藍染めの藍色よりもっと深い濃い色を紺といいます



江戸時代、藍や紺が庶民の日常着の色として広く親しまれ、藍染めを専門に行う染め物屋を紺屋と呼んでいました



紺からイメージするものは、どこまでも透明な大海や夜明け前の空です



大海や夜明け前の空を眺めていると気分が落ち着き、次第に心の底から元気が湧いてきますが、それこそが深い青のパワーです





また、紺は人を冷静沈着にする知的で理性的な色でもあります



紺が好きな人は、平和を愛し、環境に順応することを得意とする人が多いようです



学生服やリクルートスーツの色が紺なのは、知的探究心をアップする色として、勉強に集中できる色であり、仕事では能率アップに繋り、かつ、控えめな色の代表だからでしょう



紺は白と組み合わせる事で爽やかで清潔な印象になります



紺×白の組み合せは、日本人のもっとも好きな組み合わせですが、ともすると平凡になりがちです


そこで気を付けたいことは、第三の色を何色で組み合わせるかによって印象が大きく変わります


お肌がブルーベースの人は、紺×白にブルーをプラスすると、更に爽やかで清々しい印象になります


例えば、ブルーのスカーフや白い襟の付いたブルーのシャツなどです



アクセサリーやボタンは銀色の素材で、宝石ならブルーサファイヤ、真珠ならホワイト系がおすすめです



また、お肌がイエローベースの人は、どちらかというと淋しく見られがちな紺×白の組み合わせにベージュをプラスする事で、イエローベースの人の持ち味である、温かな印象に変わります



例えば、ベージュのスカーフや生なりのシャツ、あるいはベージュのパンツなどです




アクセサリーやボタンは、金色の素材で、真珠ならクリーム色系を組み合わせてください



凛として清潔感があり、自己確立の色でもある紺を自分らしく着こなしましょう😊




紺のような深い群青色が印象的な絵画と言えば、川瀬巴水の版画が浮かびます


川瀬巴水作、“井の頭の春の夜”



川瀬巴水は、1883年(明治16年)東京生まれ


大正、昭和期の浮世絵師で、衰退した日本の浮世絵版画の復興に尽力し、近代風景版画の第一人者です

川瀬巴水作、“馬込の月”



日本各地を旅行し、旅先で写生した絵を版画作品として数多く発表しました



日本的な美しい風景を叙情豊かに表現し、『旅情詩人』、『旅の版画家』、『昭和の広重』などと呼ばれました




アメリカの鑑定家によって欧米に紹介された事がきっかけで、海外での知名度が高く、近年日本でも注目が集まっています



川瀬巴水作、“冬の月(戸山ヶ原)”



川瀬巴水作、“大森海岸”



川瀬巴水の版画は紺色がベースになっている作品が多く、深い群青色のもつ内省的で自分自身を冷静に客観視するイメージと、日本人の精神性が繋がっているように思います



紺は時代を越えて好まれる色ですね😊



川瀬巴水作、“清洲橋”