宝(岩城滉一)数寄矢会四代目会長。玲二の最終ターゲット。
轟烈雄:とどろき れお(鈴木亮平)轟周宝の息子。数寄矢会五代目会長。
日浦匡也(堤真一)日浦組組長。玲二と義兄弟の契りを交わした。通称クレイジーパピヨン。
猫沢一誠(岡村隆史)蜂乃巣会下部組織の血引一家の元若頭補佐。
【ギロチーナ・ファミリー】
ドン・ラッザ(パンツェッタ・ジローラモ)ギロチーナ・ファミリーのボス。
コリーダ(チャールズ・グラバー)ドン・ラッザの手下。
通訳(ペッペ)ドン・ラッザの手下。
【チャイニーズマフィア】
胡蜂:フーフォン(菜々緒)仙骨竜のヒットマン。
【その他】
ロザリア(ダニエラ・アイコ)イタリアのパン屋で働く娘。
留衣(八木アリサ)純奈の高校時代の友達。
菊川玲二が目を覚ますと、全裸でイタリアのシチリア島の海岸の崖に磔にされ、男根はチーズ入りの瓶が被せられていた。チーズにカモメが群がり、玲二の乳首を噛む。その様子を、遠くからイタリア・マフィアのギロチーナ・ファミリーのボス、ドン・ラッザが双眼鏡で観察していた。
男根が下がって瓶が抜け落ちそうになるので、玲二は助平な事を考えて男根を勃起させる。純奈が裸エプロンで「お帰りなさい。ご飯にする?お風呂にする?それとも純奈にする?」の妄想をする。それだけではだめで『土竜の唄』を歌うが、ジャスティストリオを思い出し、逆に男根が萎える。
その時、人魚の扮装をした女性ロザリアが崖から海に飛び込み、人魚の扮装を脱いで全裸になると、玲二に「玲二早く来て。あなたの竿で吊り上げて」と呼びかける。すると、玲二の男根が肥大して瓶が割れる。むき出しになった、チーズが付いた玲二の男根にカモメが殺到する。玲二は気を失う。それを見たドン・ラッザは気に入る。
日本の銭湯で玲二は、酒見路夫・谷袋警察署署長、赤桐一美・谷袋警察署潜入捜査官養成担当、福澄独歩・厚生労働省麻薬取締部課長のジャスティストリオに報告する。3人は玲二の、カモメと戦った勲章である男根の傷を眺めながら、報告を聞く。
「(第1作、第2作のあらすじ。)谷袋警察署の成績最下位の玲二は、表向きは警察を首になり、日本では違法の潜入捜査官として数寄矢会にもぐり込み、麻薬売買の証拠を掴んで、ボスの轟周宝の逮捕を目指す。玲二は日浦組組長の日浦匡也と兄弟の盃を交わし、周宝のボディガードになり、ついに周宝に手が届く所までヤクザ界で出世した。日浦は香港の人身売買会場で、鼯鼠一家組長・桜罵百治と戦う。玲二は仙骨竜のヒットマン・胡蜂と戦う。玲二は虎に噛みつかれ、国際指名手配犯になる。」
玲二は周宝のボディガードで、イタリアに来ていた。数寄矢会のヤクザたちと、ギロチーナ・ファミリーとのにらみ合いが続く。玲二はいつまでも取引が始まらないのにいら立ち、服を脱いで「ばっちこーい!」と叫ぶ。冒頭場面に戻り、マフィアのドン・ラッザが玲二を気に入る。
ドン・ラッザがパスタを周宝に見せる。玲二が味見すると、通訳が覚醒剤入りのパスタだと教える。これを食品として密輸して、税関の目を盗む作戦である。玲二は指輪に仕掛けた小型カメラで、この様子を取る。
その映像を銭湯の湯船で、酒見、赤桐、福澄が見る。輸入後、パスタを覚醒剤に戻すとその量は2トン、末端価格1,200億円である。
ところが輸出数時間前に、覚醒剤入りパスタ製造工場が爆破される。覚醒剤入りパスタはすでに工場から運び出されており、3日後に横浜港に着く。その量は10トン、6,000億円にもなる。その現場の指揮を玲二が任されていた。3人は、玲二が現場指揮なら、覚醒剤密輸の証拠を間違いなく掴めると喜ぶ。
