向日葵の人生相談さんのプロフィールページ

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あなたの鎖骨に、

私の心が帰る場所がある。


――抱きしめているのに、私を探した人。――


ねえ、みなさん。


自分の腕の中にいる人を、探したことってありますか?


ちょっと不思議な質問でしょう?

でもね。


私、

最近とても素敵なお話を聞いたんです。


それは、大切な人が話してくれた、

ある夜の出来事。


彼は眠っている途中で、一瞬、私がいないと思ったそうなんです。


そして、私を探した。


でもね。

次の瞬間、気づいたんですって。


私が、すっぽり自分の腕の中に収まって眠っていたことに。


……ねえ。


これって、

なんだか素敵だと思いませんか?


探していた人は、

最初から自分の腕の中にいた。


私、この話を聞いたとき、

なんとも言えない気持ちになったんです。


嬉しいような。

愛おしいような。

そして、少しだけ切ないような。


なぜでしょうね。

私たちが一緒に眠るとき。


私は、彼の鎖骨のあたりに頭を置くんです。

肩から胸へと続く、小さなくぼみ。


そこに頭を入れると、

驚くほど自然に収まるんです。


まるで、最初からそこに私の居場所が用意されていたように。


不思議なんですよ。

特別に姿勢を考えているわけでもない。


ここに頭を置こうとか。

この角度に身体を合わせようとか。

そんなこと、何も考えていないんです。


ただ、自然に。

すうっと。


気づいたら、そこにいる。

そして、身体の力が抜けていく。


ああ。

ここ、気持ちいい。

って。


ふふふ。

でもね。


私は、その姿勢になるたびに、

あることを思い出すんです。


それは、陰と陽。


白と黒が柔らかな曲線で重なり、ひとつの円を描く、あの陰陽のマーク。


白は黒になろうとしない。


黒も白になろうとしない。


お互いに違う性質を持ちながら、

その違いを消すことなく、

ひとつの美しい形をつくっている。


私には、彼と寄り添って眠る姿が、

あの形に重なって見えるんです。


男性だから陽。

女性だから陰。


そんな単純なことではなくて。


それぞれに強さも弱さもあって、

静けさも情熱もある。


そして、ふたりの違う形が、不思議なくらい心地よく重なる瞬間がある。


相性って、

同じ形をした人を探すことではなく、

違う形のまま自然に寄り添えることなのかもしれない。


私は、そう思うんです。

でもね。


ここからが、私らしいところなんです。


私、いつも彼のことが心配になってしまうんですよ。


だって、腕枕ですよ?


しかも、一晩中。


私が夜中に目を覚ましたときも。


朝、目が覚めたときも。


私が気づく限り、

彼の腕はそこにあるんです。


私を包んだまま。

だから思うんです。


ねえ。

本当に苦しくないの?


腕、痛くない?

しびれていない?


私の頭って、それなりに重たいでしょう?

いくら可愛くても、頭の重量まで可愛く軽くなるわけじゃありませんからね。


ふふふ。

だけど。


私は、その腕の中で不思議なくらい安心して眠っている。


そして、そんな私を、彼は抱きしめてくれている。


でもね。

私は、こう思うんです。


私にとって最高の居場所が、彼にとって我慢する場所であってほしくない。


だから、苦しければ腕を動かしてほしい。

疲れたら、楽な姿勢になってほしい。


だって、私が大切にしたいのは腕枕そのものじゃないんです。


その腕の持ち主が、

私と同じくらい心地よくいてくれること。

それが、何より大切なんです。


そして。

私は、あの夜の話を何度も思い出してしまうんです。


彼は、私がいないと思って、一瞬探した。

でも、私はそこにいた。


彼の腕の中に。


このお話のどこに、

私はこんなにも心を

動かされているんだろう。

って。


考えてみたんです。

そして、ふと思いました。

人間って、不思議ですよね。


大切なものがそばにあることと。

その存在を、心で感じていること。

それって、少し違うのかもしれません。

たとえば。


毎日一緒にいる人。

いつも隣にいる人。

当たり前のように声を聞いている人。


その人がいることに慣れてしまうと、

私たちはときどき、

その幸せを見落としてしまう。


でも。

ほんの一瞬、いないと思ったとき。


いつもそこにある存在が、

急に特別なものになることがある。


彼が眠りながら私を探した理由は、私にはわかりません。


眠りの中の、ほんの一瞬の感覚だったのかもしれない。


それでも。

彼が私を探したこと。


そして、すぐそばにいると気づいたこと。


その小さな出来事が、

私にはとても愛おしかったんです。


人は、ときどき失ったわけでもないものを、失ったように探すことがある。


そして、そこにあったと気づいた瞬間。


その存在の温かさを、

もう一度感じるのかもしれませんね。


ねえ。


私は、普段から誰かに寄りかかって

生きたい女性ではないんです。


ひとりの時間が大好き。

自分の世界が大好き。


仕事も、勉強も、夢も。


自分がやりたいと思ったことには、

夢中になっていたい。


そして、

自分の人生は自分で歩いていきたい。


そんな私なんです。


ところが。

大好きな人の腕の中に入ると。


あんなに忙しかった頭の中が、

静かになる。


何かを考えなくてもいい。

立派なことを言わなくてもいい。


強くなくてもいい。

可愛く見せようと頑張らなくてもいい。


ただ、そこにいるだけでいい。


これって、

考えてみたらすごいことじゃ

ありませんか?


