ヘリオトロープ
赤と青を混色すると紫になりますが、紫色には赤の情熱的な要素と青の冷静的な要素が含まれるため、微妙な心理を表す色と言われています。
色彩心理的に紫色には『神秘的な』『思慮深い』『高貴』『崇高』『優雅』『癒し』『感性豊か』等のプラス面と『疲労感』『臆病』『二面性』『情緒不安』『複雑』『欲求不満』『憂鬱』等のマイナス面があります。
紫色の好きな人は天賦の直感力と高度な感性を持つ人が多いようですが、やや臆病なところがあるようです。
紫色が美しい絵画を探してみました。
アンドリュー・グラント・カーティス
『深夜のロンドンのウエストミンスター鐘』
ぼんやりとした紫色の空や青紫の夕景に、霞だ月光が神秘的です。
紫色は神秘性や精神性、内省性を表す色です。
憧れや郷愁など心の奥行きを映す色を紫色で表し、夢を見ていたような余韻を残します。
クロード・モネ『睡蓮』
晩年のモネは、鮮やかなコバルト・バイオレットの顔料を好んで使っています。
モネの作品に共通するのは、光の変化、時間の移ろい、感覚の揺らぎを表しているところです。
モネにとっての紫色は、刻々と変化する光の陰を表現するために必要不可欠な色彩だったのでしょう。
水面に映る紫色は、風景ではなく心の揺らぎを表しているようです。
上村松園『夕べ』
襟元の乱れ、紫色の着物から覗く紅襦袢、簾からそっと外を眺める立ち姿がなんとも艶っぽい。
夏の一日の終わりに、ほっと一息ついた一瞬の姿に開放感が表れています。
画家は生涯を通じ美人画を追求し、女性の内面の美しさ、しぐさの艶めかしさ、丁寧な暮らし、美しい色彩などを繊細に表しています。
明治時代の男社会の中で、女流画家として生き抜くための緊張感からか、隙のない美人画が多い中で、この『夕べ』は、放たれた女性の内面性が感じられます。
笠松紫浪『朝の波』
本名は四郎ですが、作家名にある紫は、画家自身が好んだ色なのでしょう。
14歳で鏑木清方に師事し、版画家として数々の作品を手がけ、雨、雪、夜の情景は、柔らかな色彩が情緒的です。
他にも紫色の作品があります。
『下田の街』
次に紫色の生き物を探してみました。
クレナイニセスズメ
シリキルリスズメダイ
魚や花の紫は色素が作る色です。
けれど、トンボや蝶の紫は、光そのものが作る色。つまりシャボン玉と同じ干渉色です。それは手に取ろうとすると消え、角度を変えると現れる。
紫色は存在しているのに、捕まえられない色とも言えます。
画家の紫、モネの紫、蝶の羽の紫。これら全ては、光が大きく関わっているところが興味深いですね。
紫色は見える色でありながら感じる色として、心が静かであればあるほど、その美しさに気づくのかも知れません。
時には紫色を身に纏って、感性豊かな日常を目指すのもいいですね。
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色を楽しむ素敵なあなたへ...
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