酒見が「轟に手錠を掛けられるのは、お前しかいない」と激励すると、玲二は「ファイナルだからね。続編とかは無しだからね」と確認する。酒見は「轟に手錠を掛ける勇気はあるか?掛けた瞬間、土竜とバレる」。赤桐も「日浦との絆を引き千切って、日本を救え」と激励する。3人で『土竜の唄』の3番を披露するが、ラップだった。
玲二に電話が来て、クーデターと告げる。玲二が急いで日浦組に戻ると、日浦組から独立しようとした組員が全裸にされ、口々に「玲二が面倒を看ると言っていた」と言う。玲二は「陰謀だ」と言うが、日浦が「監督不行き届きだ」と、玲二も全裸にして一緒に並ばせる。日浦はボウリングのボールに火をつけて、全裸の玲二達に目がけて転がす。ボールはジャンプして、後ろの穴に入る。「ハッピー・バースデイ!頭」のお祝いと共に、花火が打ち上がる。日浦からの玲二の誕生日のサプライズだった。玲二は感激する。皆で乾杯する。
日浦組の建物の屋上で日浦が玲二に、周宝と何をしにイタリアに行っていたか尋ねる。玲二は、観光と誤魔化す。日浦は「SNSで「#違法薬物」で検索すると、周宝の息子・烈雄がヒットする。彼はイタリアの一流レストランで修行していたが、覚醒剤入りパスタを作っていた。イタリアのシチリア島に世界最大の覚醒剤工場を発見し、空からダイナマイトを落として破壊した。ちょうどその頃、お前と周宝と烈雄がイタリアにいた。何か隠していないか」と話す。
さらに日野は「近々、烈雄が帰国する。覚醒剤取引が行われるはず。取引を潰して、俺が周宝に印導を渡す(殺す)。覚醒剤に手を染める極道は外道だ。俺は新しい数寄矢会を作る」と言う。
〔取引2日前〕周宝が屋敷の庭で、鎧を着た人間を銃の的にしていると、部下が「マフィアは代金を現金でなく、ダイヤモンドで払うように求めて来た」と報告する。周宝は、今度は矢を射る。
ヘリコプターが庭に着陸し、烈雄が降りて来る。周宝が矢を射ると、烈雄の尻に刺さり、2人は抱き合う。烈雄が、覚醒剤密輸の現場の指揮を執ると言う。周宝は「烈雄に大きい取引をさせて、後を継がせる。俺は引退だ」と言う。
烈雄が覚醒剤入りパスタを湯で、化学物質Aを入れると、青色に染まる。さらに化学物質Bを入れて、蒸留して純度を高め、水分を飛ばすと覚醒剤が出来上がる。1㎏のパスタから、640gの覚醒剤を取り出せる。
玲二は小型カメラ付き指輪を持ってこなかったので、ズボンのポケットに入れたスマホをブラインドタッチして、音声を録音しようとするが、間違ってエロ動画を再生する。烈雄が怪しい行動をする玲二に銃を突きつける。周宝は「俺と迦蓮の命の恩人だ」と言って、止めさせる。烈雄は「今度足を引っ張ったら殺すぞ」と脅す。
浴衣姿の玲二は、縁日で変装した酒見、赤桐、福澄に会い、取引現場の指揮は烈雄が取ることになり、周宝が確認に来る。自分は運搬トラックの助手席だ。2日後に船が横浜港に着くと教える。待ち合わせした純奈がやって来る。
純奈のアパートで、玲二の誕生会をする。玲二は「イタリアから帰ったら純奈にプロポーズすると約束していたが、2日後に大事な仕事があり、全てが終わってからプロポーズする」と伝える。純奈は「それは正義のため?」と聞くと、玲二は「純奈のため」と答える。玲二は純奈にキスしようとするが、純奈は鍋が湧いたので止める。
