ナチュラルストロング
1965年のことだ。四人の猟師が山に入ってまだほんの小さな男の赤ん坊を拾って帰ってきた。ふもとの村では誰も産んだ覚えはないという。まあ、産んだとしても言うわけがないだろ?で、四人の猟師のうち、ヨカハッテンという男が仕方がないから赤ん坊を育てることにした。名前は四人の名前を合わせて、ビヨンク。そう、俺はこうして人間の仲間入りをしたのさ。
狼に育てられた人間の話とか聞いても微笑ましいとか、かわいそうとかいった同情に似た感情って何だか湧かない。ドキュメンタリーにすると悲惨な話になるからだと思った。それがドキュメンタリーに求められてるものだとは分かってるんだけど。俺だけの感覚なのかな?いや、なんか違うや。言いたいことをうまく言えてない。
フィクションってのはだからいい。ある種の真実は嘘でしか語れないって舞城王太郎が言ってた。物語は作家に書かれるのを待ってるんだって。