適当に洋服を引っ張り出し、私は普段着に着替えた。
「今日の予定はー?」
私の部屋を横切ろうとする奏夜に声をかけて呼び止めた。
奏夜はあきれ顔で、ふぅっとため息をつくと
「自分で考えろ。…と、言いたいところだが、父さんからのお願いがある」
と、人差し指を立てて、言った。
それをする時だって笑わないから、こっちが笑いそうになるよ。
「お父さんから?」
「あぁ。関霊美術館があるだろ。」
私は首をかしげて聞いたら、すらっと答えが返ってきた。
「あぁ、あの最近できた美術館ね」
「あそこに僕たちが盗むものがあるのかの偵察だそうだ。」
なんで僕たちが…といいたそうな表情を一瞬見せたが、すぐに表情を戻して私を見た。
あれ?今から美術館に行くんだよね…。
「ばれないの?私たちで行って。」
「僕がばれることはないが…まぁ、運しだいだな」
ちょっと、それは酷いよ。一応パートナなんですけど。
私はぴくっと眉毛を動かしつつ苦笑した。
あっと、まだ説明してなかったよね。
私は朝倉 莉洙(あさくら りず)今、高校一年生の女の子。
で、こっちの不愛想なのが朝倉 奏夜(そうや)
私たちは一卵性の双子なんだ。
それでもって、”怪盗”をやってるの。
その理由はまた後で。
「じゃぁ、とりあえず準備する」
「え?おい、準備は終わったんじゃ…」
「”怪盗としての”は、終わってないの!」
私は勢いよく自分の部屋の扉を閉めて準備に入った。
奏夜は「やれやれ…」と言いながら、ため息をついていた。