薄荷(はっか)系植物、ミントの葉からつけられた色名です



ミントには、色々な種類(スペアミント、ペパーミントなど)がありますが、明るい青みがかった緑色のものが多く、いずれも爽やかな印象の色合いです



ミントグリーンのように、明るい緑色は、色彩心理では、やすらぎや癒しの色と言われています






1920年代、アメリカのある病院の外科医が、手術中に周囲の白タイル貼りの壁に青緑色の幻が見え、視覚障害が起き、苦痛を訴えたのです



これは“視覚残像現象のいたずら”と言われ、血液の色である赤を長時間見続けていると、強い刺激により網膜が反応して、赤の補色(反対色)の青緑色が残像として現れ、白い所に目をやると青緑色が見える現象の事です



この現象を和らげるために、壁のタイルが青緑色に取り替えられ、それ以降、手術着やマスクなども白から明るい青緑色に変えられました



このように、手術する医師が受ける目の刺激や、緊張を和らげるのはもちろんの事、淡い青緑色の波長は、患者側にも視覚的に気分をリラックスさせる効果があり、現在、多くの医療環境で、明るい青緑色(ミントグリーン)が取り入れられています







ミントグリーンの好きな人は、謙虚で落ち着きがあり、生活の調和を目指している人が多いようです




ミントグリーンが印象的な絵画と言えば、アルフォンス・ミュシャの“アイビー”が浮かびます


ミュシャ作、“アイビー”



昨年の国立新美術館でのミュシャ展は素晴しかったですね😊



ミュシャはチェコ出身の画家で、フランスの女優、サラ・ベルナールをイメージした女性像に流麗な曲線や花のモチーフなどを装飾的に描いたポスターで名声を得ました



フランス時代のミュシャの描く絵画には、柔らかい線や形に、明るく優しい色合い(中間色やパステルカラー)が多く使われ、19世紀末のアールヌーボーを代表する画家の一人として、多くの作品を残しています



写真の絵画“アイビー”の作品には、明るいミントグリーンが画面全体に広がり、横顔の女性を爽やかに印象付けています



ミントグリーンが気になる時は、心が休息を求めている時かもしれません




ルネ・ラリック作、ハットピン “ケシ”



私の体験ですが、30歳の頃、黒い制服(ジュエリーの販売の仕事)から配属異動があり、私服(婦人服の販売の仕事)に変わった時、慣れない仕事の緊張感から、ミントグリーンのジャケットを好んで着ていた時期がありました


不思議とその時期、社内の男性からよく声をかけられたのです😆


思いきって、声をかけてきた後輩の男性に聞いてみたところ、
「黒い制服の時は、恐いイメージがあり、声をかけずらかったですね…でも明るい綺麗なミントグリーンのジャケットを着こなしている姿を見かけるようになって、何故か、話しかけやすくなりました…」
と、思いもよらない言葉にびっくり👀



ミントグリーンは周りを優しく包み込むオーラがあることを実感した、ちょっと嬉しくて微笑ましい思い出です😊