『DUNE/デューン 砂の惑星』ネタバレの感想 SF名作小説の完璧な映像化に感動 | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 評価 5/5 ☆☆☆☆☆

 原作が好きなので、待望の『DUNE/デューン 砂の惑星』を「フォーラム山形」で字幕版を見た。『メッセージ』(2016年)や『ブレードランナー2049』(2017年)のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督なので、SF小説の名作である原作を、どのように映像化したか非常に期待した。

 何かと比較されて可哀そうだが、1984年のデイヴィッド・リンチ監督の映画は美術面が良いが、文庫本で全3巻(旧訳版は全4巻)もある大作を、2時間17分(長尺版もある)で描いているため、話が飛び飛びで、それを補うナレーションの連続で、非常に分かりにくかった。

 原作は3部構成なので映画も3部作が良いと思うが、本作は2部作で、原作の第1部『砂丘』全部と第2部『砂漠の鼠』の途中までである(詳しくは『原作・第1~3部のネタバレの詳しいあらすじ』を参照)。ポールとジェシカが砂漠でフレメン逹に会った場面で終わり、期待を持たせる終わり方なので、良い脚本かも知れない。

 さて、原作では説明だけだが、冒頭でハルコンネンとフレメンの戦闘を描いて2者の対立を描いて分かりやすい。アトレイデ家の惑星カラダンを皇帝の使者が訪れる場面も原作にないが、皇帝の権力と、カラダンは湖や森に覆われ、雨が降っている場面が多く、移住先の砂漠の惑星アラキスとの対比が良い。ハルコンネン家の本拠地の惑星ジェディ・プライムが不気味に描かれ、皇帝が統治するサル―サ・セクンドゥスでハルコンネン家が皇帝の戦闘部隊サーダカーに派遣を要請する場面が描かれいる。これらによって、ハルコンネン家、アトレイデ家、フレメン、皇帝の関係を映像で分かりやすく表現しており、各軍隊の兵力の巨大さを映像で説明して良いと思う。

 逆に省略されているのは、惑星アラキスの屋敷の植物室の場面、アトレイデ家が地元の客人を招く場面、ジェシカが裏切るとハルコンネン家が嘘の情報を流す場面、ポールとジャミスの決闘までの流れなどである。話の進行を速くし、偽情報が無くてもジェシカとポールは十分に窮地に陥るので、良いと思う。

 美術面では、巨大な皇帝の宇宙船(それすら豆粒に見えるギルドの宇宙船は何と巨大な物か)やベネ・ゲセリットの宇宙船(『メッセージ』の柿の種型宇宙船に似ている)のデザインが良い。一番良かったのがオーニソプター(はばたき機)で、原作では鳥型飛行機の訳だったが、映画は何とトンボ型である。

 香料工場クロウラーとそれを運ぶキャリーオール機のデザインも良い。それを巨大なサンドワームが襲う場面が前半の見せ場で、何とも巨大なサンドワームの口に驚く。

 配役もイメージ通り。カインズ博士が女性に変更になったのは驚いたが。砂漠も美しい。1984年版のメランジ中毒で奇形化したギルド・ナビゲーターが登場しなかったのが残念。でも、原作をかなり忠実に映像化しており、非常に感動した。原作を読んでから観賞するのがお勧めである。評価は「5」である。

 後半はポールがフレメンの仲間になってムアドディブと呼ばれ、ハルコンネン軍やサーダカーと戦うなど、見せ場が多いはず。後編の公開が今から非常に楽しみである。

 原題は『DUNE』で砂漠の意味。

 

 

 

 

 

 

 

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