鍋を食べながら純奈が「イタリア旅行中はパスタばっかりで飽きない?」と尋ねると「パスタに飽きた時は、ロザリアが焼いたパンが美味しかった」と答える。ロザリアとはだれか純奈が問い詰め、玲二はロザリアと2回キスしたと自白する。純奈は玲二の乳首の怪我もロザリアがしたのか、問い詰める。純奈が玲二のスマホを確認すると、玲二とロザリアのデートの写真がいっぱいあった。純奈は玲二のスマホを鍋の中に投げ入れ、準備していた婚姻届けも破って鍋の中に投げ入れ、熱い鍋の汁を玲二に掛ける。純奈は「私の中の菊川玲二は死にました。私に近づかないでください」と怒る。
玲二は鍋からスマホを取り出して、洗って乾かし、外に出ると、犬が玲二の浴衣に小便をする。飼い主の女性が「私の部屋が近くにあるので、着物を洗って乾かします」と誘う。玲二は「このノーブラでミニスカートからパンツが見えそうな美女は、ハニートラップに違いない」と思うが、つい誘いに乗る。玲二はスタンガンで電撃を食らい、気絶する。
玲二は気が付くと、倉庫の中で目隠しされて、椅子に縛られていた。美女が「あなたは何者?」と問うと、玲二は「数寄矢会頭」と答える。美女が「土竜でしょう?」と問う。美女が玲二の足にまたがり、玲二にキスを迫る。玲二が唇を出すと、キスしたのは福澄だった。さらに美女が誘惑して問うが、玲二は土竜を否定する。美女は「合格よ」と言う。
玲二が目隠しを取ると、美女の他に酒見、赤桐、福澄と沢山の警察官がいた。3人は、これは土竜だと玲二が口を割らないかどうかの試験だと教える。酒見は、美女を警視庁組織犯罪対策部長の沙門夕磨(通称サーモン)で、自分の娘だと紹介する。赤桐は、横浜港は警視庁の管轄外なので、横浜県警の200人の警察官と共同作戦を行い、沙門が指揮を執ると説明する。
烈雄が日浦の所に来る。日浦は烈雄が少年の頃、アマゾンに蝶採集に行った事を思い出す。烈雄が毒を持つ亜種の蝶を見つけたので、放すように言った。
烈雄は日浦に「俺が数寄矢組の5代目を継いだら、日浦組は解散してくれ」と言う。日浦は「俺が数寄矢会の5代目を継ぐ」と反発する。烈雄はグローバル・ネットワークで麻薬売買を行うと言う。日浦は「薬だけは許せない」と怒る。烈雄は「古いヤクザは進化の過程で絶滅する」と反論する。
沙門は玲二に、覚醒剤の検査薬Aと照明弾を渡し、検査薬で覚醒剤の反応が出たら照明弾を打ち上げると、その合図で警察が一斉に動くと教える。さらに沙門は玲二に金の手錠を渡し「このミッションを遂行できたら、国際指名手配を取り消し、普通のお巡りさんに戻す」と約束する。
〔取引前日〕覚醒剤の運搬等トラックの運転手は、日浦の足を失わせた猫沢一誠だった。烈雄が玲二と猫沢に首輪を付ける。首輪にはGPSと、どちらかの首輪に爆弾が仕掛けられ、2人がどこにいるかスマホで監視し、2人が離れると爆弾を爆発させると言う。無理に取っても爆発すると教え、物を運んだら外すと言う。
その様子を遠くから監視していた赤桐が「やばいじゃないか」と言い、人形劇で玲二と猫沢の動きを説明する。
〔取引当日〕1つのベッドに寝ていた玲二と猫沢が、目覚ましで起きる。
横浜港では警察官が配置につき、タワーから沙門と酒見が双眼鏡で監視する。赤桐は「気抜くな。轟上げるぞ」と警察官に気合を入れる。
トラックが横浜港にやって来る。烈雄は、玲二と猫沢の首輪の爆弾を一旦解除する。ビアンカラスマス号が入港し、ギロチーナ・ファミリーがやって来る。周宝の姿はなく、玲二は逮捕できないと焦る。烈雄は「親父は来ない」と言う。マフィアのボスは「よろしく5代目」と言い、倉庫の中の大型コンテナを烈雄達に見せる。烈雄はコンテナを開け、中のパスタを出して化学薬品Aで検査すると、覚せい剤の反応が出る。烈雄は倉庫の外に出て、反応が出た試験管を高々と上げる。どこからか見ていた周宝がそれを確認して、烈雄がドン・ラッザに代金のダイヤモンドを渡して、取引が終了する。
