銀の色は、英語でシルバー、日本語で銀色または、白銀色(しろがねいろ)と言われています



銀色は明るい灰色で、金属を磨いて光沢のある銀の表面のような色を表します



英語のシルバーグレー、シルバーホワイト、日本語の銀鼠(ぎんねず)など、輝きを持った美しい灰色系や白の形容に用いられます



足利義政の時代に作られた銀閣寺の壁面は、近年の調査で、実際には銀箔を貼った痕跡は無かったようだと言われています





外壁には、黒漆が塗られ、その漆が日光の加減で銀色に輝いて見えたことから、銀閣寺という名前で呼ばれるようになったという説があるようです



雪景色を銀世界と表現するのは、銀色の美しさは白にあると言われ、銀世界と表現することで、より一面の雪景色の美しい白を表すからだと思います







銀色が好きな人は、ロマンチストで邪心が無く、人の後ろ楯となって助ける気持ちが強い人が多いようです




銀色が印象的な絵画と言えば、酒井抱一の“紅白梅図屏風”が浮かびます



酒井抱一作、“紅梅図屏風”右隻



酒井抱一作、“白梅図屏風”左隻



酒井抱一は、1761年に譜代大名酒井家の二男として江戸で生まれました


37歳で出家して自由人となり、宗達、光琳が京都で築いた琳派様式に傾倒し、江戸後期らしい洗練された江戸琳派を確立します


この屏風絵は、銀箔を背景に老木の紅白梅を簡素に描いています


紅梅は紅色に深みと渋みがあり、老木の梅の木が越冬した厳しさが感じられ、白梅は明るさと軽やかさがあり、早春の煌めきが感じられます


左右の屏風は銀箔が経年変化によって渋さが増し、落ち着いた印象の作品です




銀色が印象的な絵画の二つ目は、、加山又造の“群鶴図”です



加山又造作、“群鶴図屏風”右隻



加山又造作、“群鶴図屏風”左隻







今年のお正月に国立近代美術館で展示されていました


少ない色数でありながら存在感があり、すべての鶴が一斉に左側を向いていて、モダンアートのような力強い作品です



加山又造は1927年に京都で生まれました


祖父は円山四條派の絵師、父は西陣の染色図案家という家庭に育ち、東京美術学校(現、東京芸術大学)を卒業しています


97年に文化功労賞、2003年に文化勲章を受章し、国内はもとより、パリ、ロンドンなど世界中で個展が開かれ、国際的な評価を得ています



比較的新しいこの作品は、銀箔を貼った背景色が華やかで、美しい銀色の光沢を放っていました



いずれの作品も、銀色の光は金色に比べると控えめで奥ゆかしさが伝わってきますね✨



東京都庭園美術館内の装飾