あなたは無性に赤が気になる時がありませんか?
それは赤が持つエネルギーを必要としているからです。
赤は生命そのもの。
赤が美しい絵画を探してみました。
伊藤 若冲『南天雄鶏図』
南天の赤やトサカの赤と、鶏の黒の配色が強いコントラストです。若冲の動植綵絵の中でも赤の誘目性が一際目立つ作品です。
白菊が絶妙な位置に配され、緊張感がやや和らいでいます。
河鍋 暁斎
『地獄太夫かいこつの遊戯をゆめに見る図』
地獄太夫の赤と骸骨の白。紅白のおめでたい配色が目を惹きます。よく見るとキセルを咥え恍惚とした顔の骸骨や、お酒を飲もうと盃を見つめる骸骨、囲碁を始めようとする骸骨など、誰もが楽しそうです。
秋野 不矩『紅裳』
作品は昭和初期頃でしょうか。女性たちの赤い着物は若々しく華やかですが、一人一人の表情が物憂げで誰とも目を合わせず、それぞれが自分の世界に浸っています。
赤衣裳の動的イメージと、静的な内面描写の対比が面白いですね。
川端 龍子『五鱗』
紅一点。赤い鯉が好みの鯉を誘っているのでしょうか。
いやしかし、顔を付き合わせた鯉たちは、投げられた餌を我先に口に入れようとしているだけかもしれません。
小早川 清『近代時世粧ノ内 六 口紅』
赤い衣裳に赤い口紅。髪飾りには大輪の赤い薔薇。指輪はルビーでしょうか?大きさからすると赤珊瑚か、あるいは赤メノウかもしれません。
自己アピールの強さが、目力と身に纏う赤に表れています。
主張色をここまで揃えると、逆に小気味良い。
アンリ・マティス『Cat with red fish』
画面は赤い金魚を中心に色彩の洪水のようですが、猫の悪戯っぽい手の動きが愛らしく、水の跳ねる音が聞こえてきそうで、見ていると元気になります。
アンディー・ウォーホル『キャンベルスープ缶』
高度成長期にアメリカ人の多くが好んだ赤。食欲をそそる赤が配置されたキャンベルスープ缶は、大量消費社会となった′60年代の象徴的な産物です。
32種類のスープ缶がシルクスクリーンで量産され、アメリカの光と影が見え隠れしています。
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〜赤の思い出〜
2019年の夏、ロンドンへ行った時の思い出です。
ロンドン市街のどこを歩いても、ベージュや茶色、グレイ等の落ち着いた建物が並び、日本のような強い主張色の広告看板がありません。
長年人々の努力で街の美観が保たれ、窓辺の花を美しく飾ることで人の目を惹きつけ、盗難防止にもなっているのです。
その整然とした街並みに、赤が見事にマッチしています。
ロンドンと言えば二階建ての赤いバス。
乗車した二階席はほとんどが観光客でした。
ウィンザー城で見た衛兵の行進は躍動感溢れる赤の行進隊。
余談ですが夏でも毛皮の帽子を被っているため、時々熱中症になる衛兵がいるようです。お気の毒!
この赤の行進隊が一番の思い出です。
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色を楽しむ素敵なあなたへ...
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