周宝が現れないと逮捕できないので玲二は焦り、烈雄に「便所に行く」と断って倉庫を離れ、周宝の居場所を探すが見つからない。そこに友達と一緒の純奈が通りかかる。純奈は玲二に「友達と豪華客船コスタフィレンツェ号で傷心旅行に行く」と告げる。最上階のスイートルームは3000万円だが、純奈逹は20万円の2等船室だそうだ。純奈は玲二に「お前の記憶を捨ててくる」と告げる。玲二は「お前の幸せを祈っている」と応援して、のりで照明弾を出して打ち上げる。
玲二を監視していた沙門は、パラシュートに下げた照明弾の行方を追うと、豪華客船の最上階のスイートルームに周宝の姿を見つける。沙門は「動かぬ証拠がそろったら、周宝を逮捕できる」と意気込む。
覚醒剤入りパスタを積んだトラックは、税関に来る。X線調査で異常がなく、福澄は荷台を開けさせてパスタを1袋出し、麻薬捜査犬に臭いをかがせるが、反応しない。福澄は苦々しい思いで、トラックを送り出す。
玲二は途中でトラックを止め、パスタを食べてみるが、覚醒剤は入っていなかった。玲二は猫沢に頭突きして気を失わせ、検査薬で調べても反応がなかった。パスタの袋も違っていた。
玲二は猫沢を起こし、自分逹は囮だったことを教え、どこでコンテナがすり替わったのか、探しに行く。倉庫に戻ると、コンテナがあった場所にターンテーブルがあり、玲二がボタンを押すと壁が回転する。玲二が「便所に行く」と言っていた隙に入れ替わったのだった。倉庫の裏には、豪華客船が接岸していた。玲二は、コンテナは豪華客船の中だと気が付く。
玲二と猫沢がトラックを運転していない事に気付いた烈雄は、起爆装置のスイッチを押す。玲二の首輪が点滅を始め、玲二は猫沢に近づかないように言う。しかし、爆発したのは猫沢の方だった。
豪華客船のスイートルームの周宝の元に、烈雄が来る。周宝と烈雄は、外国船籍の豪華客船は治外法権なので、寄港した世界中の港で覚醒剤を売る計画だった。
沙門逹警察官も倉庫にやって来る。外国船籍の豪華客船は治外法権で手が出せないと沙門が言うと、玲二は豪華客船に潜入し、周宝を逮捕すると言う。
沙門が操縦するヘリコプターの縄梯子にぶら下がった玲二は、豪華客船のプールに落下するつもりが、煙突内に落下する。
豪華客船のプールにいた純奈は、玲二を思い出して楽しめないでいた。
友達の留衣と一緒に部屋に戻ろうとした純奈は、エレベーターでヤクザ逹に出くわす。純奈は、ヤクザのボスは、前作で百治が引退を迫って全世界にネットで映像を流した周宝だと気づく。純奈は玲二が追っているのはきっと周宝だと思い、周宝を追跡する。
煙突に落下した玲二がボイラーから出ると、ススだらけになって、歩く度に体からススが煙のように立ち上る。
純奈は船倉の奥で、覚醒剤入りのパスタから覚醒剤を精製する工場を見つける。純奈は中国人のヤクザに見つかり、捕まる。
玲二は純奈がヤクザに捕まったのを見つけ、助けに行く。玲二は体から立ち上るススで、暗い船倉内では見つかりにくくなり、純奈を救い出す。ところが玲二は白いペンキの上に転び、体が半分白く染まって敵に見つかりやすくなる。ヤクザは鞭で玲二を攻撃する。鞭で叩かれた玲二の体は、すっかり綺麗になっていた。玲二は「これはあり得ない。いや、アリエールでしょう」とギャグを言う。
