コンピューターが2進法で動作するということを聞かされても、納得できない男がいた。
1か0かの2つしかない世界はおかしい。
世の中そんなに割り切れるものではない。
2つしかない選択肢が、今日の政治をだめにしている。

そう思った男は、刻苦勉励して3進法で動くコンピューターを開発した。
世の中というものは、白か黒ではなく、中間のグレーの意見も取り入れるべきだという思想に基づく。

その後どうなったかというと、処理が滞り、結論が出にくいから、こんなものは要らないと廃れてしまった。

ところが日本の一部では売れた。
男が嘆いた政治の世界と役所だけには浸透していった。
とくに中道改革連合という政党は愛用したと聞く。

このコンピューターが出す結論はおおむね灰色だったが、そうやって日本独自の曖昧コンピューターが生き残った。
これは世界に向かって自慢すべきことかどうか難しい問題である。
しかし残念な「三振法」だったのかも。


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