「緊急避難します!! ヘリコプターで移送します!! いちばん大切なものをひとつだけ持っていけます!!」

「ひとつだけ?」

「搭載量に制限がありますから、出来るだけ軽いものにしてください!」

「骨壷と位牌を持っていきたいんじゃが?」

「だめです。軽い方のお位牌だけにしてください」

「先祖伝来の火縄銃は?」

「とんでもない!」

「わしの日記1冊は?」

「その程度は大丈夫です」

「しかし中身はずっしりと重いぞ」

「中をくり抜いて金でも詰め込んでいるのですか?」

「そんなのは入っとらん。戦争、離婚、失業が綴られとるから内容が重いんじゃ」

「どうぞお好きなようにしてください」

「わたしの家計簿も重たいがの」

「いちいちお答えできませんから、これがお年寄りの皆さまが持っていけるリストです。このリストから選んで決めてください」

「あの~」

「はい、お若い方、何でしょう?」

「われわれ若い者にはリストはないのでしょうか?」

「はい、作っていません。どうせスマホかケータイでしょうから」


🦊 ファンタ爺物語📘 🦝