掃除機が嫌いな三女
部屋に運び込まれた物体を見ただけで
あたふたと逃げの体制に
あの丸こい胴体に蛇腹の長首
毒ヘビの頭のようなヘッド
といった視覚的な問題なのか
いやいや
たぶん耳をつん裂く騒音が
一番の原因なのだろうとは思う
その騒音を出す姿形が
彼女の記憶に刷り込まれたか
とにかく三女は掃除機が嫌い
奴が居座る暖かな部屋よりも
雪がちらつく屋外の
ベランダの方がマシらしい
「大嫌いなんだもん」
掃除機をかけること20分程
薄日がやっとこさ届く
冷たい室外機の上で
その時をじっと待つ三女
『終わったよー』
待ってましたと
部屋に飛び込んでくる…
と思いきや
石像のように動かない
弱くてもお日様の光がいいの?
それとも
寒すぎて凍っちゃった?

