群れを指す『gregge』というイタリア語が由来の色名グレージュは、1679年にフランスで誕生し、はじめはベージュに近い色とされていましたが、染色工房ではグレイの布地を指すようになりグレイとベージュの中間色として広まりました

定着したのは1928年と比較的新しく、シックで洗練された印象を与える色として、近年インテリアのファブリックやファッションのコーディネートカラーとして人気になっています


ちなみにグレーとベージュ、グレージュの違いを表すとこんな感じです


グレー



ベージュ


グレージュ(ソファー&クッション&膝掛け)

グレージュはグレーとベージュの中間色でソフトな印象です



グレージュの色彩心理は、『穏やか』『落ち着いた』『寛容』『控えめ』『リラックス』等のプラス面と『退屈』『活気がない』『無気力』『不安』『優柔不断』等のマイナス面があります


グレージュの好きな人は、落ち着いていて、自己主張を好まない人が多いようです



グレージュのような色彩の絵画を探してみました


アンドリュー・ワイエス『スターフィッシュ』




アンドリュー・ワイエス『エリクソン家』




アンドリュー・ワイエス『自画像』




ジョルジュ・モランディ
『El genio de los bodegones』




ジョルジュ・モランディ『静物』




ヴィルヘルム・ハマスホイ『寝室』




ヴィルヘルム・ハマスホイ『窓辺の二人』




ヴィルヘルム・ハマスホイ
『花瓶のある室内、ブレッドガード25番地』


ワイエスの描く『エリクソン家』
何気ない日常から生活そのものを慈しむ人々の暮らしが垣間見えます
肖像画に描かれているエリクソン氏は、右奥の銀メッキのストーブを毎日磨いていたそうで、
実直で真面目な人物だったのでしょう
銀の鍋もストーブもピカピカに光っていますね

ハマスホイの室内画は、簡素でクール❕

グレーやベージュ、白や黒などクールで無機質な色彩を好んで使用しています

ワイエス作品と似ているようで違うのは、日差しの強さや部屋の明かるさの表現でしょう


ハマスホイの拠点は北欧デンマークのコペンハーゲン、ワイエスはアメリカのペンシルベニアです

緯度の違いが光の表現に表れ、ハマスホイの作品は柔らかな日差しです


ハマスホイとワイエスの大きく違う点は、人物の描き方です


ワイエスは顔の表情を比較的はっきりと描いていますが、ハマスホイは視線を合わせず、背中を向けた作品が多いことで、鑑賞者と作品に微妙な距離感が生まれ、静謐でクールな印象です



モランディは、丸みのある花瓶や壺を愛着を持って描いた事が、作品を通してじわじわと伝わってきます

モランディの静物画のほとんどが、似た題材で類似色です

画家は低彩度の穏やかな色彩を好んだ事が興味深いですね



穏やかなグレージュ色の絵画をリビングに飾ってみたくなりました^.^




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~グレージュを素敵に着こなすには~



ナチュラルカラーのグレージュはともすると地味な印象になりがちです


都会的でクールなグレージュの特徴を活かしたコーディネートは、できるだけ類似色(グレー・ベージュ・アイボリーなど)でまとめると上品でさりげなく、凛とした大人の着こなしになります








ぜひ、ご自分らしいグレージュの着こなしにチャレンジしてみてくださいませ^.^






色を楽しむ素敵なあなたへ…


最後までお読みいただきありがとうございます💕