鈴木春信筆  “雨中美人”



マルコ・ポーロの東方見聞録では、日本は金が豊かに採れる『黄金の国』と呼ばれていましたが、日本にとっての黄金は豊かな稲穂の色と言っても過言ではありません




日本で黄色は、自然の豊穣を表す色として広く庶民に親しまれてきました






刈安は稲科の植物で、刈り取るときに力を入れず刈りやすい事から、その色名がつけられました

茎と葉を乾燥させた染料は、やや緑みを帯びた黄色に染められました



八丈島を産地とする絹織物の黄八丈はコブナクサという刈安に似た品種で染められ、八丈刈安とも言われています


黄八丈の着物


黄八丈の着物着用例







黄檗は山地に自生するみかん科の植物でその樹皮の煎汁を黄色染料としました


染料以外に、健胃剤や傷薬等の漢方薬として知られており、黄檗で染めた紙は防虫効果があると言われています





鬱金(ウコン)



鬱金は生姜科の多年草で、根茎は肥大して黄色くなり、それを染料として染めていました



鬱金の花


現在でも、沢庵漬けやカレー粉等の着色料として用いられています





梔子(くちなし)


アカネ科の常緑灌木で、夏に白い花を咲かせ、その後実を結び、その果実から採取される染料の色です


梔子の黄色染料は無毒なので、古来より、きんとんなど食用の着色料として使われていました


梔子の実





江戸時代『黄表紙』という、しゃれや風刺など遊び心のある絵と文章で構成された大人の絵本(マンガ本)が大流行しました



喜多川歌麿筆  “木挽町新やしき小伊勢屋おちゑ”



美しい女性が黄表紙の雑誌を読みふけっているように見えますね

はて、その中身は…👀



~色男になろう作戦2~
“金で熱狂的なファンを買おう”

艶二郎(この物語の主人公)さん、50両で町の芸者に熱狂的なファンになってもらい、家族のいるところに来てもらい、家族を驚かせているようです




~色男になろう作戦3~
“金で三角関係を演出”

艶二郎さん、今度は200両で女の人を囲い、ヤキモチヤキを演じてもらっています👀


この後、艶二郎さんはどうなって行くのでしょう?
そこまでして、ハッピーエンドはあるのでしょうか?
続きが気になって最後まで見てしまいました‼

結末はお金が無くなり、着ぐるみまではがされ、愚行に気付き改心したようです😊


この作品を描いたのは、山東京伝(1761~1816)という戯作者で、14歳から浮世絵師に本格的に絵を学び、若い頃から遊び人だったという気質が作品に溢れていますね


これは一例ですが、他の黄表紙もシリーズ物が多いようです



黄色はいつの時代も、楽しさや娯楽、遊びに繋がる色として人気なのですね😊






~こんな時は黄色を活用してみましょう~


人と会うと緊張する、あるいは逃げ出したくなるという人は、黄色を取り入れてみましょう


黄色は緊張をほぐし、コミュニケーションの色として、人に温かさを印象づけますよ😉

(色のはなし黄色でも詳しく紹介しています)


黄色を身に付ける事が苦手な方には文房具などがおすすめです☺



月岡芳年筆  “風俗三十二相はずかしさう”