2024/07/01@富士見

監督 アレクサンダー・ペイン

分かり合えれば、幸せなのです

★★★☆☆


物語の舞台は、1970年代の全寮制の寄宿学校。生真面目で皮肉屋で学生や同僚からも嫌われている教師ポールは、金持ちボンボン学生を留年させたことでクリスマス休暇に家に帰れない学生たちの監督役を務めることになった。母親が再婚したために休暇の間も寄宿舎に居残ることになった学生アンガスや、その他四人の学生がいたが、他の四人は親が迎えに来てスキーに連れていった。アンガスは親に連絡がつかなかったためにスキーに行けなかった。寄宿舎の食堂の料理長として学生たちの面倒を見る一方で、自分の息子をベトナム戦争で亡くしたメアリーと3人がクリスマス休暇を疑似家族のように過ごすことになる。ボストンへ社会科見学にいく三人、ポールは大学を退学処分になった過去があり、また病気の体臭で人付き合いに積極的になれない。アンガスは精神科に入院している父親に会いたかった。メアリーは息子を亡くした傷を分ち合いたかった。それぞれの問題を理解し寄り添う。


ところどころ笑えるシーンもありほのぼの話が進む。反目しながらそれぞれの孤独に寄り添って、お互いを理解していく。厳格で、言葉が強くて、いや〜な感じの人間であっても弱い部分があってそれを知ってしまうと案外憎めないものです。


先日旅行のお土産に温泉饅頭を配ったんですけど、上司から「甘いおまんじゅうが心に沁みました、ありがとう」というメモ書きをもらいました。たかが温泉饅頭でこんな反響は初めてて、何か企んでいるのかとハラハラしましたが、上司もだいぶ弱っていた様で、その言葉を素直に受け取ることにしました。何となく苦手意識も薄れていく気がします。