キャメルは毛織物の代表的な色です


キャメル色と言えば真っ先に、『男はつらいよ』の寅さん愛用の腹巻きを思い出すのですが、駱駝の毛のような色を言います





キャメルに似た色には、コルク色、胡桃色、カーキなどがあります


キャメルはオレンジ色のグループに属し、オレンジ色の彩度を低く渋くさせた色合いは、穏やかさや温かさがあり、物静かで素朴な印象が、ナチュラル嗜好の人に好まれる傾向です


キャメルは地味な印象や古めかしさなどもマイナス面として持っています







キャメルが印象的な絵画と言えば、ジュゼッペ・アルチンボルド(1526~1593)の“冬”が浮かびます



アルチンボルド筆  “冬”


アルチンボルドは、ミラノで画家の息子として生まれました

動植物や果物、料理、書籍、道具を組み合わせて表現する肖像画で一躍有名になりました


ハプスブルグ家のフェルナンド1世、マクシミリアン2世、ルドルフ2世と3人の皇帝に仕えた宮廷画家で、連作の四季シリーズは代表作です


昨年夏、国立西洋美術館のアルチンボルド展で初めて四季の作品を見ました


最初は華やかな春や秋に目を奪われましたが、じっくり見ていると、“冬”だけが老人を描いているのです


“冬”は、枯れ朽ちた一本の樹木を中心に構成され、老人をイメージさせる顔面の深い褐色は冬の厳しさを連想させ、この人物の人生の深みをも感じさせます


体を被うゴザの洋服と、オレンジやレモンのキャメル色が温かく、もうすぐやって来る春の希望が感じられます


“冬”は“春”の対極に位置しているので、“春”を一緒に掲載します

アルチンボルド筆  “春”


華やかで色とりどりの“春”は人気ですね(^^)

“春”と対極の“冬”はその渋い色合いに、この人物が歩んできたであろう人生の深みが重なり、強いオーラを放っていました






~こんな時はキャメル色を活用しましょう~


孤独感や寂しさを感じた時は、キャメル色に包まれる自分をイメージしてみてください


例えば、あたたかいキャメル色の毛布にくるまれた自分をイメージすると、穏やかで優しく包まれたような気持ちになります


キャメル色には赤と黄色の要素が含まれているので、あたたかさを感じさせる癒し効果があります


また、キャメル色には緊張感を無くしプレッシャーを和らげる効果もあります


人と穏やかにお話しする際に、キャメル色を身に付けるのも良いですね😊