私はちゃっちゃと支度を終えると、奏夜とともに関霊美術館に向かった。
私たちの家からさほど遠くない場所にあるから、行くのは楽。
丁度、5分くらいで着くと思う
「ねぇ、お父さんが言ってたんでしょ。偵察して来いって」
「あぁ。そうだが?」
歩きながら奏夜の顔を見て言ったのに、奏夜は目線が前のまま答えた。
私は首を傾げて、さっきから疑問異に思っていることを口にしてみた。
「じゃぁ、お父さん美術館に行ったのかな?」
「え?」
奏夜が私の顔を驚いた様子で見てくる。
「え、だってさ、お父さんが美術館に偵察に行けって言うとき、大抵どこにどの場所があるか分かりきってて、絶対目当ての宝石があるじゃない。」
これまでずっとそうだった。
アルヒ—美術館(電車で一苦労)に行った時だって、ルーセル美術館(バスで30分)に行った時だって。
最初は全て、お父さんの「ちょっと気晴らしに、美術館行ってみたらどうだ?」から始まってる。
「確かにそうだが…。でも、今回は行ってないと思う」
「え?なんで?」
首を傾げ私は聞く。
奏夜はまた前を見て淡々と言う
「今回は遠まわしに言わなかっただろ。あと、父さんの目線と口調」
「目線と口調?」
私はまた首を傾げた。
奏夜、あんたは会話を聞いている時に何やってるの…。
「いつもは目線が泳いでるのに、今回は動いてなかったし、いつもはのぼのぼ゙いうのに、今回ははっきりしてたんだ」
…へぇ、そうだったんだ。
今回私は寝てて何にも分かんないけど。
奏夜の目は確信に満ち溢れてるみたいな目だったから
「そっか。まぁ、取り合えず行こうよ」
「あぁ。」
私は信じることにする。