ヤクザが変装を解くと、胡蜂だった。胡蜂を見た玲二は「パンツにトカゲの刺繍の女。パッコンの女」と、胡蜂の黒歴史を思い出す。胡蜂は鞭で玲二を捕らえると、電流を流して玲二を苦しめる。玲二は鞭を外す。
胡蜂は電撃鞭で玲二を狙う。そこに烈雄がやって来て、玲二を襲おうとする。純奈がスパナを投げると、玲二に当たって倒れ、鞭は烈雄を捕らえる。電撃に苦しむ烈雄が胡蜂に近づき、キスするとスパークして胡蜂が気を失う。烈雄は「久しぶりだぜ、しびれるキスは」と言う。
ヤクザ逹がやって来て玲二を襲う。手下が烈雄に、日浦が暴れていると教え、烈雄は甲板に向かう。
薬物を嫌う日浦は周宝に「とうとう尻尾を掴んだぜ」と言うが、周宝は「手下はボスの言う通りにする者だ」と言って相手にしない。日浦は周宝を捕まえる。
そこに烈雄がやって来て、ボウガンで日浦を撃とうとし、玲二が防ぐ。日浦は「来てくれると思っていた」と、玲二の助太刀に感謝する。玲二は否定する。周宝は機関銃で日浦を撃つ。玲二は盾になって日浦を守る。
日浦は烈雄に捕まり、甲板から海に突き落とされる。日浦は靴に仕掛けたジェット噴射で船に戻り、ヤクザ逹と戦う。玲二は純奈の防弾チョッキで無事だった。日浦は周宝を追う。玲二は烈雄と死闘を繰り広げ、最後に玲二は頭突きで烈雄を気絶させ、猫沢の仇を取る。
覚醒剤が入った木箱を積んだ倉庫にいた周宝の元に、日浦が来る。日浦は周宝に、正気に戻るように説得するが、周宝は「薬と薬中がいればヤクザは安泰だ」と相手にしない。日浦は「外道は地獄に落ちろ」と銃で周宝を狙う。玲二がやって来て日浦の前に立ち塞がり「死なせるわけにはいかない」と日浦を止める。玲二は「ついにこの瞬間が来た」と金の手錠を出し「轟周宝。麻薬取締法違反で逮捕する」と手錠をかける。
驚く日浦と周宝に、玲二は「俺は潜入捜査官、土竜だ」と正体を明かす。「轟逮捕の命を受け、数寄矢会に潜り込み、ずっとチャンスをうかがっていた」と教える。
そこに烈雄が来て、倉庫を爆破し「これで証拠は消えたぜ」と言う。
日浦は玲二に「何のためだ?」と問うと、玲二は「正義のためだ」と答える。日浦が「誰のための正義だ?」と問うと、玲二は「全人類のため」と答える。日浦は「裏切者はここで死ね。あばよ」と玲二に銃を向けて撃つ。しかし、日浦はわざと弾を外し「たった今、俺の中の玲二は死んだ。さっさと消えろ」と言う。玲二は周宝を担いで出る。
船は傾き、沈み始める。日浦は甲板に出て、指笛を鳴らす。すると海の中から、船よりも大きいマンタが現れる。烈雄は日本刀を持って「極道ここにあり」と、マンタに向かってジャンプするが、マンタに呑み込まれる。
甲板が傾き、大量の海水に押し流されて、周宝と手錠で繋がれた玲二が甲板から落ちる。純奈が甲板から下を覗くと、玲二と周宝はロープにぶら下がっていた。玲二は「バッチコーイ!」と叫ぶ。
ニュースで「爆発があった豪華客船が横浜港に入港し、覚醒剤取締法違反で轟周宝が逮捕された」と報じていた。
ジャスティストリオと沙門が玲二を迎える。沙門は「ご苦労様でした。菊川巡査」と言い、酒見は「これで任務終了」と宣言する。
玲二は、元の谷袋2丁目派出所の勤務に戻る。パトカーから純奈が玲二に「帰りに発泡酒を買って来て」と頼む。純奈は巡査長に昇格し、玲二の上司だった。
玲二が新聞を見ると「メキシコの麻薬シンジケートがマンタによって壊滅」の記事があった。写真の巨大なマンタの上には、日浦の姿があった。玲二は日浦に向かって敬礼する。
(エンドクレジット。1作目、2作目の名場面)
(写真は「yahoo!映画」「映画com」「公式Twitter」より)