虫今年は彼方此方に毛虫蓑虫がぶら下がっている。人間はあまり虫が好きな人は多くない。虫が好かない、虫がいい、虫酸が走る…昆虫とはちと違うが、虫を使った言葉にもあまり良い印象がない。しかし猫達は虫が好きだ。食糧棚をよじ登る四女が狙うのは、鴨居の上に脚を広げた蚊トンボ。這い蹲ってケージの下を覗き込む三女の視線の先には、モゾモゾ動く米搗きバッタ。庭では、蝶が飛び蜂が飛び次女が跳ぶ。それを眺める私の視界の端にも、歳のせいか虫が飛ぶ。