だって、私は普段、頭の中でいろんなことを考えているんですよ。

それこそ、もう大忙し。


ふふふ。

なのに。


彼の鎖骨の小さなくぼみに頭を置いただけで、世界が静かになるんです。


私が私であることを、いちばん頑張らなくていい場所。


それが、そこなのかもしれません。


私ね。

本当に心地いい関係って、どんな関係なんだろうって、よく考えるんです。


いつも一緒にいること?

何でも同じ意見であること?

毎日「愛してる」と言ってもらうこと?

もちろん、それも素敵です。


でも。


私は、もっと静かなものの中にも、

深い愛情があるような気がするんです。


たとえば。

大切な人が、

自分のそばで安心して眠っている。


その姿を見て、

自然に優しい気持ちになる。


たとえば。

言葉を交わさなくても、

同じ空間にいるだけで落ち着く。


そして。

離れている時間には、

それぞれの人生を精いっぱい生きている。


私は、そんな関係が好きなんです。


ふたりがひとつになるために、

自分を失う必要なんてない。


自分の世界を持ったまま、

誰かを深く愛することだってできる。


愛することは、自分を半分にして相手に渡すことではない。


自分というひとつの人生を大切にしながら、

もうひとつの人生も大切に思えること。


私は、そう考えているんです。

そしてね。

身体って、本当に面白い。


私たちは、

言葉で愛情を確かめようとしますよね。


何を言ってくれた。

どんな言葉をくれた。

どれだけ好きだと言ってくれた。


でも、ときどき身体のほうが、

言葉より先に安心していることがある。


肩の力が抜けたり。

呼吸が穏やかになったり。

眠くなったり。


好きな人の温もりに触れると、心が満たされたように感じることがある。


私は、そういう感覚を大切にしたいんです。


もちろん、それだけで相手の気持ちのすべてがわかるわけではありません。


でもね。

愛情を証明しようとする時間より、

愛情を静かに感じている時間のほうが、

ずっと豊かなこともある。


そんなふうに思うんです。

それにしても。


彼が私を探したあのお話。


私ね。

どうしても、

もう一度想像してしまうんですよ。


腕枕をして眠っている彼。


その腕の中で、

すっかり安心して眠っている私。


そして、彼が一瞬。

「あれ? いない」

って思った。


ところが。

探していた私は、ちゃんとそこにいる。

彼の腕の中に、すっぽりと。


……もう。

なんて面白いんでしょう。


なんて愛おしいんでしょう。


私は、この話を思い出すたびに、

ちょっと笑ってしまうんです。


だって。

こんなに近くにいるのに、

まだ私を探してくれるなんて。


もちろん、

ただ寝ぼけていただけかもしれません。


それでもいいんです。

私は、その出来事を、私たちだけの小さな宝物にしておきたい。


人から見たら、


何でもないことかもしれない。


でも、私にとっては、

特別な思い出なんです。


ねえ、みなさん。

幸せって、不思議ですね。


大きな家。

高価なプレゼント。

美しい宝石。

素敵な旅行。

もちろん、どれも素晴らしいものです。


でもね。

ときには、そんなものよりも。


誰かの鎖骨の小さなくぼみのほうが、何倍も幸せに感じられることがある。


誰かに見せるための幸せじゃない。

誰かと比べるための幸せでもない。

ただ、自分の心が知っている幸せ。

私、そういうものが大好きなんです。


そして、もうひとつ。

忘れたくないことがあります。


それは。

ぴったり寄り添える相手だからこそ、

少し離れている時間も

大切にできる関係でいたい。


ということ。


ずっと腕の中にいなくてもいい。

ずっと隣にいなくてもいい。


それぞれの世界に戻って、

それぞれの人生を生きて。

そして、また会えたとき。


何も考えずに自然に寄り添える。


そんな関係って、素敵じゃありませんか。


愛情は、相手を自分のそばにつなぎ止める力だけではないと思うんです。


相手が自分らしく生きることを、

喜べる力でもある。


私は、そんな愛情を育てていきたい。


そして、今夜も私はきっと。


あの小さなくぼみに、頭をすっぽり収めるんでしょうね。


彼の呼吸を感じながら。

温かな腕に包まれながら。

今日という一日を、静かに終える。

そして、きっとまた聞いてしまうんです。

「ねえ、腕、痛くない?」

って。


ふふふ。

でもね。

もし彼がまた眠りながら私を探すことがあったなら。


私は、心の中でそっと言ってあげたい。

「ここにいるよ」

って。


「ちゃんと、あなたの腕の中にいるよ」

って。


そして、もし私が眠っている間に、

彼の腕が疲れてしまったなら。


どうか遠慮なく、

楽な姿勢になってほしい。

だって。


私が愛しているのは、

私を抱きしめ続けてくれる腕ではなく、

その腕で私を抱きしめたいと思ってくれる、

ひとりの人間なんですもの。


ねえ。

人生って、面白いですよね。


世界には、数えきれないほどの人がいる。


美しい場所も。

素敵な景色も。


心を奪われるものも、たくさんある。

それなのに。


たったひとりの人の、小さな鎖骨のくぼみに。

こんなにも心が満たされることがある。


そして、その人は。


自分の腕の中で眠っている私を、一瞬探していた。

私は、この出来事を思い出すたびに思うんです。


人と人との距離って、何センチ離れているかではなくて、心がどれだけ安心していられるかで決まるのかもしれない。


そして。

本当に大切な人とは、どこまでも近づいてひとつになることよりも。


それぞれのままで、何度でも心地よく寄り添えることのほうが、素敵なのかもしれない。


私は、そんな関係が好き。

強くて。

自由で。

優しくて。

そして、ときどき、とびきり甘えん坊になってしまう。


そんな自分も、悪くないでしょう?


ふふふ。


あらら、もうこんな時間。

またお話しましょう。🌻