小豆色はアズキのような、明度も彩度も低い落ち着いた赤です。


小豆の栽培の歴史は古く、奈良時代以前からあったようです。

その落ち着いた赤い色から病を退ける力があるとされ、寒さが厳しくなる冬至には、小豆粥を食べる習慣がありました。 





毎年1月11日は鏡開きですが、神様にお供えしていた鏡餅をお下がりとしていただくぜんざいは、地方によっておしることなります。


神様の力が宿った白いお餅と、深い赤の小豆の組み合わせは、神聖な幸運を呼び込み災いを退ける招福の食べ物です。


次第に小豆はハレの時の食べ物として、祝儀の際に、赤飯やぜんざいで祝う習慣が定着しました。


染色の色名の小豆色が使われるようになったのは江戸時代からと言われています。





赤系の色は、明度や彩度が変化すると大きく印象が変わり、例えば明度が高いピンクは、幸福感や解放的な気分と繋がり易く、原色の赤は積極的な気分の時に好まれます。

明度も彩度も低い小豆色は、様々な感情が同居して内向的な心理状態の時に好まれる傾向があります。


色彩心理的に小豆色のような深い赤には、『成熟』『蓄積』『落ち着いた』『熟成』『温かい』『秘めた情熱』等のプラス面と『葛藤』『不完全燃焼』『不満』『抑えられた情熱』『ストレス』等のマイナス面があります。


小豆色の好きな人は、情熱を心に秘め逆境に強い人が多いようですが、感情が乱れるとやや冷静さを欠く傾向があるようです。


類似色には、檜皮色(ひわだいろ)やオクサイドレッド等があります。


小豆色のような落ち着いた赤が美しい絵画を探してみました。



菊池契月『赤童子』





山川秀峰『振袖物語 左幅』






木谷千種『少女像』





伊藤小坡『鴨川の夕涼』






小原古邨『瑠璃鳥二羽と南天』






川瀬巴水『芝 増上寺』






北野恒冨『暖か』





磯田湖龍斎『美人愛猫図』





杉浦非水『銀座三越 四月十日開店』






高島野十郎『壺とグラスと果物』






メアリー・フェアチャイルド・ロー

『Christmas Eve in the  Studio』



杉浦非水の『銀座三越〜』は、1930年に銀座で初の百貨店、銀座三越のオープンの際に製作された広告ポスターです。


杉浦非水は、1910年から1934年まで三越専属のグラフィックデザイナーとして活躍し、三越のイメージアップに貢献しました。


『銀座三越〜』は、現在の建物とは異なり低明度で低彩度の深い赤で描かれています。

シックで落ち着いた色調は重厚感や高級感があり、銀座三越のイメージ(新しさと高級感)と合致しています。

描かれた昭和初期当時、先端を行くファッションに身を包む女性や男子の姿にトレンド性と高揚感が漂っていますね。

着物が主流だった当時、憧れのファッションが銀座三越に行けば手に取って見る事ができ、購入できる場として多くの人がこのポスターに心を掴まれたのではないでしょうか。


その他、深い赤の絵画には成熟した内面性や画家自身の情熱が見え隠れして、じっくりと鑑賞したい作品ばかりです。




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〜和食のテーブルコーディネートには小豆色を〜


食欲を増進させ高級感を出す小豆色の器は、食事の大切さや楽しさ、和食の良さを再確認出来るテーブルコーディネートに仕上がります。


簡単に取り入れ易いのは、小豆色のお膳を使ったコーディネートです。



年末の忙しい時期だからこそ、ゆったりと落ち着いた食事を心がけたいものですね。



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色を楽しむ素敵なあなたへ...


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