テラコッタ色は、オレンジ色の彩度を下げた穏やかな色です。温かく包んでくれるような優しさがあります。


オレンジ色は赤と黄色の中間色相で、明度が高くなると、肌色やピーチになり、逆に明度や彩度が低くなれば茶系の色調になり、暖かさから、激しさ、そして渋くて落ち着いた色まで、オレンジ色が喚起する心理的なイメージは幅広い印象です。


テラコッタ色は穏やかで素朴な印象が、ナチュラル嗜好の人に好まれる傾向です。




色彩心理的にテラコッタ色には『温もり』『温和』『安定』『安心感』『素朴な』『ナチュラル』『堅実』『穏やか』等のプラス面と『地味』『退屈』『陰気』『古めかしい』等のマイナス面があります。


テラコッタ色が好きな人は、生活を愛しマイペースで自然志向ですが、感情が乱れると冷静さを失う傾向があるようです。



テラコッタ色が美しい絵画を探してみました。




有元 利夫『冬』


物憂げに考え事をしている女性の背景に、カーテン越しに淡い青空が見えています。

内と外が対比配色で描かれています。

青空は女性の心象風景なのかもしれません。

(外に出かけたいけれど、寒いからもう少しこのままでいたいな。)そんな心の声が聞こえてきそうです。



松本 竣介『少女』


モデルの少女は顔の輪郭線がふくよかで、頬の赤みが若々しく健康的です。

少しうつむき加減の眼差しや固く閉じられた唇から意志の強さや思慮深さが感じられます。




佐伯 祐三『モランの寺』


屋根の稜線が歪んだ建物とロボットの顔のような時計塔が印象的です。

画家の得意とする色使い。温かく穏やかで落ち着いた色調ながら、屋根と壁面の間や、時計塔の輪郭に黒くて太い線が描かれ、大地に立ち向かうような強さを感じます。



ジョルジョ・モランディ『Natura morta』


モランディの静物画は、ベージュ、クリーム、グレイ、グレイジュ、茶色、テラコッタ等、ナチュラルカラーがほとんどです。

何気ない一つ一つの静物は計算された配置で置かれ、よく見ると中心の蓋の口が空いたような置物が語りかけてくるような存在感がある事に気づきます。



アンドリュー・ワイエス『Full Bushel』


籠一杯の穀物は、麦でしょうか。

何日もかけて育てた穀物の収穫は、豊穣の恵みであり、関わった人すべての喜びです。




アメデオ・モディリアーニ『自画像』


画家の好きなテラコッタ色のジャケットとグレイのパーカーまたはストールの組み合わせが、イタリア人らしい色使いです。

コーディネートの仕方がかなりのオシャレさんだったのですね。



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〜テラコッタカラーで秋冬のおすすめコーディネート〜




類似色同志の組み合わせは上品で安定感があります。







反対色(ネイビー)と組み合わせてメリハリを。







テラコッタが難しいと感じる人は、顔周りから離し2色配色にすると美しい着こなしになります。






アクセント的な小物使いは失敗が少ないです。





テラコッタカラーを自分らしく取り入れましょう。






色を楽しむ素敵なあなたへ...


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